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アイドルと旅する仏像の世界(6/8)

講師:駒澤大学仏教学部教(仏教美術史)・村松哲文(「講義の鉄人」)
https://www.yomiuri.co.jp/stream/article/09068/
ナビゲーター:アイドル界きっての仏像好き・和田彩花(元アンジュルム)
https://twitter.com/ayakawada
ゲスト:上國料萌衣(アンジュルム)
https://www.instagram.com/moe_kamikokuryo.official/?hl=ja

 今回のゲストは、上國料萌衣(かみこくりょうもえ)さん。姓の「上國料」は、鹿児島県鹿児島市宇宿(うすき)に、江戸時代に島津藩の門制度の上国料門があった事に由来する苗字で、上國料萌衣さんは、生まれは鹿児島県であるが、2歳の時に熊本県に引っ越したため、アンジュルムの公式プロフィールでは「熊本県出身」となっている。

★島津藩時代の門制度
 宇宿には他地区のように郷土は多くなかったようで、農民はそれぞれの「門(かど)」に編成され他藩にはみられない強力な封建的支配下に置かれていた。「門」には一名の「名頭(みょうず)」・・・別名(おつな)と何人かの「名子(なご)」がいて、それぞれが「家部(かぶ)」と呼ばれる単位体をなしていた。「名頭」はその責任者であり、代表者であった。宇宿にその当時幾つの「門」があったかは定かではないが、国料、上国料、斉之平、梶原、小森園、脇野、桶口、永仮、水口、木元、斉脇、斉野、浜田、森田、平田、今村、前迫、小斉平、大徳、浜島、福元、有満、住吉、潮満、中島、米満、浜平、笹平、田平、森園、図師の各門などがある。
http://usuki.or.jp/history

 上國料萌衣さん(かみちゃん)がハロー!プロジェクトのオーディションに合格した理由は、「彼女の最大の魅力はピュアなところで、スッと立っているだけで目を引く、不思議な魅力を持っている」からだという。仏像にしても、アイドルにしても、オーラを放っていて、そこにすっと立っているだけで凄く圧倒される。

■際立つ個性

 今回は、黄檗宗大本山・黄檗山萬福寺(京都府宇治市五ケ庄三番割)の弥勒菩薩(布袋)坐像、御本尊・釈迦如来坐像、御本尊を護る十八羅漢像である。
 中国人(中国福建省福州府福清県の黄檗山萬福寺(古黄檗)の住持)の隠元隆琦(いんげんりゅうき)禅師が開祖の黄檗宗(臨済宗黄檗派が明治9年に独立)のお寺は珍しいと思う。

★臨黄ネット
http://www.rinnou.net/

・黄檗宗の特徴:中国的な色彩が強いこと
・お経は唐音:たとえば『般若心経』は「ポゼポロミトシンキン」
・桃戸の桃符:桃は魔除け、不老長寿、仙人の食べ物。
・隠元禅師が伝えたもの:隠元豆(インゲン豆)、西瓜(スイカ)、蓮根(れんこん)、孟宗竹(たけのこ)、木魚(開梛(かいぱん)。不眠不休の鯉を模し人間の欲をくわえる)、400字詰め原稿用紙等
・参道:萬福寺境内に縦横に走っている参道は、正方形の平石を菱形に敷き、両側を石條(せきじょう)で挟んだ特殊な形式であり、龍の背の鱗をモチーフにしている。中国では、龍は皇帝、黄檗山では高僧であり、番組では恐れ多くもこの参道を歩いていたが、菱形の石を踏めるのは住持のみである。

 ──仏像がどれも同じに見える

と言う人であっても、口を開けて笑う布袋様(七福神の中で唯一、実在の人物)や、頭巾をかぶる大黒様は見分けられるであろう。

(1)弥勒菩薩(布袋)坐像

 布袋は、死後に復活したので、弥勒菩薩の化身と考えられ、萬福寺では弥勒仏として祀られている。弥勒菩薩は、56億7000万年後の5月8日に降臨するので、萬福寺では、平成19年(2007年)10月8日以降、2月と8月を除く毎月8日に「ほていまつり」(9:00~17:00)を開いている。

(2)釈迦如来坐像(中尊)

 脇侍は摩訶迦葉(まかかしょう)尊者と阿難陀(あなんだ)尊者。

(3)十八羅漢像

 従来の「十六羅漢」に「賓頭蘆(びんずる)尊者」と「慶友(けいゆう)尊者」を加えて「十八羅漢」とする中国明代寺院の形式。
・賓頭盧尊者(びんずるそんじゃ):おびんずる様(撫で仏)
・慶友尊者(けいゆうそんじゃ):阿羅漢のまとめ役
・羅睺羅尊者(らごらそんじゃ):人気の仏像で仏像展に貸し出される。

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■あやちょポイントはなかった。

★黄檗宗大本山・萬福寺の公式サイト
https://www.obakusan.or.jp/

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