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就活は具体的に何をやるのか?(二万字)
先に言います(言わせてください)
就活はフワフワしたようなものではありません。受験生が知識を蓄えるように、またその道順を絶えず検証するように、就活にもノウハウとやるべき事をきちんとこなす必要があります。
この就活ロードマップは、
①就活スケジュールから始まり、
②自己分析、③企業選び、④ES、⑤面接といった
実際の就活と同じ流れでの説明になっています。
どの項目もまずは概要の説明から入り、
少し抽象的なノウハウ、そして具体例へ
という構成にしており、この就活ロードマップを見ることにより、理解したうえですぐに手を動かすことができるようになっています。
巻末には⑥コラムとして就活時代に読んでおいて良かった本を3つ紹介していますので、併せて参考にしていただければと思います。
1.就活スケジュール
まずは就活のスケジュールについてです。
今回例として26卒の皆さんにとって、2025年内定による終活までの理想のスケジュールを掲載しますので、参考にしてみてください。
26卒以外の皆さんは、各インターンシップへの応募をするための参考にしていただければと思います。インターンシップ通過が早期選考に繋がります。
1月
①合同企業説明会に参加
→業界や業種の特徴を知る
→ベンチャー企業や中小企業の選考を受ける
②とにかく自己分析
→志望業界・業種を絞る
→ESや面接でのネタ整理
③テストセンター対策
2月
①春インターンシップのES提出
②春インターンシップの面接
③早期選考のES提出
④面接対策
3月
①就活本格化
②春インターンシップに参加
③ESをひたすら提出
④早期選考の面接
⑤初内定
4月
①面接(早期選考・本選考)をひたすら受ける
②持ち駒が減ってきたらESを提出
③内定をいくつかもらい始める
5月~6月
①受ける企業(本選考)を絞り始める
②内定の質が上がる
③終活
2.自己分析
①目的
まずは自己分析の目的です。
就職活動を始めるにあたって、みなさんが最初にやらなければならないことがこの自己分析だと考えています。そしてその自己分析の目的は、
①自分の頑張る原動力、原体験を見つける
②頑張り方、その際大切にしていること
③前述2つと結果の因果関係
の3つをあぶり出すことです。
面接のゴールは「面接官にビジネスで活躍しそう」と思ってもらうことであり、活躍するためには当然頑張る必要があり、その条件、やり方を自己分析によって見出だします。
レギュラーになった、ならない、大会で優勝した、してない、役職があった、なかった
これらがあまり面接の合否に関係しない理由はここにあります。これらと頑張る原動力、頑張り方には必ずしも因果関係がある訳ではないからです。
※優勝しても他のチームがめちゃめちゃ弱かった、たまたま怪我人が出てレギュラーだった等あり得るからです
②手順
自己分析の目的が分かったことで次はその手順です。色々な方法があるとは思いますが、おすすめの手順は、
①過去洗い出し
②考察
③他者へアウトプット&フィードバック
④もう一度考察
⑤③と④を繰り返す
ここでは①と②のやり方がポイントになります。
③はOBなどの信頼できる人にお願いをすれば問題ないです。
各ステップにおいて詳しく説明します。
①は質より量。
とにかく「覚えていることは全て出す」ことができればベターです。
②は「なぜそうなったか深掘り」と「具体的にする」ということです。「なぜそうなったか深掘り」は大学で起こったことの原因を高校に求める、高校で起こったことの原因を中学に求めるという風に過去に原因を探しにいきます。(大学3年での出来事の原因が大学1年生の頃の体験に原因があるなどのパターンもありますが)
例えば、「何でそこで後輩の意見聞いたの?」というような質問をすると、「チームが良くなると思ったから」と答えることが多いですが、それは当たり前の話です。組織に所属する以上は全ての行動がチームを良くするため、自分が上手くなるためです。面接官は聞かなくてもそのことは知っています。その背後にある原体験、想いが今の行動に繋がっており、
