見出し画像

【2025.01.13】成人式で思い出すこと。

こんばんは。syusyuyanです。
今日は「成人の日」各地で「二十歳の集い」
と言われる、いわゆる成人式が開かれたそうですね。

私の「成人式」は数年前の成人の日の前日の日曜日に開かれました。地元のホールで開かれた成人式で、私は新調したスーツを着て、友人の車で会場へ向かいました。会場に到着すると、懐かしの顔がたくさんで話がとっても盛り上がってしまいホールに入る前に式典が終わってしまいました笑
一応、参加した。ってことでいいんですかね笑

さて、この「成人式」であることを私は思い出すんです。実話です。綴っていきます。

         👞👞

成人式の日、俺はある人に会えるかワクワクしていた。ある人とは小中の同級生の女の子の「もも」である。「もも」とは家が近所で同じ小学校に入学した同級生。色白で、背が高くて目が大きくて高い鼻。パッと見、外国人かな?と思うくらい日本人離れした美人な子だった。幼い頃、気弱な俺とは真逆で男子たちにも立ち向かっていく姿、スポーツも勉強も学年トップクラス、そんなももに憧れというか、好きというか、尊敬というか、そんな感情を抱いていた。学校で馴染めない時もよく一緒にいてくれた。休み時間に男の子たちと外で遊ぶことがとても苦手だった俺、ももは教室で俺と一緒におしゃべりをして休み時間を過ごしてくれた。たわいもない話をしながら一緒に家にも帰って、一緒にも遊んだ。

中学生になると、他の小学校から来た男子にモテていたもも。俺はやきもちを焼いていたからか、ももと同じ運動部に入った。毎日ももをみれるし
ももとも喋れるし、最高だと思って入った。だが、思春期になって「男女が話すこと」について、恥ずかしく感じることがあり、学年が上がるにつれて、部活中でも学校生活でも、ももと話す回数が年々少なくなっていった。

中学卒業後、ももは地元の名門女子校に進学した。「ももちゃんすごいよねー頭いいし、運動できるし」よく俺の母親が言っていた。俺は地元から少し離れた高校に進学して、通学路も被ることはなかったから、ももとは中学卒業以来会っていなかった。

「成人式に行けばももとも会えるだろう」そう思って成人式に参加したのも理由の一つだった。

中学時代の男友達の車に乗って会場まで向かう。
「ねね!ももってきょう来るかな??なんか聞いてる??俺連絡先も知らないんだよね」車内で俺が言った。すると「いやーー、もも来ないだろあいつは。てか、お前知らないの?ももの話」友達がそう言った。俺は何も知らなかった。ももに何があったのか。

会場に到着し、会場前で喋って成人式が終わった。(どんだけ喋ってたんだよ)
いろんな友人と会って「お!久しぶりじゃん!今何やってんの??」こんな会話をしていたが
会場でももを見かけることはなかった。
その後、同窓会が開かれるため、また友人の車に乗って会場の地元のホテルに向かった。

同窓会は、中学時代の恩師を囲んでの立食パーティーだった。懐かしい面々と、まだ慣れないお酒を飲みながら歓談した。そこにも、ももの姿はなかった。悲しかった。2時間近く経った後、当時末端冷え性が酷かった俺に激しい腹痛が襲ってきた。おそらく冷えからくるものだと思う。会場の隅で椅子を並べて横たわっていた。せめて、ももには会いたい、、、。中学時代にももと仲よかった女子に「もも来るの?」と聞いてみた。すると「あ、もも来るよそろそろ。てか、平気なん腹痛」女子は言った。「え!ももが来る!まじで!ももに会いたい」俺はそう思ったが暖めてもひどくなっていくばかり、ついに限界に達してしまい友人の車で泣く泣く家に帰った。

帰りの車中「ももに会えなくて残念だね」友人は言った。その友人は俺がももと仲良くしていたことをよく知っていた。「そういえばさ、お前が知らなかったももの話なんだけど、」そう言って友人は運転しながらももの話を始めた。

中学卒業後、高校に進んだももは卒業式の日、髪を短くして、指定のセーラー服ではなく学ランとスラックスを身につけて、式に参加したとのことだった。まだ制服の選択制が今よりも本格的に始まる前の時代、田舎の女子校でただひとりそんな姿だったらしい。高校の教職員が理由を尋ねても答えることはなかった。その後、都内の女子大に進学した彼女、地元の仲の良い友人数人に「心と体の性が一致しないこと」をカミングアウトしたらしく、そこから噂が立ったということだった。
腹痛に襲われながらそんな話を聞いた。なんだかとても悲しくなった。ももは俺と同じように自分の性について、昔から疑問に思っていたのかな。何かできることはあったんじゃないのかな。話を聞けたんじゃないのかなと。車の後部座席で横になりながら、頭の中でずっとモヤモヤぐるぐるしていた。噂を立てた友人たちに対しても腹が立った。

車は俺の家の前に停車して、友人の車から降りて実家の玄関を開けた。「どう、ももちゃんに会えた??」母はそう言ったが「会えなかった。お腹痛いからもう寝る」といい寝室のベッドに入った。ももに会いたかった。ももとたくさん話がしたかった、悩みを共感したかった。

俺はずっとももに会えていない。
いつか会えたらいいな。昔と姿が違くてもいいよ

syusyuyan

いいなと思ったら応援しよう!