公式LINEで地域とつながるお寺の挑戦 ~「拝むこと」を大切にしながら、地域に寄り添うお寺の新しいかたち~
お寺特化型LINEアプリ「しゅうごうのLINE」をご活用中の東京都町田市の華厳院さま。そんな矢田副住職に、LINEを導入して実際どうだったのか・・その本音をお伺いしました。
お寺と地域の距離を縮める「LINE配信」
小川:本日はお時間をいただきありがとうございます!
華厳院公式LINEでの定期的な配信を通じて、地域の方々とのつながりが深まっていると伺いました。実際に活用されてみて、どのような手応えを感じていらっしゃいますか?
矢田副住職:こちらこそありがとうございます。そうですね、リリースしてから初月に40名近くの方に登録いただきまして、今では友だち登録者が300名を超えています。「お寺と気軽につながれるのは安心感がある」という声をいただくことも多くて、毎回の配信にも力が入ります。
小川:LINEでのつながりを通じて、「お寺が身近にある」と感じていただけるのは、地域の方にとっても心強いですよね。配信内容については、どのような工夫をされていますか?
矢田副住職:配信内容としては、季節の行事のお知らせや、お寺でのちょっとした出来事などを月3~5回ほどお届けしています。ただ、気をつけているのは、やはり「お寺であること」を意識することです。LINE配信はあくまで「気軽にお寺とつながるための架け橋」として活用しているので、SNSの発信ばかりに夢中になりすぎないよう、バランスには常に気を配っています。
小川:SNSやLINE配信は便利ですが、「お寺としての役割」を忘れないようにされていると。
矢田副住職:そうですね。私たちの本分はあくまで「拝むこと」や、「地域に寄り添いながら心の支えとなること」です。SNSの活用も、その延長線上にあるもので、お寺をもっと身近に感じていただきたいという思いから行っています。「拝むことを第一にしているからこそ、お寺の活動がしっかりと伝わる」と信じているので、そういう姿勢が配信にも自然と表れるよう心がけています。
LINEは、地域の新しい「つながり」の入口に
小川:確かに、「拝むこと」を大切にしながらLINEを活用しているお寺は、地域の方々にとって「心の拠り所」として感じられやすいかもしれません。LINEでのやり取りは、どのような形で行われていますか?
矢田副住職:LINEだと、若い世代の方々からも気軽にメッセージをいただくことが増えました。電話やメールよりもLINEの方が敷居が低いようで、「少し話を聞いてほしい」や「相談したい」といった内容も多いですね。また、住職世代の方と直接お話しすることに抵抗がある方でも、LINEなら相談しやすいと言っていただいています。
小川:それは本当に素晴らしいですよね。「お寺が相談しやすい場である」と気づいていただけるのは、大きな意味があると思います。特に、今までお寺と縁のなかった方にもLINEを通じてお寺を身近に感じてもらえるのは、新しいつながりが生まれるきっかけになりそうです。
矢田副住職:ええ、LINEを使い始めてから、「これまでお寺と関わりがなかったけれど、身近に感じるようになった」と言っていただけるのが本当にありがたいですね。お寺は、いざというときに頼れる存在でありたいと考えているので、LINEを通じて少しでもその役割を果たせるのであれば、これからも積極的に続けていきたいです。
「こういうお寺こそ、LINEを活用すべき」という考え
小川:どのようなお寺がLINEの活用に適していると思われますか?
矢田副住職:そうですね、たとえば「地域の方々ともっと関わりたい」「次世代にお寺の魅力を伝えたい」といった思いを持つお寺には特におすすめですね。また、住職や副住職が「お寺を未来に残したい」という考えがある場合、LINEのようなデジタルツールが非常に役に立つと思います。お寺として「気軽に相談できる場」を提供することは、地域の方々が安心して暮らせる場所作りにもつながりますから。
小川:日常の情報提供はもちろん、例えばお寺での行事や季節ごとのお知らせなども、LINEで気軽に配信できますし、敷居を感じる方にも優しく届く印象です。
矢田副住職:そうですね。もちろん、お寺によっては「LINEのようなデジタルツールに馴染めるかどうか」と迷われる住職もいらっしゃると思います。ただ、実際にLINEを使ってみると、若い世代とのコミュニケーションも取りやすくなり、「お寺は相談できる場所」という認識が少しずつ広まっているのを感じます。地域にとって身近で頼れるお寺でありたいと考えているお寺さんには、ぜひ活用していただきたいですね。
LINEとInstagram(SNS)の使い分けと、町田ゼルビア応援のつながり
小川:お寺のLINEだけでなく、Instagramも活用されていると伺いました。使い分けについても教えていただけますか?
矢田副住職:はい、LINEはお寺へ気軽に相談できる場、親しみやすい関係を築くためのものと考えています。一方、Instagramはもっと広く、お寺の雰囲気や季節ごとの写真などを発信して、初めての方でも興味を持っていただけるきっかけになればと。
また、私はゼルビア(FC町田ゼルビア)のファンで、ゼルビアの試合に訪れるファンの方々にもお寺のことを知ってもらえたらと考えています。
小川:地元のサッカーチーム「ゼルビア」とお寺のつながりも素敵ですね!LINEやInstagramで、地元のファンの方と直接交流できるのも、新しいつながりの形ですね。
矢田副住職:そうですね、ゼルビアは地元に根付いたチームなので、お寺としても応援しています。「ゼルビアと一緒にお寺も地元を支えたい」という気持ちがあって、ファンの方ともLINEやInstagramで交流できるのは嬉しいです。サポーターの方々にもお寺の存在をもっと知ってもらえたら、地域全体が一体感を持てると思っています。
お寺の本分を大切にしながら、地域の心の支えになるために
小川:副住職のLINE活用には、地域との新しい形のつながりを感じます。デジタル化の波が広がる中で、お寺がこうした形で地域とつながる意義について、どのようにお考えですか?
矢田副住職:お寺の基本は「拝むこと」ですが、時代が変わる中で「どうやって人とつながるか」も考える必要があると思っています。
LINEやInstagramを通じて「お寺がそこにあり、頼りにできる」と感じてもらえれば、より地域に根ざした存在として機能できるのではないかと考えています。
LINEを活用することで、今までお寺に足を運ばなかった方でも、「少し話を聞いてみよう」「困ったときに相談してみよう」と思ってもらえるきっかけになれば嬉しいです。お寺を「心の拠り所」として感じてもらえることが、私たちの大切な役目だと思っています。
最後に
お寺の副住職が、地域との新しいつながりを築くためにLINE配信を活用する背景には、「お寺の役割を忘れずに、地域に寄り添いたい」という思いが強くありました。「拝むことを第一に」、お寺の存在を身近に感じてもらうためのツールとしてLINEを活用することで、若い世代や、これまでお寺と縁のなかった方との新しいつながりが生まれています。