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生き抜けろ、Travis Japan。

ジャニーズJr.の7人組グループ・Travis Japan初の全国ツアー「Travis Japan Live tour 2021 IMAGE NATION~全国ツアーしちゃってもいいですかっ⁉~」のドキュメンタリーをようやく観終わった。

直後のいま率直に思うのは、「あぁこれはいのちの物語だな」ということ。いきなりめちゃくちゃ重たいけれど。

トラジャのメンバーはみんな、何というか「Travis Japanを生きている」と思う。川島如恵留くんが「Travis Japanという一つのプロジェクト」と言っていたように、メンバーはよく「Travis Japanはファンも含めてTravis Japan」と言ってくれる。"Travis Japan"という一つの物語の中で、みんながその生涯を生きているのだ。メンバーも、スタッフさんも、身近な方々も、ファンもすべて含めて。

人は何か一つのことに集中すると無双モードに入ることがあるが、まさにトラジャは今あの状態にある。いわば某ブラザーズのスター状態で、敵を寄せ付けないだとかそういうことではなくて、無我夢中に、一心不乱にステージクリアへ向かっている途中だと思う。

ファンが思う「次はトラジャだって言われてるのにまだなのかな、もう十分でしょ」は、全然十分ではなかったのかというのが賛成コンの配信後に感じたことだった。ここ最近のトラジャの伸び率は、目を見張るものがある。

本当はみんな分かっている。トラジャがデビューしていないのは「実力が足りないから」ではないと。多くのデビュー組担の方々が、「Travis Japanはデビュー組超えてる」と言ってくださったり、ジャニーズの先輩方や、トラジャに携わってくださる方々もTravis Japanを認めてくださっている。

デビューがすべてではないけれど、世間的にみると「このグループを売りたいんだな」と事務所に太鼓判を押されたようなもので、露出も格段に増えるからファンもタレント自身も一つの節目に感じているのはまず間違いない。もしかしたら、そこに重きを置いていないのはジャニー喜多川氏その人だけだったのかもしれない。

だから、ジャニーズJr.の活動の目的が「デビューすること」になっていたとしても何ら不思議はないのである。

しかしトラジャは、何より本人たちがそれを良しとしてないのだ。なぜなら、彼らにとってデビューというものが、「目的」ではなく「手段」の一つになっているからだと、私は感じた。

明確な目的があると計画が立てやすく、目標も整理されていくものだが、反面それが叶ったときに次の目的を探すことが難しくなる。
一般人でもあの大学に入る、あの企業に入る、などそれ自体がゴールになってしまうと、そこに立てたとき先が定まらず「自分って何やってるんだろうな」と迷路に入り込んでしまうことはよくある。

同じようにデビューすることだけを目指していると、その先はオリコン1位、売上何枚、コンサート会場の大きさ……と分かりやすくはなるが、一方で次の目標を見失ってしまいかねない。

かつてはトラジャもそうだったのかもしれないけれど、七五三掛龍也くんの「Travis Japanを発信するためにデビューしたい」という言葉から考えられるように、今の彼らにとってデビューはあくまでも通過点にすぎないのだ。

ゴールは「世界で活躍すること」かもしれないし「ずっとTravis Japanでいること」かもしれない。「夢と笑顔に溢れた世界を作ること」かもしれない。もっともっと、私たちの、彼ら自身さえ想像できないほど壮大な夢になるかもしれない。むしろ、ゴールなんてないのかもしれない。

けれど、Travis Japanが目指しているものが、デビューの遥か向こうに存在していることは疑う余地もない。

そんな実力もポテンシャルもあるTravis Japanがなぜデビューしていないのか。そこにこそ、トラジャの本当の強さがあると感じている。彼らは、人事を尽くして天命を待っているのだ。

もしもっと前にデビューしていたら、恐らくここまでのグループにはなってないだろうと思う。全員が一つの光に向かってTravis Japanを生きる覚悟ができたからこそ、何事も全力になる。個性が定着し、7人の絆が深まり、パフォーマンスが向上し、「Travis Japanらしさ」が構築されていく。

彼らにとって、これは今の間に身につけなくてはいけないこと。デビューのタイミングはそれぞれのグループで異なり正解も絶対もないけれど、Travis Japanを発信できるようになったその瞬間にスタートダッシュを切るためには、まずデビューしてから実力をつける、では遅いのだ。

例えば「+81 DANCE STUDIO」でわちゃわちゃしている演出。カッコよくしようと思えば、いくらでもできる人たちだけど、あえてそこを見せることで「抜け感」を出し、ゴリゴリにダンスしてるのに、ジャニーズを受け継いでいるのに、カッコいいだけじゃない仲が良くて平和な「いつものトラジャらしさ」が作られる。唯一無二の存在になれる。

これはBSフジ「EP.3:Techno~ Travis Japan × PIKOTARO」でもあったことだ。ただスマートなだけじゃない、そういう「トラジャらしいカッコよさ」を身につけている途中なのだ。

如恵留くんが「経験値を貯めたい」「全力のキャパを広げたい」「アウェイな中でも盛り上がれるようになりたい」と言っていたけれど、そう語っていた全国ツアーを経てキャパシティが無限に広がっていることに気づかされたのは、この2021年のカウコンである。

先日動画が上がったとき、賛成コン配信からは半年、虎者の千秋楽からは1か月足らずなのに、ものすごくドームが似合うようになったと度肝を抜かれた。めちゃくちゃカッコよかった。

いろんなグループのファンがいて、どちらかといえばアウェイな中で良いパフォーマンスするぞ!とか爪痕残すぞ!とか頑張るんじゃなくて、ただただドームを楽しんでいる。そういう印象を受けた。

「楽しむ」というのは余裕がないとできないことで、しめちゃんがいうように、賛成コンの回を重ねる中で培われていったものも大きいと思う。確実に経験したことをものにしている。

この3年前とはパフォーマンスも然ることながら、何より顔が全く違う。この8ヶ月後にスノストがデビューが発表をしているが、トラジャはそこから今まで見違えるほど成長していることは誰の目にも明らかだ。

Travis Japanの活動は決して順風満帆ではなく何度も諦めようと思ったことを、どうにかみんなで乗り越えての今があると、メンバーはよく語っている。結成10周年を迎えるトラジャが評価されるようになったのは、つい最近のことと言っても過言ではない。

2019年8月8日に悔しくて悔しくてたまらない想いをしたメンバーたちが、その約2年後、2021年7月28日になにわ男子がデビューを発表したとき「おめでとう!」と笑顔で祝福することができた。「トラジャにはトラジャのタイミングがある」と言えるほど、気づいたらTravis Japanは強く、そして自信に溢れるようになっていた。

考えてみればこの期間、トラジャ担は「今のトラジャは最高!」をいう想いを何度も何度も更新されてきた。上を上を目指し、挑戦をやめない。できないことも足りないことも、克服していく過程で生まれる苦しささえも楽しんでいる。

それができる7人だから、どんどん無敵スターをまとっていったんだなと思う。

人生は、小さな目標をいくつも持ち、それを一つずつステージクリアしていくことで最期に大きな何かにたどり着くものだと思っている。“Travis Japan”とは、まさに人の生涯そのものなんだと感じたのが、このドキュメンタリーであった。


もうすぐそこまで来ているステージクリアに向け、自分たちらしい"Show must go on"を発信しつづけるために、Travis Japanは今日も進化を止めない。

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