忽那の雫第517話 はじめの記憶2 (初の連続にドキドキ)
ヒデと二人、タカサブという洋品店の前にたっていた。^o^
早よ行けや、ワシはヒデをせかした。
ヒデは、おばさ〜ん!と、ひしゃげた声を全開にして声をかけたら、何がいるん?っと、奥からオバさんが現れた。
ハリある〜?
何釣るん?と聞くオバさんにヒデはフナ釣るんよと答えると、ほなこれでええナと、何やら薬のような紙包を出した。
え?
アレにハリが入っとるのかと、初めての体験にワシの心はちょっと踊った。
オバさんの前には引き出しのある台があり、そこにいろんなもんが入っているようだ。^ - ^
ワシはヒデのリードを許さず、半歩前に出てオバさんナマリもあるん?
て聞いてみた。
オバさんはすぐに引き出しを開けて噛み潰しのナマリを数え出した。
ハリも指で数えながら5本くらいをくれた。^o^
ふーん、釣り具はここに売っとったのかと、初めての買い物に満足した。^ - ^
帰り道ヒデに糸はあるんか?と、すっかり親分気取りで聞くと、(ヒデくんは同級生)( ・∇・)
糸や釣り具は池に上がる道に隠しとると言う。
よっしゃ!ほな行こうと、何やら音楽の聴こえる地元の町をヒデと二人は意気揚々と歩いた。
ツッチャラチャッチャ ツラチャッちゃー
祭りだ松山荒神輿〜 もってーこーい もってーこい!
そんなふうに聴こえるが、釣りのことで頭がイッパイの二人のアーポ(アンポンタン)の耳には微かにしか聞こえていない。
実はこの日、松山の地方祭が盛大に行われ、町中が熱気につつまれていた。
そんな中、ワシとヒデは公園よこの小径を山へ向かって歩いている。
公園で遊んでいたヒロくんにも声をかけると、行く行くと言ってついて来た。
その代わり、今日からワシの言うことを聞けよと、訳のわからない条件を出すと、わかった、今日からしゅうちゃんの言う通りにすると言う。(°▽°)←なんで?( ̄∇ ̄)
こうしてワシは二人の子分を従えて山道を歩いた。
ヒデが木の付け根にある草むらに手を突っ込み何か紙の袋を取り出した。
中には糸と細かなモノが少々入っていた。
糸にはギンサカナと書いていて、ワシだけでなく、ヒデもヒロもギンサカナと言っている。←偏しか読んでない( ̄∇ ̄)
その時ヒデが言った。
あっ、しゅうちゃん、竿忘れた^ - ^
公園まで引き返さなイカン!
なんでや〜お前が取ってこい!と言いながらほっぺたをヒネジッてやった。
竿はさっきの公園よこのお屋敷の竹藪から貰うのだ。(・∀・)←もらうんじゃないだろ!ヽ( ̄д ̄;)ノ=3=3=3
ったく( ̄∀ ̄)
余計に5分くらい歩かされてから言われたので腹が立ったのだ。←いったい誰のためにヒデくんは居るんだ?ヽ( ̄д ̄;)ノ=3=3=3
そして、竹を取ってきたヒデとヒロが帰ってきた。←アンタはヒロまで行かせたのか?(°▽°)
二人はハーハー言いながら竿を差し出し、ヒデが竿の先に糸を結び始めた。
ワシがやると言って、自分の分は結んだ。^o^
こんな感じだった。^ - ^
一重結びでは不安なので、三回も四回も重ねて結んだ。←回数の問題ではないヽ( ̄д ̄;)ノ=3=3=3
竿先から伸びた糸には枯れた笹の茎を裂いて挟み、コレをウキにした。
その下に噛み潰しのナマリを一個付けてハリを結べば完成だ。
コレでワシの初めての釣りの道具の完成形だ。^ - ^
ハリも竿先と同じく、念入りに何回も結び重ねた。
ハリを結ぶのは少々難しく、口をゆがめながら集中仕切った。←初めての集中( ・∇・)
前歯で余った糸をハリの近くでギリギリと噛んで切るのだが、出来た時の達成感は今も忘れない。
凄まじい結びコブに守られたハリを竿の尻に刺して、改めて出発〜(^◇^)
行きしの畑に入り込んで、ワラをどかして土を掘るとやがてデッカいミミズが現れた。
臭い臭いと、ミミズを触った手を嗅ぎながら騒々しく池に着いた。
しゅうちゃんの初竿出しだ。(^O^)
この時たぶん7才くらい。
買ったハリとナマリ、取って来させた竹さお、ヒデが持ってた糸で、やっと池に仕掛けをたらせることに興奮して、忘れられない釣り初体験となった。^ - ^
また次回がある、、かも( ̄∇ ̄)