それを面接官は知りたいのです。
また、「成長したい」「人を幸せにしたい」は良く聞くワードですが、
抽象的なワードが出てきたら部活に置き換えて具体的にします。例えば、後輩から相談に乗って欲しいと言われるようになったら、それが自分の成長、となればなぜそう思うのか、それがもっともらしければ、そのためにどんな行動をしそうかと行動のイメージが付きます。
ある程度まとまったら、③で社会人に見せます。最初はダメ出しされると思いますが、それで問題ないです。最初からうまくできる人はいません。たくさん厳しいフィードバックをもらった人が勝つ、まさに言語化のスポーツです。間違って指摘を受けたらラッキーと思っていいくらいです。
少し話は逸れますが、自己分析の次のステップとして、「業界・企業を知る・理解する」ことがあると思いますが、そこでの方法は2つあります。
①「自己分析の仕方をそのまま企業に当てはめる」方法
②「OBOG訪問において面接で聞かれる質問をそのままぶつける」方法
です。
①「自己分析の方法を当てはめる」のは、
「なぜそうなったか深掘り」と「具体的に」というところです。
企業も法人、つまり法の下の人です。これまでの経緯があって現在があり、当然、法人として意思決定をします(自分はお金が動くことを基本的に意思決定と考えている)。
他の学生が「商社はトレーディングと事業投資をしていて、事業投資をしたい!」と浅い話をしている中、「商社は現在トレーディングと事業投資をしている、経緯として過去トレーニング中心だったが事業投資に移行しつつある、それは何故かというと・・・」と背景まで話せるようになります。
他の企業にもこのスキームは当てはめられて、そもそもその企業は何故存在しているのか?その事業は何故存在しているのか、なぜ今の形に行きついたのか?歴史を紐解くことで理解は相当に深まります。
また「具体的に」も自己分析と一緒です。企業は説明会で成長する人材、挑戦できる人材が欲しいと言います。
自己分析と同じで、具体的にその企業で定義する成長ってなんだ?挑戦ってなんだ?というのをOBOGや座談会で社員に聞いてそのままそれを使えば良いです。(あるいはパンフレットに載っているインタビューとかもありですね)
学生は、
「御社の挑戦という風土に惹かれました」=抽象
「自分も挑戦を大事にしているので御社を志望します」=抽象 という構図が大半です。
「挑戦(抽象)」=「挑戦(抽象)」なので聞き手(面接官)はしっくりきません。
一方、具体的に聞いておけば、
「御社の挑戦という風土に惹かれました、具体的にはこういう挑戦とOBOG訪問で聞いています/パンフレットで読みました」(抽象+具体)、
「自分は挑戦を大事にしています、具体的なエピソードは」(抽象+具体) そして具体のこの要素が近いですと言えます。
これでいけば「抽象+具体」=「抽象+具体」なので、上記よりは確度高いのは明白です。(あくまで面接なのでそれでもミスマッチはありますが)
※これで落ちたら、面接官はOBを否定することになるので、絶対に落ちない!と浅はかながらも当時考えていましたが、自分のエピソードがつじつま合ってなかったら落ちるのでそこは注意。自己分析が整って初めて使える戦術になります
かなりノウハウ系な感じで書きましたが、具体まで聞くと仕事のイメージもついて抽象しか押さえてない場合よりミスマッチは減るかなと思います。
②のOBOG訪問において、面接で聞かれる質問をそのままぶつけるとありますが、本当にその通りです。面接官は執拗に学生にエピソード(具体)を聞きます。一方、企業説明会の内容の多くは抽象です。企業は学生の「抽象+具体」の情報を持っているのに、学生は「抽象」の情報しか持っておらず情報格差があります。
それを埋めるのがOBOG訪問です、自分はOBに「仕事で一番頑張ったと思える話を教えてください」「何を大切にして仕事していますか」「上手くいかなくて乗り越えた話」「強みは何でしょうか」と聞いていました。
