浜名湖周辺文学碑巡り（1）「舘山秋月」「弁天夕照」

静岡県は、浜名湖花博2014の開幕にあわせ、浜名湖周辺の8つの風景を「遠江八景」と命名しました。この「遠江八景」選定基準は、単に「美しい」というだけでなく文学的背景も重視されました。

　──そこで、浜名湖周辺の文学碑巡り！

浜名湖は、四季折々に姿を変える水辺の風景に恵まれており、また、湖岸には多くの古社、名刹があり、文人墨客がその景観を詩歌や俳句に表すなど大きな文化的価値を有しています。そこで、浜名湖周辺の歴史的・文学的・美術的背景を持つ景観を集めた「遠江八景」を編纂し、浜名湖花博2014の開幕にあわせて広く周知を図り、浜名湖の魅力を発信していくこととしました。
http://www.pref.shizuoka.jp/bunka/toutoumihakkei.html

「舘山秋月」

　秋惜しむ松と夕日や舘山寺　原田濱人

　引佐のほり江の浦にあまを舟ここだよりくも波立ちぬらし　石塚龍麿

　舘山寺松山隠し湖を来てここは小春の入江さざなみ　北原白秋

　笹鳴きの消ゆれば波の音ばかり　原田濱人

「弁天夕照」

　天の川濱名の橋の十文字　正岡子規

　月や風や夏しら波の海と湖　松浦十湖

　春の海のどこからともなく漕いでくる　種田山頭火

　鴨すでに一連とぶやそこの空　原田濱人

　わが眼の前をよぎる蟹それぞれの鋏のあかく　加藤雪腸

　浜名浦ところ定めずしぐれけり風を心のむらくもの空　竹村広蔭

　今日をなほ遠州灘の大濤はわれの生地にとどろきてあらむ　鷹野つぎ

　遠つあふみあらら浜松本ごとによる波みつゝ涼みとるかも　賀茂真淵

【文学碑撮影の難しさ①】文学碑の所在

　文学碑を撮影するには、どこに文学碑があるか調べなければなりません。

　この記事は、『遠江八景　浜名湖周辺の文学碑を訪ねて』（中日新聞社）をもとに撮影していますが、文学碑の数は、この本の発行後もどんどん増え続けています。絶えず更新される文学碑サイトがあればいいのですが・・・。