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忽那の雫第50話 メバル釣りの島で強盗?

松山の沖合い約10キロのところに浮かぶ中島へ、メバルの夜釣りに出かけたときのことでした。^ - ^

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夕暮れ時からお気に入りのハトで竿を出し、ワーム(ゴム製の擬似餌)をエサにけっこう楽しく釣りをしていたんです。^ - ^

深夜の一時を回ったころ、波止の付け根の方から誰か来る気配がしました。

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振り向くと老婆らしき人影がこちらへ近づいて来るんです。(・∀・)

地元のばあちゃんなんだろうけど、時間が時間だけにちょっと気味が悪い。

怖いので時々振り向き見てたんですが、途中一ヶ所ある常夜灯の真下に来たとき、後ろ手に組んでいるらしいばあちゃんの手元にキラリと光るものが見えたんですよ。(°▽°)

包丁?(^.^)

わたしは、しわくちゃな顔でニコリともせず近づいてくるばあちゃんを見てそう思ったんです。

やっ、やられる!!←やられる覚えはないが^ - ^

それでもやせ我慢をして竿を振っていると、ばあちゃんが来て、兄ちゃん釣れるかえ〜?っと言う。

うん、小さいのがポツポツとねーなんて、お決まりの文句を返しながら手元を見たら、持っていたのは古い懐中電灯でした。←内心ホッとした^o^

兄ちゃんエサは何かぇとたずねるので、ワームだと言ってもわかるまいし、めんどうなのでバックの中のワーム入れを指差して、これだと言いました。

たまたまワームケースの上に、食べかけの横綱あられを置いていたのですが、まあ勝手に見るだろうと思い、そのまま竿を振っていた。

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ばあちゃんは遠慮なしにバックをまさぐっている。上にあったアラレを片手にとり、その下のワームケースを出して見ながら、アレー、ありゃ〜、ホーなどと、一人で感心していました。

しばらくすると、兄ちゃんいっぱい釣って帰り〜と声をかけてくれ、わたしも後ろを向いたまま、ハイ、おやすみなさいと挨拶をしたのだが、ふと気になりばあちゃんの背中を見送った。^ ^

トボトボ歩くばあちゃんだったが、その手にはもともと持っていた懐中電灯に加え、わたしの横綱アラレが握られていたんです。

あっ!ばあちゃんソレわたしの、、。っと心の中では叫んだが、聞こえるはずもないよね。^ - ^

夜の釣りは気持ちも口も淋しいので、この横綱アラレは一人のわたしを癒やしてくれていたんです。

こんのババー!ドロボー!←ウソです、帰って食べてね^ - ^

わたしはやっぱり心の中で叫びました。^o^

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