杉浦稔大投手の今年度成績を振り返ろう ⑦2024シーズン個人成績〈前〉
(前回の記事)
(マガジンにまとめる機能を使ってみました)
CS1stステージ、エスコンフィールドでの死闘を勝ち抜いた北海道日本ハムファイターズは、その勢いのままファイナルステージの地である福岡に赴いたものの、開幕3連敗という形でその大航海を終えることとなった。
杉浦稔大投手も初戦である10/16にポストシーズン初登板に臨み、1イニング目は三者凡退に抑えるものの、跨いだ2イニング目で主砲山川にソロHRを浴び、怒涛の攻勢を見せるホークス打線の流れを完全に封じることは出来なかった。
ファイターズの2024年シーズンの所感については以前書いた記事をある程度参照して頂くとして。
(CSについては書くかどうか今のところ未定)
今回は「今月中には」と宣言していた杉浦投手の2024年シーズンを振り返ってみる。
数字的に充実したシーズン成績
杉浦投手の2024シーズン成績としては上の表のとおり。(Excelでポチポチした後にスポナビで答え合わせもしたので、多分大丈夫)
昨シーズンと比較しても、今年は躍進のシーズンとなったと言っても決して過言ではないだろう。
7月中旬から8月いっぱいにかけて離脱した期間があったにも関わらず、ほぼ全ての項目で昨シーズンを上回っているのである。
数字的には悪くなったように見える被安打、与四球に関しても、登板数あたりで考えれば大いに良化していると言える。
昨年以前との比較(表には起こしていないが)で言うと、登板数40はクローザーを務めた2021年の56に次いで多く、ホールド15と防御率1.56はキャリアハイ、無敗フィニッシュは移籍初年度である2018年以来2度目、中継ぎ転向後は初である(ちなみに2018年はわずかに3登板しかしていなので、今年の無敗フィニッシュの意義はかなり大きい)
奪三振数が23と昨年に比べて1しか増えて少ないのは、今シーズンの杉浦投手の活躍を見守ってくれていたファンの方や、これまでの自分の記事を読んでくれていた方なら、もう何も言わずともその理由を解っていることと思うが、敢えてここに記しておく。
そう、「打たせて取る」スタイルを貫き通したからである。
2024年シーズンの投球スタイル
月毎の内訳については各月の振り返りをそれぞれ読んでもらうとして、総括すると今年の投球はストレートを主軸にカットボール、フォークをバランスよく投げ、稀に意表を突くスライダー、カーブ、チェンジアップが飛んでくる、といった内訳となった。
どのくらい打たせて取っていたのかと言うと、
(対打者数137)−(奪三振数23+被安打24+与四球12+与死球1)= 打ち取った(ゴロ、フライ)数 77
と、今季対戦した打者のおよそ半数以上を凡打にしたということである。
(この計算の仕方が本当に正しいのかどうかは分からないが、イメージ的にはこんな感じだと思っている)
杉浦投手が今季のインタビューで武器にしたいと答えていたカットボールが磨きに磨かれ、既に武器として携えていたフォークと唯一無二の伝家の宝刀、美しすぎるストレート(と勝手に呼んでいる)に組み合わされることで、今季の好成績が出来上がったと言えよう。
勿論従来の奪三振スタイルも出そうと思えば出せると思っているので、来季からは登板の度に「打たせて取る」のか「奪三振」なのか、と相手チームの打者を大いに悩ませて欲しい。
野球有識者の野球解説者の方が言っていた、
「球種が1つ増えれば、戦略は倍以上に拡がる」
(一言一句合っているかは定かではない)
という言葉は、まさに今季の杉浦投手に当てはまっている。
実はまだもう少しExcelでポチポチしたものがあるので、また追ってまとめていきたい。
これから日本シリーズもあり、来季に向けての本格的な動きが始まるのはもう少し先。
それまでのんびり、でも確実に、今季の杉浦さんの凄さを書き記していきたい。
道新スポーツに杉浦さんの記事が出て嬉しい。