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流水と余暇、帰りしな

岡山に旅行に行った帰りの新幹線で地図を眺めながら、不意に海と川の境目のことが気になった。
海は塩分濃度が濃いからしょっぱい。
川は淡水なのでしょっぱくはない。
子供でも知っていることだが、その境界はどのようになっているのだろうか。

調べてみると、海水と淡水が混ざるポイントは「汽水域」と呼ばれ、塩分濃度が通常とは異なっている。なんと、そこに生息する魚もいるらしい。他の魚よりも生きられる環境が限られるのは大変そうだ。河童は住めるんだろうか。
インターネットで調べればいくらでも出てくるが、ちょっと情報量が多過ぎる。もう少し絞り込んだことが知りたいなら、父に聞くのが良い。

幼い子供は、分からないことを親に尋ねて知識を得ることが多い。
28歳にもなって自分で調べずに親に聞くなんて、子供っぽいと思うだろうか。否、研究者など確実な知識を持っている人間に話を聞くことを、学術的に表すなら「調査」という。

私の父は、詳細は伏せるが地質や地下水についてアレコレする仕事に就いている。新卒から今日まで同じ会社に勤め続け、その時間に見合う知識と地位を得てきた専門家だ。専門家らしく(偏見)、片付けは苦手だし、物事をストレートに言う。良くも悪くも実直(事実)であり、もうちょっと遠回しな表現を覚えてくれないかと眉をひそめたことも少なくないが、仕事に対して真摯であることは確かだ(事実9割ヨイショ1割)。

だから、私は父なら正確な情報を持っていると判断してヒアリング調査をしたわけである。例え連絡ツールがLINEだったとしても、同じ結果を得るならそう言って差し支えないだろう。

私が「海と川の境目ってどうなってるんだろう」と一言送信してから、速攻で返事が来た。ノータイムアウトプットとは恐れ入った。

普段の会話もこんな感じ。
父なのでちちと登録している。

要は、しょっぱい川があったり、淡水の海があったりするわけだ。これで今夜もぐっすり眠れる。
純粋な疑問に淀みなく答えてくれる父親、いいでしょう。これは自慢です。

今はその境目に行ってみたいという欲求が止まらない。しょっぱい川を舐めてみたい。
※川などの殺菌されていない水には、微細なごみや細菌が含まれています。お腹を壊す恐れがあるので、水質調査がされていない水を摂取することは控えましょう。

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