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「仲秋の名月」の夜に(月読命2/6)
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───「仲秋の名月」の夜に、月読命について考えよう。
①概論(「三貴子」の1柱だが影薄い)
②月読命=須佐之男命説(穀物起源譚。共に海の神)
③月読命=卑弥呼の弟説
④壱岐国で考える。(『日本書紀』では任那)
⑤丹波国で考える。(浦島太郎は月読神の子孫)
⑥四国で考える。(『四国古事記』)
三貴子(みはしらのうずのみこ、さんきし)とは、黄泉国から帰ってきた伊邪那岐命(イザナキノミコト)が「筑紫の日向の橘の小戸の阿波岐原」で禊を行なった時、最後に、生んだ3柱の尊い神々を指します(『古事記』)。
最初に左眼から生まれた天照大御神には高天原の統治を、次に右眼から生まれた月読命には夜の統治を、次に鼻から生まれた建速須佐之男命には海原の統治を任せました。
それぞれを祀る主な神社は、
・天照大御神:伊勢神宮(内宮)
・月読命 :月讀神社(壱岐市)→月読神社(京都市)
伊勢神宮(内宮)別宮・月讀宮
伊勢神宮(外宮)別宮・月夜見宮
・須佐之男命:「出雲國一之宮」熊野大社(島根県松江市)
牛頭天王として「西の八坂、東の津島」
になります。
※月読神社(京都市)は月讀神社(壱岐市)から勧請。
※津島神社によれば、須佐之男命は「対馬から来られた神」とのことです。
1.月読命=須佐之男命説(穀物起源譚)
『日本書紀』の保食神と月夜見尊の話は、『古事記』の大気都比売神と須佐之男命の話と同じなので、
・保食神=大気都比売神
・月夜見尊=須佐之男命
と考えられる。
(1)保食神と月夜見尊(『日本書紀』)
天照大神はツクヨミに、葦原中国にいるウケモチという神を見てくるよう命じた。ツクヨミがウケモチの所へ行くと、ウケモチは、口から米飯、魚、毛皮の動物を出し、それらでツクヨミをもてなした。ツクヨミは汚らわしいと怒り、ウケモチを斬ってしまった。それを聞いたアマテラスは怒り、もうツクヨミとは会いたくないと言った。それで太陽と月は昼と夜とに分かれて出るようになったのである。
アマテラスがウケモチの所に天熊人(あめのくまひと)を遣すと、ウケモチは死んでいた。保食神の亡骸の頭から牛馬、額から粟、眉から蚕、目から稗、腹から稲、陰部から麦・大豆・小豆が生まれた。アメノクマヒトがこれらを全て持ち帰ると、アマテラスは喜び、民が生きてゆくために必要な食物だとしてこれらを田畑の種とした。
(2)大気都比売神と須佐之男命(『古事記』)
『古事記』においては、岩戸隠れの後に高天原を追放された速須佐之男命(素戔嗚尊)が、食物神である大気都比売神(おおげつひめ-)に食物を求めた話として出てくる。
大気都比売は、鼻や口、尻から様々な食材を取り出して調理して須佐之男命に差しあげた。しかし、その様子を覗き見た須佐之男命は食物を汚して差し出したと思って、大気都比売を殺してしまった。
大気都比売の屍体から様々な食物の種などが生まれた。頭に蚕、目に稲、耳に粟、鼻に小豆、陰部に麦、尻に大豆が生まれた。神産巣日神(神産巣日御祖命・かみむすび)はこれらを取って五穀の種とした。
2.世界の穀物起源譚(ハイヌウェレ神話型)
ハイヌウェレ型神話(ハイヌウェレがたしんわ、ハイヌヴェレとも)とは、世界各地に見られる食物起源神話の型式の一つで、殺された神の死体から作物が生まれたとするものである。
その名前は、ドイツの民俗学者であるアードルフ・イェンゼン(英語版)が、その典型例としたインドネシア・セラム島のウェマーレ族(ヴェマーレ族(英語版))の神話に登場する女神の名前から命名したものである。
ウェマーレ族のハイヌウェレの神話は次のようなものである。ココヤシの花から生まれたハイヌウェレ(「ココヤシの枝」の意)という少女は、様々な宝物を大便として排出することができた。あるとき、踊りを舞いながらその宝物を村人に配ったところ、村人たちは気味悪がって彼女を生き埋めにして殺してしまった。ハイヌウェレの父親は、掘り出した死体を切り刻んであちこちに埋めた。すると、彼女の死体からは様々な種類の芋が発生し、人々の主食となった。
3.共に海の神
『日本書紀』の月の神の持つ、海の支配者(一書六)、食物神の殺害(一書十一)といった神格を、『古事記』では須佐之男命が担っている点で、月の神と須佐之男命の神格に共通性があることが指摘されている。こうした神格を、本来は月の神が担った要素と捉え、元々の日と月の神話の中に、新たに須佐之男命が組み込まれて三貴子の形になったことによって、月の神の役割が須佐之男命に取って代わられたものとする説がある。
4.「粟国造粟凡直粟飯原氏系図」
「月夜見命」の所に「亦御名健速須佐之男命」とある。
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