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+81のTravis Japanは〈自担のバックで踊るJr.の子〉

しつこいようだが、またもや+81の話題を書いてみようと思う。更新されるたびに新たな発見をもたらしてくれるこのプロジェクトすごい。

9月10日に公開された、Travis Japanのソロチャンネル「+81 DANCE STUDIO」の第3弾は、少年隊の「FUNKY FLUSHIN'」だった。

オタクは沸いた。
前回、前々回の嵐とTOKIOを凌駕する数のオタクが。

なにせ少年隊のファンだけではなく、プレゾンガチ勢が色めき立ち、さらに「あれ、山下達郎さん? 懐かしい!」という世代にも届いたのだ。

コレオのcalinさんはKinKi Kidsの「KANZAI BOYA」や、堂本光一くんのツアー「PLAYFUL」に出演された方ということもあり、KinKi Kidsおよび堂本光一くんのファンへ呼びかける声もあった。

第3弾にしてこれだけの層を巻き込んでいる。ちょっとしたお祭りだった。

曲はもちろん、のえしめのセンターも相まってさらにプレゾンに浸る層が続出して言葉を失っている。私はそのときトラジャを追っていたわけではないが、ルーツを懐古するその気持ちは他G担でも分かるよ

ジャニーズJr.の大舞台の一つ、プレゾンを思い出させたことで、+81がカバーチャンネルであっても好意的な評価を受けている理由を、また一つ見つけた気がしたのだ。

それが「歌っていないこと」だった。

カバーは時として争いを生む


ジャニーズJr.が歌うとき、その大半は先輩のカバーである。少クラに出るときも、たまにMステに出るときも、舞台でも、自分たちだけのライブでも全編自曲で歌うことはまずありえない。

そしてその伝統文化は、時にオタクを沸かせ、時にモヤモヤを植えつける。悲しいことにオタク同士の軋轢を生んでしまうことも。

私は関ジャニ∞のファンで、初めて「宇宙に行ったライオン」を聴いたときはモヤッとしたものが胸に残った。「これはすばるくんの声じゃなきゃダメ」。そう思ってしまったのだ。

この現象は、その曲に思い入れがあればあるほど起こりやすいと思う。
現に私は「宇宙に行ったライオン」には並々ならぬ思い入れがあったので、エイトの他の曲ではそこまで思わなかったモヤモヤを抱えてしまったのである(そうじゃない人もいるよ)。

「JAM LADY」なんか、「トラジャがオゲレツとかメイクラブとか言ってる~~!    ピャ~~!」などと言って大興奮してしまったのに。
ごめんなさい、下品なことを言いました。大変失礼いたしました。

その気持ちは掛け持ちをしている人ほど多く経験するものだ。

自担Gの思い出の曲は、自分だけの宝物。そう易々とカバーしてほしくない。

そんなことを思ってしまう人のことを、誰も責められないと、私は思う。例え本人たちが熱望した曲だとしても、どんなに上手くても、どんなに周りからの評判が良くても、だ。

まず「聴いてみよう」という気さえ起こらないかもしれない。なぜなら、デビュー組のファンの中には「Jr.が自担の曲を歌うことに慣れていない」人がいるからである。

ジャニーズJr.は決して目立たないこと


ジャニーズJr.のメイン活動の大部分は、先輩のバックにつくこと。つまり、先輩のライブや舞台に花を添えることである。
そこで学んだことを持ち帰り、次の舞台やライブなどに反映させる。そうやって成長していくのがJr.の真髄だ。

Travis Japanのメンバーは、最年少の松田元太でも11年目、最年長の川島如恵留はもうすぐ15年目に入るベテランJr.。

その間、様々な壁にぶち当たりながらも、いろいろな先輩のバックについたり舞台に出たりしながら実力をつけた。嵐の松本潤くんに「あいつらを使いたい」とまで言わしめ、事務所を飛び出し世界のアーティスト、オースティン・マホーンとのコラボまで務めた。

花を添えるのが仕事であるジャニーズJr.として「優等生」といえるだろう。

私は前回、「トラジャは+81でジャニオタを救うかもしれない」という記事を書いた。

このプロジェクトが、先輩の歌を継承することで既存のジャニオタの心を昇華させるかもしれない、という旨なのだが、それが「なぜ」なのかを少し考えてみた。

そして、「トラジャがメインを張りながら実はサブも担っている」という魅せ方にあるのではないか、という考えに至ったのだ。

このプロジェクトはご本人の歌う原曲を使用している。歌はカバーしていない。

つまりTravis Japanという自分たちのグループをアピールしながら、一方で「先輩の曲で踊る」というジャニーズJr.としての最大の努めを果たしているのである。