※聞き方を間違えると生意気な学生になるので言葉使いは気をつけること
面接官が面接で学生に同じことを社会人にも聞くべき、でないと意思決定のレイヤーが合わないというのが当時の自分の考えでした。
そうするとおのずとクライアントの話やビジネスモデルの話が出てくる、そこの中でご自身の行動の話も出てくるので共感できるポイントがあれば志望するし、考え方が合わないなと思ったら志望しない。志望する場合は貰った具体のエピソードをそのまま使わせて頂く。そうやって具体の情報を確保していきます。
・面接では「自分らしさ」を求められるので、逆もしかりでその企業らしさを突き詰めて考える。三菱商事らしさって何だろう、伊藤忠らしさって何だろう、三菱地所らしさって何だろう。恐らく学生だったので間違っていた可能性ありますが、考え抜いたことをぶつけることで面接において差別化できること多かった印象です。
要は、就職活動で自分に向けられるベクトルをそっくりそのまま企業に返すというのが自分のやりかたです。少し参考にしていただければ。
そして考えたことを誰でもいいので相手にアウトプットすることも重要です。
業界理解・企業研究は受験勉強に近いです。
※インプットファーストだと基本的に上手くいきません。というのも「良い点取るために頑張ろう」と思って必死に覚えようとする高校生が多いですが、そんなぼんやりした考えで受かるなら全員志望校に受かります。例えば数学の確立のコンビネーションを間違って模試で点を落として悔しい思いをする、友達に偉そうに数学の証明の問題を教えてあげていたら自分が間違って恥をかく。そしてこれじゃ足りない!と思って足りない部分をインプットする。アウトプット→足りない!危機感→インプットのサイクルが上手くいくし頑張れるサイクルなはず。
勉強も部活も同じく、業界理解・企業理解は(自己分析もかも)、難しいことに挑戦しないこと、間違ったあとに修正しないことが一番伸びないパターンです。まずは考えて話して出して、また考えてというかたちでブラッシュアップしていきます。
③自己分析を進める質問集
さて、ここまで自己分析のノウハウ的な側面に触れてきました。なんとなくわかったところで実際に手を動かしてみましょう。自己分析を進めていく際に手助けとなるよう、具体的な質問集を掲載しています。
ここにあるものを中心に自分自身について深ぼりを進めていきましょう。
〇人間関係についての質問一覧
最初に人間関係に関する質問を紹介します。
これまでどのような人と人間関係を築いてきましたか?
自分と相性の良い人、悪い人はどのような人ですか?
これまでの人間関係で学んだことは何ですか?
これまでの人間関係で失敗したことは何ですか?
人と関わるうえで大切にしていることは何ですか?
初めての人とはどのように打ち解けますか?
先輩と関わる際に気を付けていることは何ですか?
後輩と関わる際に気を付けていることは何ですか?
今まで実際に関わった人の中で、尊敬する人は誰ですか?
今まであなたは周りの人にどのような影響を与えてきましたか?
自分の人間関係について分析すると、人当たりや協調性、人間性に関する強みや弱みが見えてきます。自分に合った社風や職業を選ぶ参考になるでしょう。
〇性格についての質問一覧
次に、自分の性格に関する質問を紹介します。
自分はどのような性格であると考えますか?
周りからはどのような性格だと言われますか?
自分の性格がプラスに働いた場面はありますか?
自分の性格がマイナスに働いた場面はありますか?
自分の性格で好きな部分、嫌いな部分は何ですか?
普段は聞き手になることが多いですか?話し手になることが多いですか?
悩みがある時、周りに相談するタイプですか?
何をしている時に幸せだと感じますか?
周りから短所を指摘された時、どのように感じますか?
周りの人に対して注意ができる性格ですか?
より客観的に自分の性格について分析したい場合は、上記の質問に答えるだけでなく、周りの人に意見を求めてみることもおすすめです。
〇趣味についての質問一覧
次は、趣味に関する10個の質問を紹介します。
どのような趣味がありますか?
