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TCGプレイヤーに贈る ロジカルシンキング
みなさんロジカルシンキングご存知でしょうか?耳にしたことはあってもよくわからん、使ったことないって方が多いと思います。この記事を書いている私こと秋夕も全てを理解していると豪語できるほどの知識や経験は持ち合わせておりません。
「なんだ素人の戯言か」と思った方、少しお待ちを。確かにご指摘は正しい。私も素人同然、まだまだ学ぶことは多くあると自負しております。しかし、素人に毛が生えたような私でも思考の質を向上を感じ、成果も出ていると断言できます。つまり、ロジカルシンキングって意外に簡単ですぐ実践できるってことが言いたいのです。
せっかくTCGという知的な趣味を持っている私達です。その思考遊びにより深みを持たせてみましょう。新しい気づきに出会える喜びを今一度体験してみてください。
*追記 TCGプレイヤー向けに書いています。しかし、私がマジックザギャザリングのプレイヤーなので、具体例はマジックのカードメインになってしまいます。ご了承ください。
ロジカルシンキングとは
そもそもこいつが何なのか。私は手段、ツール、フレームワークが主な要素だと捉えています。もっと概念的な話かと思ってる方は多いのではないでしょうか。実はめっちゃ簡単。
もちろん、このツールにも理論がありますし、よりよい方法やツールそのものの弱点や強みを整理するためには深い理解が必要でしょう。しかし、そこに我々TCGプレイヤーが労力をかけるのはナンセンスです。もっと時間をかけるべきところはその先にあるわけですから。
具体的な手順
では早速いきましょう。今回はメタデッキを対策する方法を考える想定で話を進めます。大まかに次の5つに分けられます。
達成目標を設定
達成目標を構成する要素に分解
各要素に対して解決策を立案
解決策をより具体化
具体をまとめる
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私の例を取り上げてみます。
これは私が使用するデッキで特定のデッキに勝つために分析した図です。ざっと手順を当てはめるとこんな感じ。
5cに勝つという目標の設定
どのように勝つのか(早く殴るなど)要素を分解
TCG的概念(カウンターなど)まで落とし込む
それぞれを実行できるカードを列挙
具体の傾向を見て結論をだす
この手順の合間に繋がりが強そうなところを線で結んだり、気づきをメモしてみたりしているわけです。やり方を整理してみると意外にシンプルだと思います。これだけで自分も他人も納得できる結論が得られるわけです。
究極この手順だけでも十分なのですが、私が各手順でポイントと思うところも次からまとめていきます。
1.達成目標を設定する
この手順のポイントは具体的に絞った目標を設定することです。
つまり、漠然と「勝率を上げる」と設定するのではなく「○○に対する勝率を上げる」という設定することです。理由はシンプルです。目標の抽象度の高さに比例して分析の量が膨大になるからです。
先ほど私は5cという一つのアーキタイプに勝つことを目標に設定しました。これだけに絞ってもあのスライド1枚書くことがありました。
では、勝率を上げたいと設定した場合はどうでしょうか。一つのアーキタイプだけでもそこそこ量があるのに全てやるのは骨が折れます。それに他の構成要素もあることでしょう。結局何かを得る前に頓挫してしまう可能性が高くなるのです。
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2.達成目標を構成する要素に分解
ここでのポイントは2つです。
前提条件の整理
抽象度が高いものはさらに分解
1つ目、例としてはアーキタイプの長所短所を整理しているところが該当します。他の候補としては使うデッキの特性を洗い出すとかですね。
これを行うことで分解の精度の向上が見込めます。ブレスト的に思いつくものはガンガン出していきましょう。些細なもので構いません。このデッキはこのカードが強い!っていう感じでもOKです。
2つ目の抽象度に関してです。例えばデッキの安定感が高いという要素を上げたとしましょう。安定感と言ってもいくつかの種類があります。ドローが大量に入っており一つの試合でアクセスできるカードの枚数が多いタイプ(ex.イゼットフェニックス)。似たような役割のカードが多くデッキのどこを切り取っても同じ効果を期待できるタイプ(ex.バーン)
このように同じ結果をもたらす構築だとしてもそこに至る過程や要因が違うことがあります。ここを正確に把握するためにも普段使いしている言葉や概念に対してなぜそうなるのか問いただしてみる作業、つまりは抽象度が高いものをより具体的に分解することをお勧めします。
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3. 各要素に対して解決策を立案
ここでのポイントは質より量です。有効だと思うことを並べましょう。並べた後に先ほどまでの手順と結びつきの強いものだけ選定していく方が網羅的かつ効率的に解決案を出すことができます。
また普段のプレイで気にかけていることを挙げるのもよいです。実際この場に並べてみて、各要素と結びつけばそれは分析に基づく正しいプレイだったと確信に変わりますし、何も結びつかないときは考えを改めるきっかけになると思います。いづれにせよ今後のプレイに+に働くと考えます。
4.解決策を具体化
ここまでくれば概ね完成といえます。手順3までで作り上げたものを実現できるカードを当てはめていきましょう。
ここでのポイントは具体にも順序をつけることです。私の場合は付箋の色を使って整理しています
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順序をつける際に理由も言語化できるのであればより良いです。わかりきった理由であれば書く必要はないですが書くことをおすすめします。このポイントを抑えることでどのカードを採用するべきかすぐにわかります。
上の例を取りあげます。
カウンターの具体として4つのカードを挙げていますが、「ドビンの拒否権」が他のカウンターより評価が低いのは生物呪文を対象に取れないからです。具体的にはニヴを消せないのが問題点。
低コストの具体で緑と青の違いは1マナか2マナかという点で違います。
5.具体をまとめる
最終的に出力されるのがこの手順になります。私の場合は結論とデッキリストという形になっています。
ポイントは共通点や根拠を結びつけることです。こちらをご覧ください
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最終的な結論を書いてあるところに線が色々引かれています。これはこの結論に至る理由となる要素が結ばれています。その要素は手順2で分析したデッキの特徴であったり、手順3で分析した解決策であったりします。このように今までの分析を俯瞰した視点で眺めることでよりマクロな視点での分析が可能になります。
最後に
今回紹介した一例に過ぎません。これが絶対正しいものでもありません。ですのでこれを参考に様々な目的、前提、手段に合わせて調整してほしいと思います。
最初は公式に変数を当てはめるように使っていくでもよいと思います。そうやって使っていくうちに新たな発見や改善策を見出し、よりよいものになっていくと私は考えております。
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