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忽那の雫第205話 興居島の釣り場で命を賭けたバッティング!

もうかれこれ30年はたったはずだが、当時は興居島へ投げ釣りに行くことが多く、島の裏側へカレイを狙いに行くことがよくあった。

今は島をぐるっと回る道がだいぶん出来ていて、ほとんどの場所へ車やバイクを使って行ける。

だが昔のカレイ釣りはなかなか甘くはなかった(・∀・)

島の裏側は砂浜と岩場が交互にあるだけの何の変化もない景色。

慣れた人でないと、自分がどこに居るのかすら分からないような所でした。


険しい山の獣道をたどりながら海に辿り着き、やっとの思いで竿を出したあとのいっぷくは至福の時間でした。^o^

あるとき、ワタシは仲間のKさんと北浦の浜でカレイを狙ってました。100メートルくらい間をあけて釣り座を構えました。


釣りも中盤になったころ、昼メシを一緒に食べようと思い、Kさんが居る場所へ近づいたんです。

少し前からKさん、何かを振り回して遊んでいるようだったので、当たりがないから退屈なのかなと思ってました。

近づくほどに何やら殺気みたいなものが感じられ、Kさんの顔が何年ぶりかの緊張感に包まれているのが感じられたのだ!←いつもダラけた人間みたいに言うのはよせ!(・∀・)

そしてふつうに会話できる距離まで来てワタシはたずねました。

Kさんなにしてるん?
するとKさん、少しも動きを止めず、しゅうぼ←そう呼ばれていた( ̄∇ ̄)
何してるどころじゃないんよ)^o^(


さっきから蜂が寄ってきてあつかましいから、殺したら次から次に来るんよ!
なんて言う。

ワタシは直感的に、そ、それはイカン!
この人ピンチに陥っとる、と思った( ̄∀ ̄)

冷静にもう一度Kさんを見ると、小さな子供が持ってるようなプラスチックのバットを振り回している。

その辺を細かに見たら、数匹のスズメバチが倒れている。
まだ動いているものもあったので気づいた。


これだけ見てワタシはだいたい全てを悟ったのだが、一応聞いてみました。

Kさん、アンタ蜂に何をしたの?(°▽°)

Kさんは、あまりのアタリの無さ人退屈になり、浜で拾ったオモチャのバットを振り回していたのだと言う。

すると一匹のスズメバチが通りかかり、チャーンスっ思いバットをフルスイングしたのだそう。←蜂が通るとチャンスなのか?( ̄∇ ̄)

バットのスイングをまともに受けて、スズメバチはのたうち回っている。

するとしばらくしてまた一匹来たのだそうだ。^ - ^
Kさんは面白くなり調子に乗って数匹を仕留めたらしい。

それを聞いてワタシは背筋が寒くなった。( ̄∇ ̄)


Kさん、スズメバチってね、死ぬ前にフェロモン出して仲間にSOS出してるのって知ってる?
って聞いてみた。^ - ^

Kさんは、ワシは蜂🐝じゃないからわからんって言う。^ - ^

こ、これはイカン!←説明する時間は無い!( ・∇・)

Kさん、もうええからとにかくここを離れよう。
今日は釣りをやめて帰ろうとせかした。(°▽°)

まったく当たりのないままだったKさんはすんなり納得して、速攻で道具を片付けて帰りました。

片付けててる最中にも、ブーンという不気味な羽音がして、その度にKさんはバットを振り回していました。

島の海岸にはスズメバチが多く、カレイの時期になっても活発に飛んでいる。

蜂は攻撃されると匂いを出して仲間に知らせるし、毒の中にも匂いがあり、殺したりすると確実に次の選手が登場するのだ。←選手が登場って( ̄∀ ̄)


スズメバチは釣り場にとても多い生き物。^ - ^

逃げ場のない所で、群れに襲われたら命の危険もあるのだ。^ - ^

スズメバチを無闇に攻撃しないようくれぐれも注意してくださいね。(o^^o)

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