いつ、どのようなきっかけでその趣味を持ちましたか?
趣味にはどれくらいの頻度で取り組んでいますか?
趣味を通して新たに得た人間関係や知識などはありますか?
一番長く続いている趣味は何ですか?
一番長く続いている趣味はいつからのものですか?
1つの趣味を極める方ですか?多くの趣味を楽しむ方ですか?
働き始めてからは、どのように趣味を続けていきたいですか?
自分にとって趣味とはどのようなものですか?
子供の頃の趣味は何ですか?
面接の際、企業側は素の部分を知るために趣味について聞いてくることがあります。よって、趣味についてもしっかり深掘りしておきましょう。
〇働くことについての質問一覧
続いて、働くことに関する質問を紹介します。アルバイト経験、インターンシップ経験がある人は、その経験に基づいて回答するとより働くことに関する自分の価値観を明確にできます。
働くにあたって大切にしたいことは何ですか?
自分にとって働くとはどのようなことですか?
何のために働くと思いますか?
自分はどんなときにやりがいを感じると思いますか?
これまででもっとも大変だったのは何をしたときですか?
仕事をしている人で憧れるのはどのような人ですか?
働く際に活かせそうなスキルや教訓はありますか?
アルバイトやインターンシップなどで経験した仕事はありますか?
経験した中でどのような仕事が好きでしたか?
これまで経験した中で苦手な仕事、得意な仕事は何ですか?
働くことに対する価値観が志望企業とずれていると、入社できたとしてもミスマッチを感じやすくなります。深く自己分析をしておきましょう。
〇頑張ったことについての質問一覧
最後に、これまでに頑張ったことに関する質問を紹介します。
これまでの人生で一番頑張ったことは何ですか?
これまで継続して頑張ってきたことは何ですか?
目標に向かって頑張った時、どのように努力しましたか?
目標達成に向けて頑張る際、プレッシャーは感じる方ですか?
これまでの経験で、頑張るためのモチベーションとなったものは何ですか?
頑張っている途中でモチベーションが下がった時、どのように対処しましたか?
頑張ったけれど目標を達成できなかった経験はありますか?
自分以外の人のために頑張った経験はありますか?
長期的に頑張らなければならない時、どのようなことに気を付けますか?
どのような頑張り方が自分に合っていると思いますか?
以上となります。
この質問を中心になぜ?なぜ?を続けていき、どんどん深ぼりをしましょう。
3.企業選び
自己分析を踏まえて自身が目指したい業界・業種を絞っていきましょう。
ここでは各業界の特徴を説明します。
気になった業界は積極的に企業説明会に参加し、勉強してみましょう。
〇メーカー業界
モノを製造して利益を出す企業で、消費財メーカーや自動車メーカー、薬品メーカー、化学・繊維・素材メーカーなどがあります。メーカーと言っても範囲は広く、扱う商品によって特徴は異なります。BtoCの企業は商品を利用するシーンを普段の生活から直接目にする機会も多く、働いている人自身がやりがいを実感しやすいです。世界的に展開している企業も多く、グローバルに働きたい人にも魅力的な業界という一面があります。
給料の特徴として、金融業界に比較して、毎月の給与はそこまで高くはありませんが、賞与が非常に高いことが挙げられます。
〇金融業界
お金を貸すことや決済を代理すること、金融商品を売ることによる手数料や金利、保険料で稼ぐ業界です。具体的に、銀行や損保・生保、証券などがあります。近年では、低金利政策によって銀行の利益が減少し、新卒採用の枠を減少させる傾向がありますが、依然として他業界と比較すると採用枠が多い傾向にあります。今後は、フィンテックなどの技術によって、業界全体が変革していくことが予測されます。また給料の特徴として、メーカー業界に比較して、毎月の給与は高いですが、賞与はあまり高くないことが挙げられます。
〇インフラ業界
