青白スピリット備忘録#10【パイオニア】
注意事項
この記事は私のmtgのスピリットに関する事柄を整理し保管するために書く記録である。そのため、蛇足等を多く含むと予想される。また、根拠の多くを自身の経験を頼りにしていること、私の考えの整理が第一の目的であることをご了承いただきたい。以上のことに同意できない場合はブラウザバックを推奨。
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デッキデータ
フォーマット:パイオニア 2019/10/23よりMOに実装
禁止カード *2023/12/4最終改定
2019/11/4
・守護フェリダー/Felidar Guardian
・豊穣の力線/Leyline of Abundance
・(ニッサの誓い/Oath of Nissa 2020/7/13 解禁)
2019/11/12
・夏の帳/Veil of Summer
2019/12/3
・むかしむかし/Once Upon a Time
・死者の原野/Field of the Dead
・(密輸人の回転翼機/Smuggler's Copter 2023/12/4 解禁)
2019/12/16
・王冠泥棒、オーコ/Oko, Thief of Crowns
・運命のきずな/Nexus of Fate
2020/8/3
・真実を覆すもの/Inverter of Truth
・隠された手、ケシス/Kethis, the Hidden Hand
・歩行バリスタ/Walking Ballista
・死の国からの脱出/Underworld Breach
2021/2/15
・欄干のスパイ/Balustrade Spy
・時を解す者、テフェリー/Teferi, Time Raveler
・地底街の密告人/Undercity Informer
・自然の怒りのタイタン、ウーロ/Uro, Titan of Nature's Wrath
・荒野の再生/Wilderness Reclamation
2022/3/6
・夢の巣のルールス/Lurrus of the Dream-Den
2022/6/7
・軍団のまとめ役、ウィノータ/Winota, Joiner of Forces
・表現の反復/Expressive Iteration
2023/12/4
・大いなる創造者、カーン/Karn, the Great Creator
・地質鑑定士/Geological Appraiser
デッキ名:青白スピリット
デッキリスト *2023/12/15
クリーチャー/Creatures (24)
4 霊廟の放浪者/Mausoleum Wanderer
4 幽体の船乗り/Spectral Sailor
4 鎖鳴らし/Rattlechains
4 至高の幻影/Supreme Phantom
4 呪文捕らえ/Spell Queller
4 スカイクレイブの亡霊/Skyclave Apparition
スペル/Spells (12)
3 高尚な否定/Lofty Denial
2 密輸人の回転翼機/Smuggler's Copter
4 地底のスクーナー船/Subterranean Schooner
3 放浪皇/The Wandering Emperor
土地/Lands (24)
4 神聖なる泉/Hallowed Fountain
3 連門の小道/Hengegate Pathway
3 アダーカー荒原/Adarkar Wastes
4 金属海の沿岸/Seachrome Coast
2 不穏な投錨地/Restless Anchorage
1 天上都市、大田原/Otawara, Soaring City
1 皇国の地、永岩城/Eiganjo, Seat of the Empire
1 島/Island
1 平地/plains
4 変わり谷/Mutavault
サイドボード/Sideboard (15)
3 ポータブル・ホール/Portable Hole
3 侵襲手術/Invasive Surgery
3 安らかなる眠り/Rest in Peace
2 残骸の漂着/Settle the Wreckage
2 ゴバカーンへの侵攻/Invasion of Gobakhan
2 黄昏+払暁/Dusk+Dawn
デッキコンセプト
全てに勝てるジャンク型スピリット
デッキの歩み
*興味ない方は読まない推奨
ファイナルも終わり一段落ついた12月、皆さんご存じ禁止改定があった。地質鑑定士は予想していた方は多いと思うがその他2枚は全く予想外であったと思う。カーンの禁止、コプターの解禁だ。
