ゆめうつつけもの
最近、会社の敷地でねこを見る。
体格は悪くないが毛並みはちょっとぼさついていて、近所の色々な家でご飯を貰っている系の野良猫じゃないかと思っている。絶対に触らせてくれないし。
会社ではご飯をあげているわけでもないのに見かける頻度は高い。日向ぎりぎりの日陰で伸びていたり気付くと後ろに佇んでいたりと、大胆なんだか控えめなんだか。時には変なところで2時間も寝ていたりするので、体が痛くならないか気になって時々見に行ってしまう。
倉庫の中で出くわした時には人の足を踏んづけて大パニックで逃げたくせに、その後木陰で伸び伸びと寝ていた。野良としてやる気があるのか疑ってしまう。
最近はやってきたお客さんに眠たげな視線を送って喜ばれている。会社のマスコットになる気か?
気分屋なところがねこという生き物らしくて、とても良い生き様だ。
自由に生きているその隙間を通らせてもらうくらいがちょうどいい距離感。ふんわりとした気持ちと毛を服に付けてくれる、キュートの権化。
ある時、車を運転中に道路のど真ん中で寝転ぶ3匹のねこと遭遇した。数メートル手前まで近付いても全く退きそうになくて、その気ままさに思わず笑ってしまった。
とはいえ、さすがに退いてもらわないといけないのでお願いするために車から降りようとした矢先、横の家から女性がすっ飛んできて箒で追いやっていた。たまには強引に行く必要もある。ていうか飼いねこだったんかい。
このところ暑くなってきて、朝早い時間や夕方に散歩している犬をよく見かける。散歩中の犬はいつ見ても楽しげで、ポジティブな気分にさせてくれる。笑顔で尻尾を振り回す様からは嫌そうな感じなんて1ミリも見えず、全身で元気を表している。
ちなみにその横にいるはずの人間についてはいつも記憶に残らない。大体は車で横を通り過ぎる一瞬のうちに犬の表情を目に焼き付けることに精一杯で。
他所の家にいる、フェンスの隙間から顔を出す犬や庭で横になっている犬もいとおかし。鳩より平和の象徴っぽい。
勝手に人の家を覗いて勝手に嬉しくなっている人、いっぱいいるんだろうな。
自分ルールで、朝に散歩している犬のことを「朝散歩型わんこ(あささんぽがたわんこ)」と呼んでいる。「さ」が2つ並んでいると足取りが軽い雰囲気があって犬っぽい。勿論、時間帯によって「お昼散歩型わんこ」、「夕方散歩型わんこ」など派生型わんこも存在する。
お散歩もいいけれど、お水もちゃんと飲んでね。
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