鉄道や電気、水道など人々の生活には欠かせないものをサービスとして提供することで利益を得る業界です。鉄道は、鉄道の運行サービスだけでなく、駅の街づくりも行っています。
電力やガスでは、自由化が始まっていて競争も激しくなる傾向があります。
この業界は公共性が高い業界でもあるため、雇用が安定しています。
〇商社業界
物の売買の仲介を行うことや事業投資で稼ぐ業界です。そのため、事業の種類が幅広いことや規模の大きさが挙げられます。企業は、総合商社と専門商社に区別できます。総合商社はさまざまな分野の商材を扱う企業であり、専門商社は一つの分野の商材を扱う企業です。総合商社は、各企業に強みとなる商材や地域があるので、志望する人は調べてみるとよいでしょう。
この業界の給与はトップレベルになっており、就活生からの人気は非常に高いです。
〇IT・通信業界
通信サービスや情報サービスを提供して利益を稼ぐ業界です。
通信や情報サービスは、汎用性が高く、どの業界にもアプローチできる業界です。5GやAIといったテクノロジーの登場で、この業界は非常に将来性がある業界と言えます。しかし、GAFA(グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン)といった大企業やスタートアップ企業などさまざまな企業が存在している業界で競争も激しいです。
IT企業の新卒採用は、文系の就活生でもSE職として就職することで、スキルを身に着けることができます。
〇放送・新聞・広告業界
主に、テレビや新聞などのマスコミが挙げられます。
テレビ業界は、視聴者からお金を得るのではなく、スポンサーからの資金で経営されています。インターネットテレビにも進出している場合があり、テレビ朝日とサイバーエージェントのAbemaTVが例としてあります。新聞社は、新聞というサービスを提供して利益を得ています。
ほかにも、広告代理店といったさまざまなメディアで広告の作成を行う企業もあります。テレビ業界は、広告業界でも、インターネット上の広告が今後さらに活用されるでしょう。
〇サービス業界
コンサルティングファームや旅行会社、教育・人材会社があります。
コンサルティングファームの新卒人気が高く、ビジネスのスキルや他業界とのかかわりが多いことなどがその人気の理由でした。サービス業界は、業種や業務内容も幅広く、興味を持ったら各企業を調べてみるとよいでしょう。
〇不動産・ゼネコン業界
不動産は、総合ディベロッパーと不動産販売に分けられます。
総合ディベロッパーは、土地の再開発や大規模施設の建設を取り仕切る業務に従事していて、土地の入手から完成後の管理までを行っています。その際の建物を完成後に売買するか、保有して貸すことのどちらかで利益を上げています。
不動産販売は、不動産の販売や貸借の仲介を担うことで利益を上げています。
ゼネコンは実際の建物の建設を行うことで利益を上げています。不動産やゼネコンは、東京オリンピック景気で業績も好調です。
新卒採用では、総合ディベロッパーは採用人数の枠が狭いことが特徴として挙げられます。
4.ES
①ESの種類
ESは大きく2種類あります。
1、字数が極端に短い(50字~150字)
面接の材料。面接の直前まであまり読まれないことが多く、この場合面接に進めるかどうかはテストにかかっています。
2、字数が長い場合(150字以上、800字やフリーまで)
面接に行く前に読まれることが多い、面接に進めるかどうかはテスト+ESの出来となります。この場合も当然ESは面接での材料になります。
②ESに臨むに当たって
多くの学生が「学生時代頑張った話は何を書いたらいいか」「自己PR何を書いたらいいか」と聞いてきますが、個別のエピソードに拘るのは間違いではありません。
しかし、まずは「ES全体を通して何を伝えるか」を明確にする必要があります。
自己分析の結果、出てきた要素を「能力」と「価値観」に分けて列挙し、それにまつわるエピソードを用意します。そして、それらのどれを「学生時代に頑張った話」に入れるか、どれを「自己PR」に入れるか判断して組み合わせていきます。
