100年の孤独/放哉に想う〈Vol.28〉 格子の外の大空も
公園のベンチに腰掛けていますと、親しげに寄ってくる鳩がいたり、突然ベンチに飛来してくる雀がいます。そんな動作から、ここで餌をやる人がいるのだと気づかされます。
家の近くの広場にも、日が傾き出したころに初老の男性がやってきてタバコをぷかりとやりながら、缶チューハイ片手に鳩や雀にパンくずをあげている光景を目にします。ちょっと侘しい感がなくはないのですが、生き物との触れ合いに、ある種ぬくもりを感じているのでしょう。
この句は社会人として生きた時代の放哉の苦悩を詠んでいるのでしょうか。
とり籠は会社。餌は報酬。死んだ小鳥は……というように。
しかし、格子の外の大空も安穏ではありませんでした。