「自担の歌声で踊るJr.」には慣れているジャニオタ


初めこそ「新しい試みだ! さすがトラジャ! トラジャしか勝たん!」などと興奮していた私だが「FUNKY FLUSHIN'」を見ながら、よく考えたら先輩の曲で踊っているJr.なんて山ほど見てきたじゃないか、と思った。

そう、他でもない自担グループのバックで。

中にはバックをつけないグループもあるが、ほとんどのジャニオタが一度は「自担の曲でJr.が踊っている姿」を見た経験があるだろう。

その振りは本人たちと同じ場合もあれば、違う場合もある。

つまり好き嫌い、良い悪い、いるいらないという「感情」は別にして「自担の曲で知らないJr.の子が踊っている」という「行為」自体は、実は目新しくもなんでもなかったのだ。

しかし、先述のように多くのデビュー組担は「踊る姿」は慣れていても「歌う姿」には慣れていない。
カバーをみる機会なんて、夏と年末のメドレーだけだ。しかもデビュー組同士の。

この「+81 DANCE STUDIO」が、もし歌もありきの完全なカバーチャンネルだったとしたら、いくら「ジャニーズを継承する」と言ったところで、ここまで好意的に受け入れられていただろうか。

いや、多分喜ぶのはトラジャ担だけだ。

これは私の勝手な予測だが、そんなことない! よく見るるよ!とお思いになるデビュー組担の方は、Jr.が歌う機会のある舞台にも通うコアなジャニオタであろう。

恐らく、ファンクラブ会員の半数以上はライブしか行かない層だと思っている。それすら叶わないファンも多いかもしれない。

ジャニーズにはライブだけではなく、テレビで披露するときでもJr.をバックにつけて踊っている曲もたくさんある。

何度、Hey! Say! JUMPを見る度に「2人を裂いた裕翔がこんなに大きくなってる~!」と涙したことか。2017年のベストアーティストなんてもはや悲鳴だった。

このプロジェクトのプラットフォームは、いつでもどこにでも誰にでも届くYouTube。
お茶の間で「音楽番組は欠かさず見るけどライブまでは……」というファンや、他G担だけど歌は好きで聴く、といった層まで入れるとしたら、カバーを目にしたとき、圧倒的に「振りが違う」より「声や歌い方が違う」に違和感を抱く方が多いと思う。TOKIOのようにそもそも振りがない曲だってある。

一般に、五感の中で聴覚は一番初めに忘れると言われているが、自担の声を、歌を忘れることがあるだろうか、いやない。断言する、ない。

大好きなあの歌を、大好きなあの声を、あれだけ何度も聴いたのだ。寝食を忘れるほど何度も何度も。嬉しいときも、つらいときもそばにいてくれた。

忘れるわけない。忘れられるわけない。

振りももちろん大切な要素ではあるけれど、それほど「歌」と「自担の声」は記憶に残り、思い出を結びつける

トラジャは歌も上手いけど、上手下手は関係ない。どんなに下手でも「自担の声」だから響くのだ。

だからこそ「歌のカバー」には拒否反応を示してしまうファンが一定数いるのも事実である(もちろん好意的なファンもたくさんいる)。

自担の歌声を聴きながら、ふとバックに目を向けたとき「え、 あの子いいじゃん!」と思わされるようなダイヤモンドの原石を発見したりする。自軍につくJr.には特別な感情を抱くものだ。多分。気がついたらドボン。そんなオタクをたくさん見てきた。

その一連の流れが、+81で行われている気がしてならない。

だから「ダンス」だったのだ。トラジャの最強にして最大の武器は、彼らをさらに魅力的に見せるだけではなかった。
双方のファン同士を争わせることなく、違和感を持たせることなく、カバーされた側のファンを新たな世界へ連れていってくれる。

#少年隊発トラジャ行き  という言葉がしっくりきたのは、そのおかげかもしれない。

まさに「事務所を背負った」ジャニーズJr.として、ジャニーズJr.であるトラジャにしか出来ない、最大限の"Show must go on"なのである。

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