法人について【ひかるの自己満】
あなたは人ですか？？
はい、そうですね。たぶん人だと思います。
あなたみたいないわゆる「人」のことを自然人と呼ぶことがあります。そしてこれの対となる概念が今回のテーマとなる法人です。
そう、この世には生物：人間ではないにもかかわらず「人」という漢字が用いられる「法人」なる摩訶不思議な概念が存在するのです。
うーん、法人税とかで耳にするあれですね。正直結局のところよく知らないものの筆頭格です。ということでちょっと詳しく勉強してみましょう。
（主に法人の分類についての記述となります。）
法人について話そう
法人の意味だとかなんだとか
「法人」とは法人格というものが与えられた組織・団体のことを指します。法人格というのはつまり、その集団になんらか一定の権利が存在するということですね。具体的に言えば権利義務の主体となることのできる資格ということ。これによって公的な手続きなんかが”組織として”行えるようになるということみたいです。
ちなみに法人格が与えられていない組織・団体については「任意団体」という名称が与えられています。大学のサークルなんかはここに該当するわけですね。
民法では第三十三条から第三十七条までが法人の章となっています。はじめの二条について以下に示しておきます。
第三章 法人
（法人の成立等）
第三十三条
１ 法人は、この法律その他の法律の規定によらなければ、成立しない。
２ 学術、技芸、慈善、祭祀し、宗教その他の公益を目的とする法人、営利事業を営むことを目的とする法人その他の法人の設立、組織、運営及び管理については、この法律その他の法律の定めるところによる。
（法人の能力）
第三十四条 法人は、法令の規定に従い、定款その他の基本約款で定められた目的の範囲内において、権利を有し、義務を負う。
第三十三条の一項については頭に留め置いてもいい内容に感じます。この条文の主張を逆に言えばすべての法人にはその存在根拠となる法律の規定が存在するということですからね。いろいろな法人の根拠規定を探してみるのもおもしろいかもしれません。
公法人と私法人
公法人とは公的な法人のこと。対義語は民間による私法人。
名は体を表す。素直な良いネーミングですね。
具体的に言うと地方自治体や独立行政法人だとかはここ。国立大学法人も独立行政法人の一種みたいな扱いっぽいのでやっぱりここなんですかね。
地方自治体の根拠規定となる地方自治法の条文を引用しておきます。
第二条
① 地方公共団体は、法人とする。
あ、ついでに放送法にあるNHKの根拠規定も載せておきますね。
（法人格）
第十六条 協会は、前条の目的を達成するためにこの法律の規定に基づき設立される法人とする。
はい。
いずれにしても公だとか私だとかは別に法的に定義のある概念ではなさそうな感じです。
公法人の反対が私法人です。要するに民間の法人のことですね。
以下では私法人の分類について記していきます。
営利法人と非営利法人
こちらも簡単なイメージは湧きやすいと思います。営利法人の代表格は株式会社ですし、非営利法人の代表例はNPO法人ですね。
それぞれお金を目的としているか、していないかといった違いです。
ただしどのようにお金を目的とし、あるいはしていないかという点はやや理解しにくいかもしれません。
より詳しい話をすると両者の違いは余剰利益を配分することができるかできないかにあります。
意外だったのは非営利法人でも事業を通じて利益を得ること自体は出来るし、さらにその法人で働く職員にその利益を給料として支払うこと自体は出来るということです。しかし非営利法人の構成員は必ずしも職員とは限りません。そのような人物に利益を配分することはできないということです。
そして営利法人は事業によって得た利益を株主に配分することが出来ます。これが両者の違いとなります。
社団法人と財団法人の違いについて話そう
ざっくりと
もちろん定義的なものは法律に書いてあるわけですが、ここではわかりやすい性質的な部分に着目して書いておきます。
あるサイトによれば両者の違いについて「社団法人とは『人の集まり』であり、財団法人とは『財の集まり』である」と説明できるそうです。
うーん、さすがにこれだけではよくわからんのでもう少し詳しく書いておきましょう。
ていねいに
ようするに社団法人は同窓会だのサークルだのがより団体としての水準が高まったものと理解するのが正しそうです。全構成員が参加する「社員総会」の設置や団体の規則となる「定款」などの作成が求められます。大規模な同窓会なんかだと法人化されてるところもあるみたいですが、そういうのはこの社団法人という形で運営されているんですね。
一方で財団法人は、どこぞの資産家が「儂の金を未来ある若者のために使っておくれ」とか言って金を出して設立されるものという感じですかね。ノーベル財団とかすごく理解しやすいかもしれません。あれはダイナマイトの発明者である、かのノーベルが自らの財産をノーベル賞の運営のために使わせたという代物なわけですからね。ちなみにノーベル財団は彼の資産を運用し資金を得ることで今でも滞ることなくノーベル賞の運営を続けています。
そういえばSCP財団も「財団」と名前についていますが、誰かがお金を出資して設立されたってことなんですかね。
一般法人と公益法人の違いについて話そう
非営利法人を設立しよう！（一般法人）
おそらくもっとも簡単に設立することのできる非営利法人は一般社団法人です。一般法人は「一般社団法人及び一般財団法人に関する法律」において規定されています。
一般社団法人および一般財団法人は所定の手続きを取りさえすれば誰でも設立することが出来ます。便利ですね。
ちなみにこのように法律上の要件を満たしているかぎり、主務官庁の関与を経ることなく当然に設立が認められる方式を準則主義と呼ぶそうです。その他の方式については以下のサイトをご覧ください。
・・・おや！？ 一般法人のようすが・・・！（公益法人）
おめでとう！一般法人は公益法人にしんかした！
そう。一般法人は公益法人に進化するのです。
公益法人は「公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律」において規定されています。「認定」という語が入っているところが少し注目ですね。一般法人の設立とは異なり、公益法人の設立には行政庁の認定が必要になります。
（準則主義により）どんな団体であれ所定の手続きさえ経れば設立できた一般社団法人や一般財団法人とは異なり、公益社団法人や公益財団法人はその事業内容に公益性があることが求められます。公益性が認められれば無事に公益法人に”しんか”することが出来、法人税の優遇の対象になるなどメリットが存在します。
ちなみに初めから公益法人を立ち上げることが出来ないそうです。やっぱり一般法人から進化させるしかないってわけですね。
法人の種類
社会福祉法人
医療法人
行政書士法人
都道府県
以下のサイトに示されている法人の一部を抜き出しました。
おわりに
ということで今回は法人についていろいろと調べてみました。結社の自由から派生して興味がわいたこの話題だったんですけれども、思ったよりまとめるのが難しくてかなり時間が空いてしまいました。非営利法人についてやや比重が偏っているのはそれが理由でした。
ということで、ここまで読んでくれた自然人のあなた、どうもありがとうございました。
参考になったサイト
もっと詳しく知りたい人はこの辺も合わせて読んでみるといいかもです。
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