エリーザベト胸像にドキドキした話
先日、神戸・北野異人館へ行ってきた。
前回訪れた際は、「英国館」が主目的だった。二階が「ベイカー街221b」、すなわちシャーロック・ホームズたちが住んでいた部屋を再現してあるのだ。
だが昨年、何の気なしにドイツ語をかじったことで、ドイツかぶれとはいかないまでも、関心の高い国・文化となったのは確かで、今回はドイツ系の館へ行くことを計画。
あらかじめ、僕が訪問した4館を列挙しておく。なお、一応最初の3館は同じグループなので、おそらく一軒だけ、というのも可能だとは思うが、僕はそのように案内されず、三館共通券となる「パスポート」を購入することに。
1と4がドイツ圏。
植物や花も好きなので、チューリップバブルで知られるオランダもそれなりに興味はあった。
デンマークは、展示は基本的にヴァイキングについて。けれど、作家・アンデルセンも扱われていて、今年観た新作アニメ映画『バブル』が、現代版「人魚姫」ということもあって、やはり訪れるべき場所だったのかなと、なにか運命的なものを感じた。
ちなみに、④でポストカードをゲット。
オーストリアの家では、モーツァルトにまつわる展示が多く、クラシック好きとしてもやはり第一に訪れたい場所だった。
しかし、その日その時その瞬間、そしてまた今もなお最も印象に残っているものこそ、タイトルにある、皇妃エリーザベトの胸像なのだ。
エリーザベト・フォン・エスターライヒは、オーストリア=ハンガリー帝国の皇帝(兼ハンガリー国王)フランツ・ヨーゼフ1世の皇后。
日本でも演劇等で有名なようだが、実は僕はかの御方についてほぼ皆無の知識。BGMとして流れているモーツァルトの曲に浸りながら、二階に置かれてあったその胸像はとても美しく驚いた。文字通り美化された、そして絵画と違って無機質な石でしかないはずなのに。
相手は身分も国も時代も現存在も異なった相手。
ピグマリオン・コンプレックスか、と複雑な自問すら巻き起こったほどの強烈な美貌。案外否定できないことを、既に分析済みだ。
でも自室を振り返れば美少女フィギュアが幾人か並んでいて、やはり僕にとってさほど妙な心理状態でもないらしい。
先頃、NHK出版から『人形と人間のあいだ』という書籍が出版された。菊地浩平さんという方が番組講座として放送していたもののようだ。まだ読了していないものの、今回の「小旅行」にて抱いた感傷を読み解く材料になるかもしれない。
ポケモンやガンプラなど、にんぎょう・ひとがたが多く部屋にある僕にとって。それと、エリーザベトに関する書籍も読もう。精神的結びつきというものもまた、きっと存在する。それがプラトニック・ラブかは分からないが。
追記:読了ツイート