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283.初夢っていつ見る夢?ということを調べてたら、それ以前に気になることがあった

ごきげんよう。
今さらですが、初夢の話題をします。
(ホントは元旦か、遅くとも1月2日にアップしようと思ったテーマなんですが……)

何かというと
「初夢って、どのタイミングに見た夢のことを言うの?」
という話です。


年越しの晩 or 元旦の晩?

「あ、それ知ってるよ!元旦に見る夢じゃなくて、1月2日に見る夢を言うんでしょ?」

という方が、ひょっとしたらいらっしゃるかも知れませんね。

実際、「初夢 いつ」とGoogle検索をすると、AIによる概要にこう表示されます。

初夢とは、新年になって最初に寝た日の夜に見る夢で、一般的には元日から2日にかけて見た夢を指します。

AI による概要

実際、検索結果上位にくるいくつかのWebサイトの記載を見ても、おおむねそのように書かれています。

なるほどね。

しかし、こういうときに僕が気になっちゃうのは、
「それ、誰がいつから言い出した話なん?」
ということです。

諸説あり

というわけで、もう少し出典にこだわって検索してみたところ、以下のような調査結果を見つけました。

初夢をいつ見る夢とするかは一様ではありません。室町以降、京阪地方では節分から立春の明け方の夢をいったのに対し、江戸では古くは大晦日の夢を指したようです。一方、年越しの夜は寝ない習慣があることから、天明頃より元日から2日の朝の夢となり、その後、2日の夜に見る夢を初夢とするのが一般的になってきたといいます。さまざまな事柄をはじめる「事始め」の日として、2日の夜に見る夢を初夢とするようになった、という説もあります。

参考資料
『江戸の庶民生活・行事事典』渡辺信一郎著 東京堂出版 2000年(3861/128/000)
『日本民俗大辞典(下)』吉川弘文館 2000年(3821/264/2)
『三省堂年中行事事典』田中宣一,宮田登編 三省堂 1999年(3861/115/99)
『七福神信仰事典』戎光祥出版 1998年(3870/142/1)
『起源の日本史 前近代篇』阿部猛著 同成社 2008年 0314/25/0008 (p.83)
『春夏秋冬江戸っ子の知恵』竹内誠著 小学館 2013年 2136/888/0013 (p.90)

レファレンス協同データベース
レファレンス事例詳細|初夢とはいつみる夢の事か。

京阪では節分から立春の明け方という話はこの際さておくと、
時代を経るにしたがって
年越しの夜→ 元日の夜 → 1月2日の夜 
という風に変遷していったようです。

とはいえ「これだ」と確定された定義はなく、諸説あり、というのが結局のところです。

そもそもの話、見たとて!

「結局『諸説あり』というオチかあ」
……と思ったところで、ふと気づきました。

いやそもそも、初夢がいつの夢だろうが何の夢を見ようが、
それの良し悪しってどうやってわかるの?!

もちろん、「一富士二鷹三なすび」が良いというのは知っていますよ。

でもさあ……
ぶっちゃけ見なくない?そんな夢!?

普段もそうそう見ないような(見ても意識しないような)モチーフを、たまたま初夢のタイミングで見るなんてこと、そんなにあり得るでしょうか。

だとしたら、富士山も鷹も茄子も出てこない夢を見たときは、その夢をどう判断すればいいんでしょう。

ちなみに「三茄子」のあとも、四、五、六……と続く例もあり、ネットでは十くらいまであるものも見かけますが、どうも、これらはいずれも「どっかの誰かが言い出した」の域を出ないようです。

参照:レファレンス事例詳細「初夢の一富士二鷹三茄子の続きが十まであると聞いた。十番目まであれば知りたい~」


そんなわけで、意外とわからないことだらけだった初夢。
結局、何を初夢をするかも、その吉凶も、自分にとって良いように捉えたらいい気がしました。

みなさまは、今年はどんな「初夢」を見ましたか?

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