内容が学生時代の話をなんとなくまとめただけ、あるいはとにかくアピールしたいのでやったことをひたすら詰めまくるというESを多数拝見します。
悪いという訳ではありませんが、やはり「何を伝えたいか」ということからの逆算でシャープに書く、それが読み手に優しいESになるのではないでしょうか。余計なことを詰め込むことはノイズとなります。
③論理構成(主に学生時代頑張ったことや自己PR)
これもひとつの考え方ですが、ビジネスは課題解決、問題解決なので、「何かしら課題や問題を解決した話」が望ましいです。
そして「理想(目標)-現状=課題」という方程式にエピソードを当てはめて考え、課題を解決するための施策は何かを記載します。
(字数が余ればそれをなぜ、どのようにやったか記載。)
そしてそのうえで、結論として結果と学んだことで締めます。
従って、文章の構成としては、
・前提
・理想(目標)
・現状
・課題
・施策(字数余れば、なぜどのように)
・結果、学び
という構成になっていれば良いイメージです。
④表現
ここはやや印象論、テクニックの話になります。
何度も言うように「企業で活躍できそうだとイメージさせる」ということがゴールです。面接官も人間なので、感情があります。興味関心を持てないとなかなか印象には残りません。テストさえ突破すればどこかで読まれるのは間違いないので、「おっ!」と興味を持ってもらう必要があります。
とても難易度は高いですが、わかりやすく具体的に状況を説明しつつ、抽象の言葉も使ってまとめていく。
誰かに添削をお願いするときには論理構成はもちろんのこと、「自分が学生時代難しいことにチャレンジして乗り越えて何かを学び、それを活かして御社で活躍するという意思」が伝わるかどうか、という視点も持って見てもらうようにしましょう。
⑤注意すべきワード
御社 →貴社
バイト →アルバイト
インターン →インターンシップ
お客さん →お客さま
学祭 →学園祭
とても →大変
詳しく →詳細に
なので →そのため
でも →しかし
少しずつ →徐々に
大変でした →課題でした
だけでなく →加えて
なりたいです →目指します
できました →達成しました
勉強する →学ぶ
成長したい →貢献します
大丈夫です →問題ありません
頑張りました →注力しました
思いました →考えました
⑥志望動機作成の際のテンプレ
ここでは少し業界は絞られますが、各業界での志望動機の作成例を掲載します。自身の志望する業界があれば参考にしてみてください。
〇総合商社(豊田通商)
・あなたの将来の夢や目標は何ですか。その上で豊田通商を志望する理由(150-300文字)
私は自身の強みである「傾聴力と発信力」とリーダーシップを活かして、価値観や利害関係の異なる様々なメンバーを巻き込みながら、発展した社会をもたらす「産業の基盤」の整備に貢献したいと考えております。
この夢を実現するために、貴社の機械・エネルギー・プラントプロジェクト本部で働きたいと考えております。総合商社である貴社の事業展開地域の規模の大きさから、ビジネスを多くのステークホルダーを巻き込みながら進めていくことができます。また貴社の掲げる「現場主義」は、多角的な視点を持つことや現場に足を運んで初めて分かることに繋がり、自身の夢を実現するためには必要不可欠であると考えています。
〇総合商社(双日)
・人生において成し遂げたいこと 理由と双日でどのように実現したいか(400-600文字)
私は自身の強みとリーダーシップを活かして、価値観や利害関係の異なる様々なメンバーを巻き込みながら、ビジネスを通して、発展した社会をもたらす「産業の基盤」の整備に貢献したいと考えております。
大学時代の部活動の経験から、様々な価値観を持つメンバーと一つの目標を達成することに大きなやりがいと喜びを感じました。また「産業の基盤」となる世界各国の交通インフラや生活インフラを整備することは、流通網や中間層の形成に貢献して、日本のメーカーでも進出しやすい環境になり、新たな市場開発や新規事業開発に繋がると考えています。