常滑で負け組になってしまった発見コンボは最速3t目だけお咎め。その影響を一番受けたであろう緑単信心には公式からとどめの一撃。信心に見切りをつけるには十分な理由だろう。そしてアグロからミッドレンジまで採用できる優秀機体のコプターの解禁。これを使わない手はないと思い調整に入った。
コプターを採用するにあたって一番気になるのは地底のスクーナー船との比較だろう。青いスピリットは無色のコプターはもちろん、スクーナー船も乗りこなす権利がある。機体というカードの性質上枠には限りがあるわけだ。
色々やってみて最初にたどり着いた結論は機体の枠は6枚までということだ。スクーナー船+ゴバカーンのリストを回して薄々思っていたが、クリーチャーの生存を前提にしたカードはこのラインがギリギリということだ。これは執着的探訪を見てもわかる。探訪は依存度、リスク共にバトルや機体より高い。ゆえに2種類目が収録されたが実際のリストに採用され浸透していない。機体はまだましだがクリーチャー依存であることは間違いない。だから枚数には慎重になる必要があった。
ではコプターとスクーナー船、どのような配分で採用するのが良いのか。ゴバカーンの枠はあるのか。これらについて考えた現状の結論はこう。
・ゴバカーンはサイド
・スクーナー船が優位、コプターと4:2で採用
まずはゴバカーンについて。このカードは非常に気に入っていたがサイドに落とすことにした。理由は以下の3点。
・除去デッキに対して後攻2t目除去を躱す動きは機体で可能
・対コントロールは強い、対アグロは弱いとはっきりとした性能
・機体2種はアグロに採用できるドローソースとして貴重
ゴバカーンを採用した理由として単体性能と除去構えの相手に対して後手2t目の動きとして優秀という2点が大きい。もちろん裏表共にスピリットにかみ合った素晴らしいカードだ。しかし、このカードの性能は刺さる相手が結構偏っている。特にアグロ相手は強さを実感できない。ラクドスや青白コンにはめちゃくちゃ強いのだがやはりムラを感じるカードであった。
つまり、単体性能、後手の動きという要点を満たしており、どのマッチアップに対してもアベレージが高い機体に枠を譲ろうという結論に至ったのだ。ゴバカーンにはコントロール相手にサメ台風を抜くお仕事を頑張ってもらおうと思う。
機体の採用枚数について。スクーナー船を4枚、コプターを2枚採用することにした。どちらも非常に優秀だがこのようになった理由はスクーナー船はハンドが増え搭乗員のサイズが上がるからである。サイズが上がるのは良しとしてハンドが増えると言っても土地しか増えない。しかし、今回のリストでは投錨地2枚、変わり谷4枚、魂力2枚とリソースに変換できる土地が過去最多採用されている。土地の詳細は後述するが、スピリットというデッキはスクーナー船を活かす土地基盤にすることが可能だ。対してコプターは墓地利用とのかみ合いがよいのだがスピリットではそのようなデッキは組めない。さらに言えば地上戦最強の緑単信心いなくなったので2マナ3/4のスタッツは戦闘で非常に心強い。飛行もメリットは十分あるが以前の環境より価値は低くなったと感じている。
そして機体の採用、土地枚数増加の肯定により3マナ、4マナ域の枚数を増やしても良いということになり、スカイクレイブの亡霊のメイン4枚や放浪皇の3枚目を採用することができた。ジャンク度合やパーマネント対処に磨きがかかり、環境にあった素晴らしいデッキになったと思う。
フェニックスに勝つためには
ラクドスに勝つためにジャンク戦術を採用し成果を上げてきている。しかし、フェニックスは非常に厚い壁だ。ここからは対フェニックスについての考察を述べていきたい。
フェニックスの強いところ復習編
まずフェニックスの何がきついのか。はっきりさせておこう。
・実質0マナ3/2飛行のブロッカーが際限なく現れること
・帳簿裂きも非常に厄介なこと
・キーカードである宝船の巡航を打ち消すのが難しいこと
・デッキの再現性が高くミッドレンジ特有のかみ合わせの悪さに付け込めないこと
ラクドスミッドは勝てるのにフェニックスには勝てない理由を並べてみた。一つずつみていこう。
やはり孤光のフェニックスが強い。ブロックできないフェニックスも多いなかこいつはちゃんとブロッカーとして立てられる。数はそろってきたら攻勢に回ればいいだけで柔軟性もバッチリだ。基本的に貧弱ボディのスピリットでは不利交換にしかならない。
