【ネタバレ注意】「心の黎明を告げる」その真意を紐解く【テイルズオブアライズクリア後感想】
2021年9月9日に「テイルズオブライズ」が発売されました。
発売後3週間で無事クリア&トロコンをしました。
2021/10/9現在、トロコン率8.2%・クリア率33.5%でした
この記事では、本作のジャンル名である「心の黎明を告げるRPG」の意味を稚拙ながらも推察していきます。
今後のお話はストーリーの根幹に触れていきます。
ネタバレ記事ですので、閲覧の際はご注意ください。
序章 「心の黎明」その言葉の意味とは
第一章「ダナ人の解放までの黎明を考える」
第二章「レナの真実が判明してからの黎明を考える」
第三章「赦すことを選んだアルフェンの意志」
まとめ
序章「心の黎明」その言葉の意味とは
まず、黎明の言葉の意味をおさえておきましょう。
1 夜明け。明け方。
2 新しい事柄が始まろうとすること。また、その時。「民主主義の黎明」
(goo辞書より抜粋)
「心の中で新しい事柄が始まろうとすること」
を告げる物語ということですね。
主人公達は、戸惑いつつ答えを模索し、心の黎明に向き合っていきます。
それぞれ性別・種族・生い立ちが異なる仲間が、人生の答えを探していく。人物の心の機微を丁寧に描いているのが、
テイルズらしさの象徴なのかもしません。
次からは、ストーリー上の前後に分けて、考えていきます。
ネタバレにご注意ください
第一章「ダナ人の解放までの黎明を考える」
アルフェン達の旅の目的は、ダナ人を解放することです。
しかし、枝葉の部分で個々の目的も存在します
(シオンはレナス=アルマを集める、ロウはジルファの意志を継ぐ等)。
リンウェルは一族を滅ぼした敵討ちを胸に秘めて旅を一緒にします
アルフェンはダナ人の解放を「壁を壊す」と度々表現します。
そして物語を追うにつれて、各領土に異なる壁があることに気付きます。
敵の親玉をやっつけた!さぁ平和が訪れた!
とは現実は上手くいきません。
各領土に生きる人達は、与えられた自由からどう生きていくか選択します。それらをアルフェンたちは見届けることで、成長をしていきます。
その過程において、「メナンシア」は特に異質なストーリーでした。
ガラリと雰囲気が変わったことにも驚きました
メナンシアは、領将ティオハリムが在任7年を掛け、
ダナ人とレナ人が対等な関係を築いたところから始まり、
レナ原理主義派のクーデターを解決していくといった話でした。
私が直ぐに感じた違和感は
メナンシアの子供たちの手にも霊石が埋め込まれているのか?
ということでした。
霊石とは、
ダナ人の星霊力を吸い上げるための装置で、
産まれてすぐ手のひらに、霊石を埋め込むと説明があります。
霊石は奴隷の証で、レナ人はダナ人を「石付き」という蔑称で呼びます。
ティオハリムは在任して7年です。
ダナとレナを対等な関係にするのであらば、
奴隷の証である霊石は不要のはずです。
そして在任後に生まれた子には、霊石を埋め込む必要はないでしょう。
しかし実際はどうでしょうか。
結論から言うと、
7歳以下の子だと断定できる人を街で見かけることはできませんでした。
子どもは確認できたのですが、外見の年齢は7歳前後といった感じです。
かなり分かりずらいですが、右の少年の手に霊石が確認できます
ここから先は私の妄想です。
もしメナンシアが霊石を埋め込むことを継続して行っていたとしたら、
どのような理由があるのでしょうか。
思いつくものといえば、ティオハリムへの忠誠によるものでしょうか。
奴隷の証である霊石を埋め込む行為を、
自らの忠誠として自発的に辞めなかったメナンシアのダナ人。
もし仮にそういった背景が存在するとしたら、
ミキゥダがティオハリムに命を賭してダナ人の未来を託したのも頷けます。またティオハリムが全くダナ人に興味がなかったと告白をしたときのキサラの狂乱が、とても感慨深く思えてきます。
本作でも屈指の名シーン
ちょっと妄想を語り過ぎました。
人の死から遠ざけるためだけの個人的な動機で、
メナンシアを統治していたティオハリムはなかなか衝撃でした。
これからはさらにネタバレが強くなっていきます。
第二章「レナの真実が判明してからの黎明を考える」
