150.「今日」勝てなきゃ… [本日のことば vol.73]
出典
技来静也『拳奴死闘伝セスタス』
第66話「刃を砕く」より。
ひとこと
前回に引き続き、技来先生の「セスタス」シリーズからの名台詞です。
このセリフを吐いたのは、主人公セスタスのライバルの一人といってもいいつ人物で、エムデンという拳闘士。
彼をひとことで表現するなら、「不遇」かつ「不屈」。
報われないが故か、性質は狷介で暴力的であり、いわゆる「いい奴」では決してないのですが、読んでると不思議と応援したくなります。
それは何故かというと、ひとえに彼のひたむきさ、常軌を逸した勝利へのこだわりから来るのかなと思います。
実際、彼の闘いはどれも泥臭く、いっそ痛々しいくらいですが、勝つためにはなりふり構わず(けれど、卑怯な手は使わず)、粘り強く死中に活を掴もうとする姿勢は、読者をして心を熱くさせるものがあります。
今回挙げたセリフも、同じような主旨の名台詞は他にもたくさんあると思いますが、今朝セスタスを読んでて特に刺さるものがあったので取り上げました。
ついつい「次の機会に」「明日またやる」とか言って先延ばしにしがちな、自分への戒めをこめて。
今日を、今を、やりきる!