次に帳簿裂きというカード。飛行で無限にサイズがあがるので出されるだけで厳しい。氷の中の存在であればバウンスでこと足りたが帳簿裂きは意味が薄い。それに加えてこちらの2アクションにも誘発するのでメンタルダメージというかプレイが難しくなる原因でもある。あんまり気にしてもしょうがないと思うのだが裏目を気にしすぎて変なプレイにならないようにしたい。
フェニックスのリソースは巡航に頼り切りであり、依存度が非常に高いゆえカウンターの当てどころとして最適なのだが実際に打ち消すのは難しい。まず1マナで軽すぎる点。スピリットのメインに採用しているのカウンターは悉くソフトカウンターであるため5t目くらいに1マナで撃たれるとまず通ってしまう。さらにスピリット側になにかしら飛行生物が残っている必要もあるため、除去連打の中ではカウンターの強さを発揮できない。さらに8マナで呪文捕らえも当たらない点。探査とか版図とかコスト軽減されるでかい呪文に対して呪文捕らえは無力。まあもし仮に対象内だったとしても除去から守る必要があるのであんまり関係なかったり。
最後にデッキの再現性が高い点。これはパイオニアにおけるフェニックスにしかないメリットだろう。普通のデッキであれば引けた引けないの運が大きく絡むがこのデッキにはそれがない。ラクドスが後手で生物ばかり引いて呪文捕らえがぶっ刺さることはあるが、フェニックスが除去を引かない状況はあり得ないと言っていい。ドローを大量にプレイする以上プレイヤーの練度が非常に重要だが、それに応えてくれるいいデッキだと思う。
ここまでフェニックスについてべた褒めしてきたが残念ながら私はこのデッキを使う側ではなく乗り越える側なので、その方法を全力で考えていく。
現状のメインとの相性差
メインを戦って亡霊のおかげで帳簿裂きイージーウィンを防ぐことができると感じた。帳簿裂きが残ったフェニックスの回り方は言うまでもないがそれはもうすごい。そんなフルパワーフェニックスには100回やっても勝てない。その可能性がかなり減ったという印象。むしろ先攻を取って、船、亡霊と動くことができれば拾えるマッチも増えたと思う。フェニックスも一度追放してしまえば4/4バニラに変えることができる。こちらも無事では済まないが無限の飛行ブロッカーより全然良い。しかし、ある程度勝ち筋が見えてきてはいるがメイン不利は覆らない。3割勝てればラッキーかな。幸い、フェニックス戦におけるポイント、サイドカードをつかめたのでそれを書いていく。
サイド後のプラン
なんの変哲もなくて恐縮だが一番は安らかなる眠りを張ることだ。未認可霊柩車も試したが削剥や兄弟仲の戦争といった対策カードがある。サイドカードを引き込めたからには圧倒的な影響力を持ってほしいと思いRIP一択にしている。
問題はRIPというカード、2枚目以降は完全に腐る。RIPを3枚引いて負けましたみたい話は悲しくてやってられない。そもそも4枚までしか入れられない都合上毎回初手に引くには厳しい。そこでなんとかならないかと探した結果、侵襲手術というカウンターに行きついた。
侵襲手術という謎カウンターはこれだ。
なぜこのカウンターが最適か、理由は以下の3点。
・1マナで軽い
・確定カウンター
・打ち消したいのはソーサリー
カードに書いてあること抜き出したみたいな理由だが大真面目である。フェニックスの強みの点で述べたことを思い出してほしいのだが1つ目2つ目のフェニックスと帳簿裂きが強い点。この点は亡霊や放浪皇、サイドからはポータブルホールも併せてある程度なら対処可能になっている。この点でメインにも勝ち筋が生まれたと前述した。つまり、宝船の巡航を許さなければ同じ土俵に引きずり込むことができるのでは?と考えた。
ではそのカウンターとして一番相応しいものを探した結果、1マナで構え続けることが負担になりずらい侵襲手術が採用に至ったわけある。インスタントを消したい場面はないのか考えてみたが、ジャンク型にとって1:1交換は全く問題なく、放浪皇やミシュランの枚数的にいつかこちらが上回るだろう。さらにサイド後はソーサリーの消したい呪文も増えてくる。青黒の場合なら思考囲いを消すのも容易い。RIPと重ねて引いても仕事ができる。クリーチャーを追放できるなら巡航を止めるのが一番なのだ。
入れ替えカードについて
in
3 ポータブル・ホール
3 安らかなる眠り
3 侵襲手術
out
3 高尚な否定
2 密輸人の回転翼機
4 霊廟の放浪者
