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応賀寺と紅葉寺 -『妙相夢想造立記』を巡って-

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1.応賀寺


応賀寺
(おうがじ)は、静岡県湖西市新居町中之郷にある。

※中之郷:「浜名郡の中心の郷(さと)」=「浜名郡の郡衙所在地」
通説は、
「浜名郡衙は新居町中之郷の三ツ谷、猪鼻駅は新居町浜名の橋本」
であるが、彦坂良平氏が、
「浜名郡衙は湖西市川尻、猪鼻駅は湖西市市場」
と異を唱えている。

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 「三ツ谷」の「大坪」には中世の条里制の遺構がある。「市場」は「一宮神社」(式内大社・角避比古神社のご神体。「一宮=市宮(市場の宮)」説あり)の鎮座地である。
 なお、「一宮神社」は、日本武尊東征時の休憩地に建てられた「熱田神社」に合祀された。上の写真は、鎮座地に建てられた「一宮神社旧跡地」碑である。

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■応賀寺縁起(公式サイトより引用)
 鏡光山応賀寺は神亀年間(724年〜)聖武天皇の勅願時として、行基菩薩により開基・草創された古刹であります。
 くだって、弘仁年間(810年〜)弘法大師諸国巡錫の砌り、浜名湖を渡らんとするに行路半ば強風吹き来たり、一舟、波に煽られ闇夜の湖上を漂流、そのとき遠く対岸に一条の光の輝くを認め、これを目標に無事漕ぎ着くことができました。この光こそ当山の本尊、薬師如来の光背であったと古記は伝えております。随喜された大師はこの寺の山号を光る鏡の山、鏡光山と呼び、喜びに応ずる寺すなわち応賀寺と名付け、海上安全と息災安穏を祈願されたと伝えらるる真言宗始祖縁りの霊場でございます。
■高野山真言宗・鏡光山応賀寺公式サイト
http://www.ougaji.jp/

「浜名湖高野山」と呼ばれる鏡光山応賀寺のご本尊は「新居薬師」こと静岡県指定文化財・薬師如来坐像であるが、宝物館には静岡県指定文化財の仏像2体と古文書が安置されている。(なお、薬師堂も静岡県指定文化財である。)

・木造薬師如来坐像:応賀寺のご本尊
http://www.pref.shizuoka.jp.gslb01.siscs.jp/bunka/bk-180/bunkazai/detail/1047601.html
・木造阿弥陀如来坐像:旧・中嶺山舘山寺(現・秋葉山舘山寺)のご本尊
http://www.pref.shizuoka.jp.gslb01.siscs.jp/bunka/bk-180/bunkazai/detail/1047501.html
・木造毘沙門天立像:紅葉山本学寺(通称「紅葉寺」)のご本尊
http://www.pref.shizuoka.jp.gslb01.siscs.jp/bunka/bk-180/bunkazai/detail/1048101.html

 宝物館の入館料は300円で、1週間前までに拝観予約が必要であるが、ご本尊・木造薬師如来坐像が開帳される毎年11月3日(曾ては33年に1度の御開帳)に無料開館される。
 木造阿弥陀如来坐像と木造毘沙門天立像の前に展示されている古文書は、木造毘沙門天立像の胎内から発見された願文『妙相夢想造立記』で、全長はなんと4mもあり、カメラ(1枚の写真)に収まらない。(4月25日までは、浜松市美術館の中日新聞東海本社40周年記念「みほとけのキセキ -遠江・三河の寺宝展-」で展示されていた。)この願文『妙相夢想造立記』の発見によって、紅葉寺創建の謎が解けたとも、逆に深まったともいえる。

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