忽那の雫第106話 釣りキチは人知れず練習する(笑)
ある年、真鯛のノッコミを迎えたわたしのホームグラウンドではあちこちで大鯛情報が飛び交い、真鯛ファンは雨にもめげず、連日連夜、記録ものの真鯛に夢をはせていました。
その日わたしも、仕事を速攻でかたずけて、リールの糸を新しいものに巻き替えながら、デカい鯛とのやり取りをイメージしていました。^ - ^
アタリが出てから魚を取り込むまでを、しっかりとイメージすることができれば、その日釣れる確率はグーンと上がるんです。^o^
何度も何度もそうやって釣りをしてきたので、わたしの釣りは準備の段階からすでに始まっています。
みなさんもそうですよね?(^_-)
よく耳にするのは、大きなアタリが出てあわてる人のこと。
そういう人は、まさか魚が食いつくとは思っていないからビックリするんです。
前日とか、家を出る前にタップリとイメージトレーニングしてから釣りにのぞめば案外うまくいくもの。
その上で、何度も何度も大物とのやりとりを体験すれば、達人へと一歩一歩前進します。^ - ^
そして最後の玉入れなどは、失敗して魚をバラさないよう、一人で釣行するときでもいざとなってあわてないように、玉網を置いておく位置や、自分が魚とやりとりをする位置などをあらかじめ決めておかないといけません。
この日わたしが決めていた釣り場は、松山空港の先端付近。
かなり歩かないと行けません。
投げ釣りの重い荷物をかついで、ときにはテトラの上をピョンピョン飛びながら進みます。
そして肩で息をしながら先端付近まで行くと、向こうの方で誰かが今マサに玉網を入れようとしているとこでした。
おっ!
何が食わせたな?
早足で近づいてみると、なんと知り合いのY君でした。
ん?
よく見ると、玉網は海面まで達しておらず、空中で何やら赤いものが風に舞っています。
Y君何やっとるの?
わたしがたずねると、Y君は照れ臭そうに、あっいや〜!
マズイ所見られちゃいました〜って。(・∀・)
実はボク自分で玉入れしたことないんで練習してたんですよ〜って、あわてて玉網を引っ込めようとしましたが、左手で持った竿の下には、小さなカサゴが虚しくぶら下がりクルクルと回っていました。
Y君、玉入れは海面でやらなきゃダメよー、相手は鳥じゃないんやからねーとからかいながら←他人のことが言えるのか?(°▽°) 急いで通り過ぎたわたしなのですが、真剣に練習していたY君を思うと、あまりの可笑しさで目に涙があふれ、ボヤけて見える足元に突き出たボルトに足をとられ、前のめりに転び、危うく海へダイブするとこでした。( ̄▽ ̄)
冷や汗をかきながら起き上がり振り向くと、目に涙をいっぱいためて、笑いたいのを必死でこらえてるY君がいました。(笑)
お互いが目に涙をためて空港の先端で見つめ合うオッサンが二人、気色が悪い。
周りにひとが居ないことを幸せに思った二人でした←情けない( ̄∇ ̄)