忽那の雫第33話 敵は百の目をもつ悪魔!
瀬戸内に浮かぶ有人島の一つに釣島という小さな島がある。ここは現在、港がきれいに整備されて、人や物の行き来も以前よりずっと便利になった。
この島は釣り人にとても人気で、冬場のメバルやカレイをはじめ、クロダイやマダイなんかも多く、フェリーや渡船を使い、一年を通して釣り客を楽しませてくれます。^ - ^
ある年の寒い日、わたしは友人のR君とN君を誘い、メバル釣りをメインにこの島を訪れたんです。
夕刻、島に降り立つと人懐っこい島民と猫たちがあたたかく迎えてくれて、の〜んびりと釣りができそうな雰囲気でいっぱいでした。^ - ^
日も暮れて、まずはメバルを釣ろうと、荷物を波止の付け根にまとめて置き、われわれ三人は竿を一本ずつ持って、波止のあちこちを入念に探り歩いていました。
そして、島の人たちもすべて眠りについた頃、R君があわててやってきて、べ、弁当がやられた!!っと言うんです。
な、なに〜!(*^^*)
すぐにN君も呼んで、荷物を置いた場所へ走った!
三人は我が目を疑いましたよ(°▽°)三つのバックは全部あけられ、入れてあった弁当や他の食べ物があちこちに散乱して、N君の竿袋なんて中身が入ったまま、近くの海面にぷかぷか浮いていました。
いっ、いったい誰が?!
すぐさまN君が、あれ何?っと指差した。見ると、なんとそこにはもう無数と言っていいほどの異様に光る目がこちらをうかがってるんです。
グルリと見回すと、そこらじゅう目だらけ!
猫や!
それも半端な数じゃない。五十や六十は軽く居る感じだ。釣ったメバルならくれてやるが、人間のエサまで食いやがったのか?
こ、こいつらに違いない!
逆上したわれわれ三人は、なんの打ち合わせもなしに、そこいらにあった石や木をつかんで、光る目に向かって突撃した。
うりゃ〜! おら〜! コのやろ〜!
もう深夜の小さな島は大騒ぎである。(・∀・)
無理もない、お店なんかは当然ないところへ釣りに来ているのだ。明日の昼ころまで、のんびり釣りが出来るよう、食糧はそれぞれがたんまりと持ってきていた。
それを全部やられたのだ。( ̄∀ ̄)
しばらく続いた怒りの戦闘も、三人の息切れとともに終了した。
よけいな運動させられて、腹が減った三人は、夜空を見上げて、星がキレイねなどと呆けたような言葉をかわした。
夜があけ、港の周辺を食べ物を求めて店屋さんを探し始めました。するとなんと!一軒のうどん屋さんがあったんです。
まるで作ったような、夢のような話しなんですが、ホントうなんで情けない。(*゚▽゚*)
それから三人は今か今かと店があくのを待ち、お昼も近くなったころ、やっと暖簾が出たのを確認し、店へなだれ込みました。
三人はなぜか同じカレーうどんを注文し、まるで地獄の餓鬼のように、うどんを貪り食いました。
そのうどんの美味さといったらなかった!(((o(*゚▽゚*)o)))♡
お調子者のわれわれ三人は、小さく両手を上げ、カレーうどんバンザイ!っと口をそろえた なはは^ - ^