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見積もりって、そんなに大事?アジャイルなプロジェクト計画のススメ「その①」
開発期間、コスト、必要なリソース…あらゆるものを予測し、数値化していく見積もりは、プロジェクトの成否を左右する重要なものです。見積もりによって、優先度が変わったり、実施可否も決まったりします。
組織やプロジェクトによって、この見積もりのやり方は異なると思いますが、個人的には見積もりとどう向き合っていくかがプロダクトマネージャーやプロジェクトマネージャーの永遠のテーマのひとつだと思っています。
「見積もりって面倒くさい…」
「見積もりは大体でいいんじゃない?」
「どうせ見積もり通りにならないよね」
そう思っている人もいるのではないでしょうか?私もその一人です。
見積もりは重要ですが、正確にやろうとすれば調査に時間がかかります。
見積もりをする人の経験や性格によってもバッファがあったり、なかったり、考慮していることが違ったり、信頼できるものかどうかわかりません。
これに時間をかけても、成果に直結しないのもつらいところです。
「アジャイルな見積りと計画づくり」の書籍で引用されていたジョージ・Sパットン将軍の名言があります。なかなか奥が深い引用です。
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ということで、前置きが長くなりましたが、見積もりや調査を正確におこなって計画を綿密に立てるより、まず実行、動き出すことが重要だというお話をしたいと思います。
初期の見積もりは難しい(不確実性のコーン)🌽
プロジェクトの計画の難しさを表す図としてよくしられているのが「不確実性のコーン」です。これは1981年に発表されたものですが、現在にも通じるものだと思います。
プロジェクトの初期段階では不確定要素が多いため、見積もりには0.25~4倍くらいの誤差がある。
見積もりはプロジェクトの進行とともに不確実な部分が少なくなってきて誤差は収束に向かう。
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特に何かしらに不確実性があるプロジェクトにおいては、初期の見積もりは信頼できません。
そのプロジェクトの要件・仕様は明確に定まっていますか?
チームメンバーに認識ズレはありませんか?
新しい技術領域にチャレンジしますか?
人員に変化はありませんか?
何かしらに不安がある場合、その見積もりは不完全です。
作業は決して早くは終らない😱
そして、プロジェクトのスケジュールには遅れが生じることはあっても、予定よりも早く終わることはほとんどありません。
以下の要因によって裏付けられています。
作業の遅延:プロジェクトの作業には、予期せぬ問題や遅延が発生することがあります。
遅延の伝播:ある作業の遅延は、後続の作業に影響を与え、プロジェクト全体の遅延につながることがあります。
人間の心理:人は、作業にどれくらいの時間がかかるかを正確に見積もることが苦手であり、楽観的な見積もりをしがちです。
パーキンソンの法則:仕事の量は、完成のために与えられた時間をすべて満たすまで膨張するという法則(人は期日を設定されると、期日まで使いきる行動をしてしまう)。
早く終わることに何かしらインセンティブがない限り、見積もりに対して、作業は決して早くは終わりません。
つまり、見積もりを完全にやってもプロジェクトは計画通りにやれる可能性はあるが、早く終わることは決してないということです。
ということで、パットン将軍の言葉を胸にとにかく実行!実行ーぉッ!!!
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とは、なにませんよね。
先見の明とパワー(お金含む)でプロジェクトやチームをまわせる手腕があったり、戦時下やトラブル発生時であれば、ありな考え方ですが、だいたいはそうではありません。
まとめ、そして続く💨
今回は、初期の見積もりが難しいこと、作業は決して早く終わらないことを踏まえ、綿密な計画よりも、まず実行に移すことが大切さをお伝えしました。
プロジェクト計画はだいじなポイントを抑えてアジャイルに!
「良いと思える計画」を「力任せではなく」スタートするための、アジャイルなプロジェクト計画については、次回にまわさせてもらいます🙇♀️
To Be Continued.