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【第1回】コンセプト確立と基盤づくり:ビジョンを形にする最初の3ヶ月

前回の自己紹介

「マーチングバンドのイベントをオンライン×オフラインで盛り上げる」
――このアイデアを実現するために、最初にやるべきことは何でしょうか?

本シリーズの第一回は、プロジェクトの核となるコンセプト定義、必要な人材・体制整備、ブランド初期構築、そして権利問題への備えまでを扱います。

今回、「必ずやるべきこと(マスト)」と「プロジェクト状況によっては削減や後回しも検討できること(オプション)」を明示します。
周りの人やリソースを見ながら、参考にしていただけたら幸いです。

今回のポイント

「誰に、何を、なぜ」提供するかの軸を明確化(マスト)
人材・ツール整備で基盤を固める(マスト)
ブランド構築は必須だが、精緻なコンセプトムービーなどは後回しも可(オプション)
法務面は最低限の確認必須、ただし詳細な契約交渉は必要性と予算に応じて段階的に実施(オプション要素あり)


1. ビジョン・ミッション・バリューを明文化する

MVP(Mission, Value, Purpose)の言語化:
プロジェクトの原点となる価値観と目指す姿を明文化し、後々の意思決定で迷わない基準を確保します。

マスト理由

方向性がないと、意思決定で迷走し、時間や労力の浪費につながるため。

オプション(縮小・削除可)

詳細なケーススタディ作成
この段階で「将来こういう展開も...」と細かいシナリオを詰める必要はありません。
MVPが固まったら一旦OKとし、ケーススタディは後で必要性が出た時点で追加できます。

2. コアメンバー確保と組織体制整備

マスト作業

プロジェクトメンバーの確保と役割定義:最低限、発起人、企画者、運営サポート、技術担当は明確化し、「責任者=問題発生時の説明担当」をはっきりさせる。
マストの理由:人がいなければプロジェクトは動かず、誰が何をするかが曖昧だと進行が停滞します。
プロジェクト管理ツールの導入:Asana, Trello, Notionのいずれかを用いて、タスク・進行管理を可視化。
マストの理由:遠隔地間の連携で進行を把握する手段がないと、混乱が生じるため。

オプション(縮小・削除可)

全員がPMツールの高度な機能を習熟すること:最初から全メンバーに高度なプロジェクト管理スキルを求める必要はありません。
最低限タスク状況が共有できれば良いと考えます。
高度なワークフローや自動化は必要に応じて後から導入できます。

3. ブランド要素決定

マスト作業

プロジェクト名・ロゴの決定:
最低限「名前」と「ビジュアルでイメージできるロゴ」程度は早めに固める。
マストの理由:対外的な話をする際に、固有名詞とシンボルがないと共有しづらいため。

ティーザー発信用のSNSアカウント開設:Twitter(X)やInstagramなど、少なくとも1~2のSNS公式アカウントは用意しておく。
マストの理由:後で告知開始する際にアカウントがないと即座に発信できない。

オプション(縮小・削除可)

コンセプトムービー・高品質なビジュアル制作:ブランドイメージを強化する動画や凝ったデザインは後回し可能。基本的なロゴと簡素なイメージ画像があれば初期段階は十分。
すべてのSNSプラットフォームを同時展開:初期は1~2の主要SNSに絞り、様子を見ながら増やせます。

4. 法務・権利関係整理

マスト作業

最低限の使用許諾確認:音楽・映像を使う場合は、無断利用にならないよう著作権の基本ラインを確認。
また、出演者肖像権への配慮や基本契約テンプレートの準備など、後で取り返しがつかない問題は初期に把握。
マストの理由:法務違反が発生すると後戻りが難しく、信用失墜や訴訟リスクがあるため。

オプション(縮小・削除可)

弁護士やエージェントへの細かい相談:
全てを一度に固める必要はありません。
高額な顧問契約や詳細な契約書案は、正式イベント開催や有料化が近づいてきてからでも検討可能。
詳細なグッズ制作権利交渉:
初期はグッズ販売まで距離がある場合、権利関係の詰め込みを後回しにできます。
まずは基本ルールの理解に留めてもOK。

次回予告:コミュニティ立ち上げとテスト運用へ

今回は、プロジェクト開始の最初の期間で、「これは必ずやっておくべき核の作業」と「優先度が低く後で回せる要素」に分けて解説しました。
次回は、フェーズ1にあたるコミュニティ立ち上げやテスト運用における「マスト」と「オプション」を紹介し、どこから手をつけるべきかをさらに明確にしていきます。
このように、全てを最初から完璧にする必要はありません。まずは最低限の軸や体制、ブランド要素、権利確認を固めてから、徐々にアップデートしていけば十分です。

以上、第一回のご清聴ありがとうございました。
次回もよろしくお願いします。

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