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「人気」という不確かな『資産』〜人気教員から不人気教員へのストップ安〜

僕は私立高校で英語の教員として働いています。結構楽しく仕事をさせてもらってありがたいです。

ただ最初から楽しく仕事ができていたわけではありません。最初のうちは教員を楽しいとは思えませんでした。

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『若さ』と言うボーナスタイム
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自分で言うのも何ですが、学校で勤務し始めた時は結構生徒に人気があった気がするんですよね。「若い」だけで人気が出る『ボーナスタイム』と言う現象がある気がします。

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「先生ならわかってくれるよね」と言うプレッシャー
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最初のうちはそこそこ人気あって個人的にとても幸せだったのですが、徐々に息苦しくなりました。

それは「若い先生なら生徒の気持ちをわかってくれるよね」と言う生徒からのプレッシャーです。

高校生は賢いですから、「あなたは私の味方だよね」と言って教員を自分達の有利なフィールドに引きずり込もうとするんです笑。

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教員として「人気」と言う資産しかなかった
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教員を始めたばかりなので僕は「授業力」・「指導力」などの教員が身につけておくべき能力が低かったんです。

当時の僕には「生徒からの人気」と言う非常に根拠が曖昧な資産しかありませんでした。

そう言う意味で「授業力」・「指導力」は教員にとって『不動産』。「生徒からの人気」は教員にとって『動産』と言えるかもしれません・・・・・

すいません。頭良く思われたかったので無駄に『資産』に絡めた比喩表現を使ってしまいました。しかも定義も曖昧です。

ある意味で、僕は現在でもnoteの読者の方々の「人気」と言う『資産』を取りに言ってるわけです笑

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「人気」を気にするとかえって「人気」無くなる
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「人気」しか無い状態って危険なんです。だって自分の実力が無いわけです。そうすると「生徒の気持ち」を優先することが一番重要な行動指針になってしまいます。

ただ不思議なもので「生徒からの人気」と言う『資産』が減ることを恐れて生徒の気持ちに寄り添いすぎると「人気」ってかえってなくなっていくんです。

生徒がこちらをナメてしまって下に見るようになってくるんですね。

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教員と生徒の価値観の板挟みという地獄
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さらに問題なのが「教員の価値観」と「生徒の価値観」の板挟みになることです。

僕ら教員は当たり前ですが同僚の先生がいます。この先生がたの視線も無視することはできません。

教員は「学校を適切に運営する」というミッションがあるので、「生徒を管理する」という「教員の価値観」を持っています。これは当然のことです。

でもここで悩むわけです。「この指導をしたら僕は生徒からの人気が下がるのでは無いか」と。

「生徒からの人気」という資産と「同僚からの信頼」という資産のポートフォリオを考える際に価値観の板挟みという状況に陥ってしまいました。

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人気維持にとって大事なのは『一貫性』
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しかしながら、他の先生の指導を無視することは出来ないわけですから、生徒をしっかり指導しなくてはいけないわけです。

この時の反発が本当に大きいんです。

それは当然の反応です。生徒は僕を「生徒の味方」として認識しているからです。味方からの裏切り行為に対して生徒は怒りを覚えます。

さらに問題なのは対応に一貫性が無いことです。「生徒の価値観」に沿った対応をし過ぎると、いざ「教員側の価値観」で指導をした時に普段の言動と一貫性が取れなくなることが多いです。

「普段言っていることとやってることと違う」というのは生徒からの信頼を失う大きな原因になります。

「一貫性がある」は本当に重要な要素なんです。

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「一貫性がある」=「わかりやすい」問題
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「一貫性がある」先生は人気が出ます。その理由を言語化して見ると、生徒にとって行動原理が理解しやすいからだと思います。

僕らは理解できないものを嫌いになる傾向があります。それならば理解しやすいものに対しては好感情を抱きやすいはずです。

だから「怒りっぽい」という一見するとネガティブな一貫性でも良いんです。生徒にとっては理解しやすいわけですから。

それよりも、普段はある程度優しいのに「日によって怒る基準が違う」とかの方が生徒から人気がなくなると思います。

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一貫性の無い僕はどんどん「不人気教師」へ
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最初は「人気」という『資産』がストップ高だった僕ですが、指導に一貫性が無いというマイナス要因が原因で2ヶ月くらいの間に「不人気教師」へと自分の株価が低迷して言ったわけです。

ただ僕の人気が落ちたのは「対応が一貫していない」という要素だけではなかったのです。

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授業内容より笑いを求めに行くというミス

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当時、授業力に自信がなかったので、授業内容よりも雑談などで生徒の笑いを取りに行くことを生き甲斐にしてしまってたんですね。

割と若い男性教員に多い現象かなと思います。

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すべらない話は割とみんな持ってる
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1学期の授業とかはこれでも何とかなります。何故ならば、誰にでもウケる話って割とみんな持っているからです。

最初に雑談をするときは絶対にスベるわけにいかないですから、みんな自分の人生でウケて来た話をするわけです。

当然それは生徒にウケます。

でもここからが問題なんです。

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ネタ切れ→不適切ネタ?
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最初のネタは当然ウケることが多いのですが、問題はそんなウケるネタなんてたくさん持っていないということです。僕らは芸人さんではありません。

ただ初期の話がウケたので生徒の期待値は上がってしまうんです。

そうすると徐々に授業中の雑談のウケが悪くなります。そうすると教員って焦るんですよね。

ここで、「授業は内容が重要であって雑談が本質では無い」と軌道修正ができれば良かったんですが当時の僕はとにかくウケが欲しかったんです。

徐々にウケが欲しくなり、少し荒い情報で雑談をしたり、少し盛った話をしてしまったのだと思います。

そうすると一部の生徒からの強い反発が起こりました。

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10年間教員辞めたかったけど少しずつ回復
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色々あってすっかり「不人気教員」になってしまった僕はその後とてもつらい教員生活を送ることになります。正直、教員をやって10年間くらいは苦しくて苦しくて辞めたいなと思っていました。

その辺の葛藤に関する文章を書きましたので興味のある方は読んで見てください。

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授業中の雑談を「funny」から「interesting」に変更
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さらに自分で良かったのは授業中の雑談を「funny」系から「interesting」系に変えたことです。

「funny」系の雑談って前よりも面白いモノを要求されるので生徒からの要求のハードルがどんどん高くなるんです。

でも「interesting」系の雑談は分野を変えれば良いだけなので生徒からのハードルも高くなりません。さらに雑談のネタも見つけやすくなります。

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適切にトレーニングして教員が楽しくなった
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「生徒の人気」という他者に依存した『資産』ではなく、「授業力」や「指導力」と言った自分固有の『資産』に目を向けて地道に取り組むしか無いなと思います。

特に「話し方」のトレーニングを行ったことが効果が大きかったです。

そのことについても文章を書いたので良ければ読んでください。

ここまで読んでいただいてありがとうございます。



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