恐竜とヴンダーカンマーの魅力
先日、バンダイから「プラノサウルス」シリーズとして、ティラノサウルスとトリケラトプスが発売された。
部屋でユリ、ビオラ、ガジュマルといった植物を育てている身としては、トリケラトプスを買うのも悪くないなと思ったけれど、やはりビジュアル的な面でティラノを買うことに。
「ジャイアント・インパクト」と呼ばれる巨大隕石(小惑星)衝突以前から、恐竜は生存競争が過酷となっていた。
この時期、植物は様々な進化を遂げた。
スギのように大きく、花粉を大量に出すものや、種を持つものも誕生。あるいは、葉に毒性を持たせたり、堅くすることで、草食恐竜が一度の食事で栄養を摂取できないようにした。
なので、草食恐竜は牛の反芻のような食事法をとったり、あるいは首を長くすることで、高い木の葉を食べるように。
そうすると次に、被子植物が誕生。種を守るようになったのである。これを受けて、首を伸ばすのではなく、牙を強くしたのがトリケラトプスなのである。
話を現代に戻す。
実は「プラノサウルス」より前から、バンダイには恐竜の骨格標本プラモデルが発売されていた。「1/32 Imaginary Skeleton ティラノサウルス」。
前者、つまり僕が買ったのがだいたい1400円程に対して、後者(先に売られていた方)は4000円。
なので買わずにこれまできたのだが、運よく安く新発売され、現在、飾るに至った。
もう一つ、プラモサウルスの良いところは、骨格標本だけでなく、肉付けもできることだ。それもティラノの場合、通常バージョンと羽毛バージョンが最初から入っている。
それ故に、こういった飾り方もできる。
若干わかりづらいかもしれないが、半分は肉付けし、もう半分(見えている方)を骨格のままにしておくという、人体標本のような方法が可能なのだ。
僕のコレクションの多くは、模型として実際の構造を把握するという目的と、もう一つ、自分史として他者にも提示可能であることを重視している。
写真下部には写っていないものの、一つのショーケースを置いている。ここには別段、高価なものを入れているのではなく、関連性を持たせる。
言い換えれば文脈を作り出すことで、今回は詳しくは紹介しないけども、その展示品・内容物から「幼少期からの科学への憧れ」を表している(つもり)。
これがコレクター部屋ではなく、啓蒙の時代に貴族が行い、それが元型として近代的書斎と博物館という二派へ分岐した「驚異の部屋」的コレクションとなるのだ。
プラモデルは様々な技巧を施すことで、確かにその人ならではの出来に仕上げることができる。
しかし、多くの場合、コレクターの持つものは、資金と関心があれば、いかに高価でも理論上、誰でも手に入れることができる。
王侯貴族のコレクションとしてではなく、科学的・オカルト的・キリスト教的世界観を、その持ち手である貴族が趣向を凝らして一室設けたのがヴンダーカンマーであるように、同じコレクション、もしくは自身のものより遥かに希少なモノであるにせよ、文脈を同一にすることは不可能なのだ。
ここがヴンダーカンマーの魅力にして、意義である。
僕は人文系の本が多いので、このように科学への憧れを置くことで、視野を広げることができる。それに例えば学生時代に理系科目に対して、点数として「錯覚させられた」苦手意識も打ち消す効果もあるはずだ。
日本では昨今、博物館法関連の改正を通して「観光施設化」している。そして、展示とは畢竟、保存の対をなす行為でもある。
展示とは単に有しているものを並べるだけではない。
僕は休日の多くを本やモノの整理に使うことがある。
単に管理しているのではなく、文脈を強めている、すなわち、思い出に浸り、あるいは新たに別の方向・分野を見いだし進める、自己対話でもある。
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