忽那の雫第47話 足の生えたアカエイが釣れた!
その年は海の王者マダイの当たり年で、どこに行っても獲物にありつけるという、数年に一度の幸せな年でした。^ - ^
釣行毎にクーラーの中には必ず大きな真鯛が横たわり、帰宅するとすぐに、あっちこっち魚を配って回っては、お返しに米や石けん、ジュースやタオルなんかを貰い、物々交換を家の者は楽しんでいるようでした。
ある日うちの者が、マダイはもう今年はたんまり食べた、きのうスーパーの魚売り場で見た切り身のアカエイがやけに美味そうに見えたが、アレは釣れないのかと言う。^ - ^
あぁ、アカエイね、釣れるよ。( ◠‿◠ )ありゃマダイ釣りの外道やからね。
そんなことから、次の釣行は大型のアカエイがよく釣れるとこを選び、ハリキッてでかけました。^ ^
投げ釣りで三本の竿を投入して、釣友と竿先を眺めていると、真ん中に立てていた竿がゆっくりと大きくおじぎをはじめた。^ - ^
よ〜っしゃ、来たー^ - ^
ジリジリと大型のスピニングリールのドラグは滑り始め、魚がしっかりと食い込んだことを教えてくれた。
わたしはギュッとドラグを締めて一度大きく合わせを入れました。
ズシンとたしかな手応えで、うんうんアカエイにちがいない!
そう確信してガンガンにリールを巻きました。
そして流れも手伝い、グングンと締め込んできます。こ、これはデカいよ〜!!( ̄∇ ̄)
釣友も固唾を呑んで見守る中、わたしは力対力のやり取りを十分に堪能しました。
やがて力糸の結び目が見え始め、魚はもうそこまで来ていた。
釣友に玉網をお願いし、最後の締め込みもなんのその!
力まかせに浮かせにかかると、何やら黒い影が見え出した。アレ? 何だコレ?
浮いてきたのは黒いゴミ袋で、しかも一か所が破けて何か垂れている。( ・∇・)
よ〜く見たわたしの目は点になってしまいましたよ。
破けて垂れてたのは、犬の後ろ足(°▽°)
長い釣り人生で、犬を釣ったのは流石に初めてでした。(*^^*)
潮の流れが速いのと、袋に海水が入ってるのとで重いのなんの( ̄▽ ̄)
それにしても、海に犬を捨てるな!馬鹿やろー!って、釣友の手前テレを隠したわたしでした。(o^^o)