忽那の雫第41話 拓海の幽霊事件!(長浜町)
もうかなり前のことになるが、わたしと、姉さん(パートナーをこう呼んでいる)が、大洲市長浜町の拓海岸壁にメバルを釣りに行ったときに起きた、ちょっと怖かったお話しです。^ ^
この日、久しぶりに夜釣りでメバル狙ってみようと、長浜まで走った。
ここには二つの岸壁が並んでいて、われわれの仲間うちでは晴海埠頭と拓海の岸壁とか呼んでいて、この晩に来たのは松山よりの拓海岸壁。
ここの左の隅っこは常夜灯がついていて明るいのと、左側にあるテトラポットに着いているであろう良型のメバルが、潮の塩梅でぼんやり明るい海面下に姿をあらわす穴場的なポイントだったんです。^ - ^
胴付き仕掛けを準備し、日本ゴカイをつけて10メーターほどテトラ向きに仕掛けを振り込み、海面下1〜2メートルくらいの層をたんねんに引っ張ります。^ - ^
この日も、イメージしていたように釣果を得て、釣りも終盤にさしかかった深夜の2時頃、岸壁の右の方にヘッドライトをつけたオジサンらしき釣り人が、竿を振っているのが見えました。^ - ^
わたしは姉さんに、あのオジサンはたぶんホゴ(カサゴ)を釣りながらこちらへだんだん近づいてくるから、こちらはそろそろ片付けに入ろう。
そんなことを話しながら、二人は道具の片付けを始めたんです。
最初に見たとき、オジサンはまだ50メートルくらい向こうにいましたが、それが20メートルほどの距離まで来ていたことに気づいたころ、片付けは完了していました。
オジサンは相変わらず黙々と竿を上下させながら、じわりじわりと足をコチラへ進めています。
ヘッドライトはつけたまま、作業着みたいな黒っぽい上下に、ウエストバックを付けて竿に小さなスピニングリールを付け、腰に付けたエサ入れらしき箱からエサを取り出すのもわかりました。^o^
さあ、ちょうどいいタイミングだったね〜、帰ろうかと荷物を二人で半分づつ持ち、振り返った瞬間にはもう誰も居ないんですよ。(°▽°)
え〜っとわたしは思いましたが、何も言いませんでした。姉さんも何も言わずに車のほうへ歩いています。^ - ^
荷物をさっさと車に積み込み、自分らも乗り込んでエンジンを始動させて、車をまわしながら姉さんにたずねました。
さっきのオジサンどこ行ったの?って(*^^*)
姉さんも言いたくてたまらなかったのか、溢れ出る言葉が二人分、火山噴火のように止まりませんでした。^ - ^
整理すると、まずオジサンが釣りをしていたのはまちがいなかった。
ライトもずっと付けていたし、人相風体も二人が見たとおり。
目を離したというか、荷物を持つためにほんの一瞬意識から外れたという感じ。
海に落ちたら、あの距離なら着水音がかなりきこえるはず。
もし、すばやく釣りをやめて、われわれよりも早く帰ったとしたら、よけいにわかるはず。
だってね、帰る道は一つしかないから。(・∀・)
当時この岸壁では、テトラポットを作っていて、ビッシリとできかけのテトラポットで埋め尽くされていたんです。
AからBへオジサンは移動してきて、Cに居た我々は、Dの車へ向かうまでにオジサンのそばを通るしかありません。^ - ^
考えられるのは、静かに海に落ちて一瞬で沈んだか、心霊の世界へ帰っていったかなのです。^ - ^
今でもときどき、姉さんとあのオジサンの話をすることがあります。
あの日あの岸壁を端から端まで釣り歩き、どんくらい釣れたんだろうか?と。←そっちかい!( ̄▽ ̄)