魔法の絨毯
「定住する家がない」と、彼女は言った。
「自分が知る限り三人目の無拠点居住者です」と自分が返し、ふたりで笑った。
彼女は、個人事業主としてデザインやディレクションをしながら、海外・国内を飛び回るように暮らしている。
自炊とWi-Fiに魅力を感じ、LivingAnywhere Commons 会津磐梯をお試し的に利用しているとのことだった。
現在は、絨毯のデザイナーやディレクションをしているという。彼女が手掛けた絨毯はグッドデザイン賞を受賞している。
絨毯、自分には接点のなかった世界だ。
好奇心でいろいろ聞くと、ひとつひとつ丁寧に教えてくれた。
例えば
よくある既製品の絨毯は裏が糊で固められているので、床暖房などには使いづらいが、彼女が手がける絨毯は、完全に天然素材で手織りされているので通気性がよく、床暖房でも問題なく使える。
羊は世界に1000種類くらいいて、この絨毯に使われる羊毛は原種に近い羊から取れたもの。質の良い羊毛は、天然の撥水効果もある。
などなど、話は尽きない。
いろいろ話してくれた中で、自分が最も感銘を受けたのは、彼女が絨毯に織り込んだストーリーだ。
大きなアーモンドの木に、向かうように飛ぶ鳥。
鳥は子供達を表し、樹木は家庭を表すという。
アーモンドの木の花びらの色を変え、お父さん、お母さんに見立てたり、子供の人数に合わせて鳥の数をカスタマイズできる。
大きく羽ばたいておいでという想いと、いつでも帰ってきていいんだよという優しさで構成されている。
暮らしを彩るモノの価値は人それぞれに違うが、子を思う気持ちはいつの時代も同じだと親になった今だからこそ言える。
モノを持たない時代に、伝統的な手織りで受け継ぐものを作る。
一生使える絨毯。
家族をつなぐ絨毯。
この絨毯には、そんな魔法がかかってる。
これらの絨毯は猪苗代で見ることができる。
日本人の暮らしに馴染む、世界で最も上質なオーダーメイドの絨毯を是非体感してほしい。
LivingAnywhere Commons には謎に面白い人(失礼)が集まってくる。
自分には想像がつかない世界で活躍されてる人の話はとんでもなく面白い。
そんな興味深い話をひとりでも多くの人に伝えたくて、noteを書いている。
世の中は面白い🤣
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