アイドルと旅する仏像の世界(2/8)
講師:駒澤大学仏教学部教(仏教美術史)・村松哲文(「講義の鉄人」)
https://www.yomiuri.co.jp/stream/article/09068/
ナビゲーター:アイドル界きっての仏像好き・和田彩花(元アンジュルム)
https://twitter.com/ayakawada
ゲスト:武元唯衣(櫻坂46)
https://sakurazaka46.com/s/s46/diary/detail/38838?ima=5001
高田崇史『古事記異聞 鬼統べる国、大和出雲』を読み返した。
主人公は大神神社へ行って驚いた。
鳥居の向こうに三輪山山頂がない!
そこで宮司さんに理由を聞くと、
「三輪山は神体山ですからね。山頂を直接拝むのは、失礼に当ります。たとえば、高貴な方のお顔を直接拝見するようなことは失礼に当るといった風習を、我々は受け継いでいます」
と答えられたと言う。
なるほど。「砥鹿神社の拝殿前に立つと、本宮山が正面にないのはそういうことか」と納得した。(とはいえ、市田遥拝所とか、鑓水鳥居場では、鳥居の真後ろに本宮山があるんだけどね。)ところが、主人公は納得せず、「鳥居は真東を向いている。真東に何があるか?」と地図を見て、「長谷寺!」──主人公は長谷寺へ向うが、的はずれであった。
ここからは私の予想ですが、大神神社の真東は、松坂市と伊勢市の中間です。そう、当時の人は、大神神社の真東のつもりで伊勢神宮を建てた!
次回作は、大神神社から元伊勢を巡って伊勢神宮に着くまでだと予想。
★高田崇史オフィシャルウェブサイト
https://takatakat.club/
さて、話を戻そう。『古事記異聞 鬼統べる国、大和出雲』を読み返した。理由は長谷寺について詳しく書かれているからだ。予習である。
さて、長谷寺の本尊・十一面観音立像(りゅうぞう)はでかい! 正確には高い!(木像では日本で最も高い仏像(10.18m)だと言う。)
──高さを伝えるのに、「講義の鉄人」村松哲文先生はどう表現するか?
前回では、三十三間堂の長さ(118.2m)を
「電車の車両20mの6倍(6両編成の電車)と同じ長さ」
今回は、
「台座(蓮華ではなく、大磐石)を入れると12mで、鹿苑寺金閣(木造3階建てで高さ12.5m)とほぼ同じ」
と表現された。
私なら、
「鎌倉の「花の寺」こと長谷寺の本尊「長谷観音」(高さ9.18mの十一面観音立像。今年造立1300年!)よりも1m高く、「鎌倉の大仏」こと「長谷の大仏」(高さ11.39mの阿弥陀如来坐像)よりは1m低い」
と表現するが、これでは鎌倉の長谷観音や大仏を見たことある人にしか高さをイメージできない。金閣もそうで、
「あなたの身長の6倍」
「3階立てのビル(高さ9m)よりも1m高い」(ビル1階の高さは3m)
の方がいいかなとも思った。
左の脇侍:雨宝童子=天照大神 天照大神は男なのか?
右の脇侍:難陀竜王=春日明神 中国の役人なのか?
■ファンをしあわせに
長谷寺は「わらしべ長者」発祥の地。
「わらしべ長者」にとって、長谷寺の本尊・十一面観音像=アイドル。
しかも大金持ちにしてくれた! 現世利益(りやく)!
長谷寺の本尊・十一面観音像の凄いのは大きいだけではなく、近寄れる! おみ足にさわれる! まさに「会えるアイドルとの握手会」!
■あやちょポイント「願いによって、持つ物が変わる」
愛染堂の愛染明王は、「恋愛成就」(縁結び)の仏様である。また、外見は、悪を降伏し、威圧する忿怒相(ふんぬそう)だが、内面は愛に満ち、愛をもって衆生を解脱させるという。
愛染明王は、3つの目と6本の手を持つ。5本の手には持物を持っているが、1つの手(握った手)は何も持っていない。今回の「あやちょポイント」は、「その人の願いにより、願いを叶えられる物を持つ」である。番組を見て分からなかったのは、「全ての愛染明王がそうなのか、長谷寺の愛染明王だけがそうなのか」ということである。(一般的には、握った手の中に摩尼宝珠を隠し持っていて、衆生が求めるあらゆる宝と財産や、生命を育むとされる。)
寺社やお城に行くときに迷うのは、
・1人で行くか、2人で行くか。
・2人の場合、詳しい子と行くか、詳しくない子と行くか?
である。
詳しくない子と行くと、常識破れの発想をするので楽しい。
今回のゲストの武元唯衣さんは、「愛染明王の御利益が恋愛成就だというのであれば、持ってる弓はキューピットの弓だね」と面白い発想をされていた。ちなみに、持っている弓は「金剛弓(こんごうきゅう)」といい、大悲の矢によって衆生の心にある差別や憎しみの種を射落とし、菩提心に安住せしめる弓である。また、矢は放たれるとすぐに目標に到達することから、降魔や除災、男女の縁結びにおける愛染明王への祈念の効果が早く現れることをも表している。
いくたびも参る心ははつせ寺 山もちかいも深き谷川
★「奈良大和路の花の御寺」長谷寺公式ホームページ
https://www.hasedera.or.jp/