忽那の雫第125話 無人島その3 ふかぼり九十九島(スクモ島)
わたしの故郷でもある、松山の海の玄関口に小さいが堂々と浮かぶ無人島があります。
忽那の雫第71話でも書いた、泳いで渡ると危な過ぎる島だ。^o^
わたしが小さい頃には、地元の人らもよくこの無人島に渡り、岩場をうろつく様子が松山観光港あたりから見えていた。
観光港の桟橋から4〜500メートルほどはあるだろうか?
そしてその後ろには興居島がドーンと浮かんでいる←浮いてはいないだろ?( ̄∇ ̄)
この島を地元の人はスクモと呼んでいて、わたしも正式な名前が九十九島だなんて知ったのは後になってから。^ - ^
スクモの周囲の流れは速く、2〜4ノットもあり、泳いで渡るには子供なりの計算が必要だった。
高浜から出発するには、左に流れる引き潮を利用するので、流れの強さを見て右へ右へと移動して出発地点を決める。
計算が狂うと遥か南へ流されてしまい、島には着けない(°▽°)
わたしたちが島に渡る目的は、あるものを潜って獲るためなので、いつもこの引き潮に乗って行くことになる。^ - ^
何も考えずにただ島に渡るために満ち潮時に行ったら、白石の鼻を超えて堀江あたりまで流されるにちがいない。
だから流れを計算して泳いでスクモまでたどり着けるようになったら、一人前の子供になれたわけだ。←一人前の子供ってどんなんだ?ε=ε=ε=ε=ε=ε=┌(; ̄◇ ̄)┘
子供のわたしを騙す気はなかっただろうが、スクモへ行くというと大人たちは、あそこには一眼の水中メガネよりもデカいアワビがおるとか、紫水晶のデカい塊があるとか、伝説の怪鳥の卵があるとか、いろんな話をでっち上げた。^ - ^
だがいざ行ってみると、島のまわりは魚の宝庫で、ちょっと水中を覗くとデッカい真鯛やチヌなんかがうろつくのが見えるんです。(゚∀゚)
特に深い島の南側には鯛・チヌ・アイナメの見たこともないようなデカいヤツ。
島の北側にはメバルの塊がいつもいる岩の棲家。
そして島の周囲全体にアワビやサザエ。
草木の少ない登頂部には危な過ぎて行かなかったが、登れる範囲をくまなく探ると、怪鳥かはわからないが、産みたての卵がたくさん入った巣が沢山あった。
気になっていた紫水晶も、小さなものだが見つけることができた。
なんと大人たちは、からかっていたわけじゃなく、自分らが見て体験した話をしてくれていたのである。(^。^)
魅力たっぷりのスクモ^ - ^
今も変わらず観光港から見ることが出来るが、最近ちょっと毛が←木がだろ! 生えてきてる気もする。^o^
今考えると、昔のように子供が泳いで渡ったりしたらちょっとした事件になるかもと思ったりする。
もちろん大人がやってもダメですよ、保安庁がすぐにやって来て連れてかれますよ。(^-^)
そういう時代があったという話しです。(o^^o)