カウンターとして力不足な高尚な否定は特に言うことはなし。そのまま侵襲手術に入れ替える。残りのサイドカードの枠を捻出する時に気を付けたのはクリーチャーの枚数を減らしすぎないか。どれくらい仕事を果たせるかの2点だ。その観点からまずコプターが抜けた。イゼフェニの場合はタフネス4が優秀かつ土地を引っ張ってこれるスクーナー船は残したい。放浪皇も抜けないのでクリーチャーに手をつけるしかない。一番仕事できないのは霊廟という結論になった。理想的な動きで相手を詰ませる性能が高い一方1:1交換の連続を想定するとただの1/1飛行になってしまう。一方同じ1マナの幽体の船乗りは5マナで出せば1ドローできるし生き残れば優秀なドローソースになるだろう。よって私はこの入れ替えを行っている。
補足 青黒フェニックスについて
最近イゼフェニに有利なフェニックスとして青黒フェニックスが台頭している。スピリット的にはイゼフェニのより相手しやすい。これは間違いないだろう。理由は以下の3点。
・除去のテンポが悪い
・一押しが弱い
・ライフが減りやすい
2マナの除去を採用している以上どうしてもテンポが悪い。さらに一押しが紛争を達成できないので呪文捕らえに当たらない。これが非常に大きい。相手の土地が残り1枚になったら呪文捕らえを積極的に投げていける。スカイクレイブの亡霊は構えられると出た瞬間に除去されるが十分仕事はした後だ。なにも問題はないだろう。
このようにイゼフェニより相手しやすいくサイドプランも全く同じで問題ない。イゼフェニより流行ることを願うばかりだ。
土地基盤について
今回スクーナー船、および機体を最大限生かすために変わり谷を4枚、不穏な投錨地2枚を含む24枚になっている。青ダブルや白ダブルが3t目に要求されるのに無色土地を大量に入れてよいのかという疑問については問題ないと先に書いておきたい。ここからは頓智のような話になるので納得できないこともあると思うが参考になればと思う。
まずそもそも色要求をクリアできるのかという点だがこの土地基盤には青マナ18枚、白マナ18枚入っている。そして、この記事によると確率的に3t目に2枚引きたい場合は16枚以上が必要になる。
”超簡単にマナベース計算できちゃう早見表を作ってみた”
つまり、デッキに採用しているカードを問題なくプレイするには十分な数の色マナが採用されていると言える。
このデッキは無色2枚含む土地22枚+土地としておける生物2枚の土地基盤だと捉えるのが良いと思う。捉え方で何が変わるんだという話だがキープ基準に影響すると考えている。例えば初手土地3枚のうち2枚が変わり谷だったとしよう。実質的に土地2枚とスペルが5枚のハンドだと考えた方がよい。そのうえで残りのスペルや相手と相談してキープするか判断するのをお勧めする。
この点を理解した上で使用すれば非常に快適かつ強力な土地基盤になったと思う。ミシュランが6枚も取れるのがまず強い。しかもどちらも高性能なミシュランだ。変わり谷は殴ってよし搭乗してよしの小回りが利く点が素晴らしい。投錨地は青白カラーを供給しつつ2/3飛行で地図トークンを生み出し更なるアドバンテージを取りに行ける。魂力土地は意外と使えるので侮れない。是非ともスクーナー船と合わせて使用してみてほしい。
その他のサイドカードについて
・残骸の漂着 2枚
ボロス招集に勝つにはやはり必要だなと思い2枚。見せた後は、放浪皇構えと全く差がないので相手のプレイミスも誘発できるのが美味しい。
・ゴバカーンへの侵攻 2枚
汎用カウンターと迷ったがこちらが攻めるマッチアップにおいてハンデスは非常に有効。情報アドバンテージを得つつ強力な妨害と打点アップが狙えるこちらがよいと判断。サメ台風対策になるのが素晴らしい。
・黄昏+払暁 2枚
土地が増え、様々な要因で持久戦にさらに強くなったことで採用できるようになったラクドス最終兵器(スピリット専用)。前々から使いたかったが土地伸びない時間稼げないの2重苦で生かしきれず断念。しかし、そこを改善した今でいれば超強力。寓話関連のクリーチャー以外すべてパワー3以上で構成されるラクドスにぶっ刺さる。払暁まで唱えることができれば勝ちが決定するだろう。残念ながらボロス招集には入らないが白単人間やグルールアグロにも同じくらい効果抜群。アグロに勝てなくて悩んでいるならぜひ試してほしい。
最後に
読んでいただいた方ありがとうございました。4年間やってついに備忘録も10本目になりました。ここまで続いたのはmtgについで長いかも?なにはともあれ考えることが好きでその成果の共有の場がすぐ目の前にある環境というのは非常に恵まれているなと思います。さらにこうして読んでくれる方がいて反応をもらえるのは恵まれすぎてるようですね(笑)。本当にありがとうございます。これからもスピリットを握り続けていくと思いますので是非とも一緒に楽しんでいきましょう。
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