源頼朝の浮気
━━源頼朝はセックス依存症だったのか?
「源頼朝の浮気」の理由については3説ある。
1つは、源頼朝にとって、結婚=政略結婚であり、本当に好きな人を妾にして、共に過ごす時間が欲しかったとする説。
もう1つは、「当時の男性の平均寿命は30歳、性欲のピークは15歳」なので、千鶴丸が暗殺されて、子供は女子の大姫のみの源頼朝は、相手が正室でなくてもいいので、早く嫡男を儲けたくて焦っていたとする説。
『鎌倉殿の13人』では・・・
妻というものは、子供が出来たら夫のことなどそっちのけ。(by 源頼朝)
伊豆国流人時代、妻・北条政子、義父・北条時政、義弟・北条義時という家族ができた源頼朝であったが、鎌倉に来て、弟たちも現れた。とはいえ、女性は、妻・北条政子、義母・牧の方、娘・大姫だけであり、北条政子には常に側にいて欲しいが、比企館へ行ってしまった。また、いたとしても、頭には子供の事しかないようだ。妻が「恋人」から「母」に変わってしまった。さびしい・・・。
『ミステリと言う勿れ』(第1話)で、久能整(菅田将暉)は、出産後に嫁が変わってしまったという池本優人(尾上松也)に次のように言った。
池本優人「ヨメが毎日ピリピリして、いっつも俺に当ってくんのよ。女は子ども産むと変わるって言うじゃん。あれホントだね。でもね、俺だって、なるべく育児に参加しようと思ってるんだよ。(中略)どうしたらヨメとうまくいくと思う?」
久能整「(前略)子供を産んだら女性は変わると言いましたね。当たり前です。ちょっと目を離したら死んでしまう生き物を育てているんです。問題なのは、あなたが一緒に変わってないことです。でも、それは強制されることではないので、好きにしたらいいと思います。したことも、しなかったことも、いずれ自分に還ってくるだけですから」
古代は「一夫多妻制」というか、制度としてではなく、複数の妻を持ちたければ持てたが、複数の妻を持つには、経済的な余裕が必要で、財力のない庶民は、実質的には「一夫一婦制」であった。
■『魏志倭人伝』
其俗、国大人、皆、四、五婦。下戸、或二、三婦。
(倭国の風俗(婚姻制度)では、倭国の大人はみな4、5人の妻を持ち、下戸でも2、3人の妻を持つ場合がある。)
https://note.com/sz2020/n/n8369be637de1
近代、「妻のみに貞操義務を要求するのは、男性による女性の支配だ」として「一夫一婦制」になった。
ただ、子供に「なぜ1人としか結婚できないの?」と聞かれて、「妻のみに貞操義務を要求するのは、男性による女性の支配を意味するから」と答える親はいないであろう。「法律で重婚は禁止されているから」というのも説得力がない。
私なら、「パパが『愛しているのはママだけ』と言ってくれたから、お返しにパパだけ愛することにしたの」って答えるかな。
「法律だから」は説得力がない──。
話は浮気から殺人に変るが、『相棒』(season13 第15話)「鮎川教授最後の授業」で「なぜ人を殺してはいけないのか?」という課題が、主人公・杉下右京の恩師・鮎川教授から出された。
https://www.tv-asahi.co.jp/aibou_13/contents/story/0015/
主人公・杉下右京は、答えが出せず、
「なぜ人を殺してはいけないのか。その問いに明快に答えることは不可能です。しかし、人を殺せば罰を受ける。それは明快なルールです。人が人として生きる為に定めた、万人が等しく従うべきルールです」
とお茶を濁した。
『ミステリと言う勿れ』(第2話)で、久能整(菅田将暉)は、
「いけないってことはないんですよ。別に法律で決まってることでもないですから。罰則はありますけど、『人を殺しちゃいけない』っていう法律はないです。なぜ人を殺しちゃいけないのか。いけなくはないんだけど、ただ、秩序ある平和で安定した社会を作るために、便宜上、そうなってるだけです。だって、人殺しなんて、ひとたび戦時下になれば、いきなりオッケーってことになるんですよ。それどころか、たくさん殺したほうが誉められるって状況になる。そんな二枚舌で語られるような、適当な話なんですよ。実際、今も殺しまくってる場所は世界中にある」
とした。
https://rinchar.site/drama-word2022winter_mystery/
久能整(菅田将暉)の言葉って、大人が聞けば「確かにそういう考え方も出来るな」と思うこともあれば、「生意気だ」と反発したくなることもある。久能整(菅田将暉)が小学校の先生になって、小学生にこういう教育を行い、家に帰って、子供が親を論破し始めたら・・・。
私なら「人を殺せば家族が悲しむ。親戚が悲しむ。友達が悲しむ。多くの人を悲しませ、その中には復讐を考える人もいるかもしれない。そして、殺人犯は、人を殺してしまった事を一生悔やみ続け、復讐を一生恐れ続けなければならない。謝罪したくても、相手はこの世にいないからできない。こうして、殺人犯は殺人の直後から人生を楽しめなくなるから」殺人はダメだって答えるかな。
【余談】日本における婚姻適齢は、「男性は18歳以上、女性は16歳以上である(731条)」「婚姻適齢に達した未成年者は婚姻できるが、未成年者の婚姻には父母の同意が必要である(737条)」であったが、あさって、令和4年(2022年)4月1日から、日本では結婚できるのは「成人のみ」となり、その「成人」の年齢は、現行の20歳から18歳に引き下げられるので、「婚姻適齢は、男性は18歳以上、女性も18歳以上で、親の同意は不要」となる。これで高校3年生でも、親に内緒で結婚できるようになった。名字が変わって結婚したことが親や先生にばれても、「法律だから(法律上認められてるから)」と言えるのであるが・・・「法律違反だからやってはいけない」「法律にないからやってもいい」・・・と単純に考えるのではなく、行動する前に自分の基準でも考え、その行動の責任を負う。自分の行動に責任を負うことが出来る人が「成人」かと。
「源頼朝の浮気」についての3つめの説は、トンデモ説である。ただ、『鎌倉殿の13人』では、万寿は体が弱かったと、第3の説にも少し触れていた。
https://note.com/sz2020/n/n8f282a5786af
記事は日本史関連記事や闘病日記。掲示板は写真中心のメンバーシップを設置しています。家族になって支えて欲しいな。