私はこの夢を実現するために貴社のインフラ・ヘルスケア本部のエネルギー・産業インフラ本部で働きたいと考えております。総合商社である貴社はビジネスの川上から川下まで携わることができ、貴社の事業展開地域の規模の大きさから、ビジネスを多くのステークホルダーを巻き込みながら、多角的な視点で進めていくことができるからです。
〇生命保険業界(日本生命)
・総合職として、日本生命で取組みたい分野・仕事(300文字)
私は貴社の「リーテイル部門」において、「個人保険に関する販売戦略の舵取り」を行いたいと考えています。大学時代における部活動の経験と自身のリーダーシップを発揮して、現場に赴く営業社員の方とプロジェクトを進めていく際に、チーム内で自身の意見も発信しつつ他のメンバーの多様な意見を積極的に聞き入れていきたいと考えております。その中で自身のリーダーシップを発揮してチームの全員を巻き込みながら納得のいくまで意見をすり合わせ、チームを一つにまとめていきます。そしてどんなプロジェクトでも質の高い成果を出し、仕事に対するやりがいと喜びを感じながら、貴社の売り上げと課題解決に貢献していく覚悟です。
・弊社営業総合職への志望動機(300文字)
私が貴社の営業総合職に志望する理由は二点あります。
一点目は「自身の強みである傾聴力と発信力を活かせる」からです。この自身の強みを活かし、まずは真の顧客ニーズをヒアリングします。そして顧客が安心して暮らせるように、顧客に寄り添った提案をしたいと考えております。またそれによって貴社の売り上げにも貢献していく覚悟です。
二点目は「社会的意義が高い」からです。私はアルバイトである塾講師と大学時代における部活動の経験から、自分は誰かのために行動を起こした時に大きな喜びとやりがいを感じることが分かりました。その中で「生命保険」は人の一生をサポートすることが出来る仕事であると考えております。
〇損害保険業界(三井住友海上火災保険)
・将来なりたい社会人像と、それを三井住友海上でどのように実現したいか(300字以内)
私は仕事を通じて「顧客の挑戦と成長を支えることができる」人材になりたいと考えております。大学時代の部活動とアルバイトである塾講師の経験から、私は組織や誰かのために行動した時に大きな喜びとやりがいを感じることが分かりました。
社会のインフラのインフラである損害保険業界の貴社は「顧客の挑戦に対して後押し」ができます。まずは多角的な視点を持てるよう、営業として現場で多くの経験を積みたいと考えております。そのなかで自身の強みである「傾聴力と発信力」を活かして、価値観や利害関係の異なる様々なメンバーを巻き込みながら、どんなプロジェクトでも質の高い成果を出し、貴社の売り上げと課題解決に貢献する覚悟です。
〇海運業界(商船三井)
・志望業界・会社(100文字)
私は海運業界や商社業界を中心に現在就職活動をしております。この二つの業界に共通しているキーワードは「グローバル」と「ダイナミック」です。
・志望動機(300文字)
自身のリーダーシップにより価値観や利害関係の異なる様々なメンバーをまとめながら、プロジェクトを達成することができ、ビジネスを通して、社会に貢献できると考えるからです。
私は大学時代の部活動とアルバイトである塾講師の経験から、組織や誰かのために行動した時に大きな喜びとやりがいを感じることが分かりました。そのためこれから社会人になるにあたって、ビジネスを通して、社会に貢献しながら、仕事に対する喜びとやりがいを感じたいと考えております。その中でも貴社のビジネスは、島国である日本の物流を支えるためには必要不可欠であり、社会貢献度が最も高く、より大きな喜びとやりがいを感じることができると考えています。
⑦学チカ作成の際のテンプレ
伊藤忠商事のESを例に学チカの練習をしましょう。
学チカのみで下記5問が出題され、かなり事細かに質問されています。
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