物語が急展開を迎えのはダエク=ファエゾルの場面ですね。
ヘヴレクトの35からの真実。
それは、すべての元凶はレナの星霊だったということ。
招霊の儀・300年前のダナへの大侵攻・スルドブリガ。
これらはすべてダナの星霊力を吸い尽くすために仕組まれていたことが判明します。
レナの星霊の支配下から偶然解放されたヘヴレクトの35
ダナ人は現レナ人を憎んだ。
それは、300年前からずっと虐げられていたから。
アルフェン達はダナ人を解放するために現レナ人と戦った。
しかし、そもそも300年前の招霊の儀によって、
ダナの星霊力は吸い尽くされるはずでした。
それをすんでのところで阻止したのは、
シオンの先祖である巫女ネウェリ・アイメリスです。
300年前の招霊の儀で巫女を務めたネウェリ
彼女は世界の滅亡に気付き星霊力制御の力を暴走させ計画を失敗させます。
その後は、スルドブリガの制度を作り、ダナの星霊力を吸い上げます。
討つべきレナ人は、実は過去に自分たちを救っていたことが判明します。
敵としていたレナ人も解放するべき存在だと関係がひっくり返った瞬間は、
ストーリーでの大きなうねりの部分でもあります。
余談ですが、現レナ人がダナ人を元に作られたという事実は、
予め伏線が用意されています。
リベールの獄塔にいる本を読む女性がこんなことを言っています。
「我々とレナの文字や言葉が同じというのは、考えてみれば不思議な話ね」
ダナ人と現レナ人が同じルーツだということがわかりますね。
くどいですがもう1つだけ!
その後のメナンシアの図書にこんなメッセージもあります。
「大量のレナの書物が所狭しと並んでいる。
なぜか皆、ダナの言葉で書かれている」
ここで少し躓きました。シスロディアではダナとレナの言葉が同じだと分かったのに、メナンシアではダナの言葉となっています。
このあたりの齟齬については、私より詳しい方がいれば、いつか教えてほしいです。
ここからは物語のオチに触れていきます。
未クリアの方はお気を付けて。ネタバレ注意です。
第三章「赦すことを選んだアルフェンの意志」
ダナの解放から始まった物語は、双世界を救う壮大な展開へ。
シオンを救い、ダナもレナも解放する。
そのために、レナの星霊を討つことが最終目的となりました。
そして見事にレナの星霊を討ち滅ぼし、万事解決。
と思いきや最後に現れたのはガナスハロス領将ヴォルラーンでした。
物語はアルフェン対ヴォルラーンの一騎打ちの決着後、
エンディングを迎えます。
しかしなぜラスボスがヴォルラーンなのでしょうか。
それは第一章で触れたように、
与えられた自由からどう生きていくのかを選択するのかが
本作のメッセージ=心の黎明だからです。
ヴォルラーンは、「レナの星霊に対する復讐心」+「王であることの執着心」に駆られ、シオンごとレナの星霊を滅ぼそうとした。
アルフェンはこれまでの過去による生まれた憎しみを捨て、
赦すことが必要だと対立する。
つまり、
レナの星霊=ストーリー上のラスボス
ヴォルラーン=メッセージ上でのラスボス
だったということがわかります。
憎しみの象徴となったヴォルラーンを乗り越えることが、
心の黎明へとつながっていくように感じました。
そう考えると、物語の丁寧な描き方が伝わってきます。
まとめ
いかがだったでしょうか。
今回は物語の軸となる「心の黎明」にフォーカスしてみました。
メインストーリーの他にも、
魅力的なキャラクターが織りなす会話イベント「スキット」が、
320個も用意されています。
彼らのやりとりを眺めているだけで、世界への没入感が凄まじいです。
ここまで丁寧にキャラクターを描くことは、
大変な作業であったことは想像に難くありません。
ティオハリム・キサラコンビ。この二人が大好きになりました
令和のJRPGを代表する作品として、
本作をプレイできたことは私にとって大変幸運なことだと感じています。
この記事を目に触れた方々で、
テイルズオブアライズはこんなところが好きだったというご意見があれば、是非お気軽にコメントを残して貰えると嬉しいです。
ありがとうございました。
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