253."栗よりうまい○○○"と江戸風俗
ごきげんよう。
もうすっかり秋ですね。
「食欲の秋」なんていいますが、皆様はいかがでしょうか。
僕はだいたいオールシーズン食欲に駆られている方です(笑)
旬の食材や、その季節ならではのものを味わうと、日本に生まれてよかったなあと思います(大袈裟かな)
みなさまの好きな「秋の味覚」といえばなんでしょう?
栗よりうまい〇〇〇?
秋の味覚といえば枚挙にいとまがないですが、
スイーツ系で代表的なものとしては「栗」が挙げられるのではないかなと思います。
モンブラン、天津甘栗、栗羊羹……
とくにめっちゃ栗好きというわけではないですが、
ザ・木の実!
という感じの、あの味わいは、なかなか他では得難い魅力があります。
ところで、そんな栗を引き合いに出した宣伝文句で大いに流行った、もうひとつの秋の味覚があります。
何かと言うと(記事サムネでネタバレしてますが)
焼き芋です。
八里半→十三里
日本における焼き芋は、江戸時代に生まれたそうです。
はじめは京都、それから江戸に広まったようなのですが、注目すべきはその売り文句。
江戸の焼き芋屋さんは、「八里半」とか「十三里」という看板を掲げていたそう。
どういうことかって?
これ、栗と「九里」を引っ掛けたしゃれなのです。
栗(九里)に近い味だから、「八里半」。
じゃあ十三里は?というと
「栗(九里)より(四里)うまい」ということで、足して「十三里」。
おもしろーい!
こういうの好きです。
栗よりうまい十三里、語呂もいいですよね。
現代にも出てきてほしい気がします。
以下参考
江戸の風俗(文化)に触れるミステリ
この洒落の効いた宣伝文句については、実は以前から知っていました。
何で知ったかというと、あるミステリ小説のシリーズから。
その作品とは
「なめくじ長屋捕物さわぎ」シリーズです。
江戸の街を舞台に、主人公の謎多き砂絵描きの「センセー」と通称「なめくじ長屋」と呼ばれるスラムの住人たちが、次々起こる(持ち込まれる)不可解な事件の謎を解いていく
…というのがメインストーリー。
メインの謎解き要素と登場人物の織りなすストーリィだけでも十分に面白いのですが、一話一話に江戸時代の風俗や文化についてふんだんに描かれており、そうした知的好奇心の面でも大変面白いです。
あいにく文庫版はもう新品は売ってないようですが、単行本およびKindleでは買えるようなので、もし気になった方は読んでみてください☺️