見出し画像

CTO、やめました

CTO、やめました。

7年間PoliPoli でCTOを務めてきましたが、事業フェーズの進化に伴い、海外展開、官民共創事業のグロース、バックオフィスの強化といった、新たな領域に注力することを決めました。エンジニアリング業務の最前線から一歩離れることを決断し、いわゆる「CTO卒業」をする運びとなりました。

本記事では、これまでのCTOとしての歩みや学びを振り返りつつ、なぜ私が「エンジニアリングから離れる」選択をしたのか、そしてこれからのPoliPoliでの挑戦についてお話ししたいと思います。参考として「二代目CTOを探しています」「CTO卒業しました:共同創業者 倉田・伊藤が求めるPoliPoliのCTO」からも得た学びを交えながら、お伝えしていきます。



1. CTOを辞める理由 〜事業フェーズに合わせた役割シフト〜

エンジニアリングを超えた事業ニーズの高まり

PoliPoliは、創業当初から「政治・行政と国民が政策を共創するためのプラットフォームをつくる。」というビジョンのもと、テクノロジーを活用しながら事業を拡大してきました。特に初期段階では、プロダクトの開発・運用・改善が中心課題であり、CTOとしてエンジニアリングの舵取りを全力で進めてきました。


PoliPoliのサービス相関図

しかし、ユーザー数やサービスラインナップが増加するにつれ、今度は海外への展開や、民間企業と行政機関をつなぐ官民共創事業の成長が急務となりました。また、組織が拡大することで、従来のバックオフィス体制ではカバーしきれない業務も増えています。
こうした新しい領域を支えるためには、より経営や各部門との連携、外部パートナーとの交渉が必要となり、エンジニアリングを超えた総合的なマネジメント力が求められるようになりました。この変化を受け、私自身がCTOの立場から離れ、事業全体の強化に注力することがベストだと感じたのです。


2. CTOとしての学びと振り返り

2-1. 創業初期〜成長期の怒涛のエンジニアリング

2018年PoliPoli立ち上げ時は、エンジニアとして手を動かしながら、アーキテクチャの検討やインフラ構築、アジャイルな開発体制づくりなど、「何でもやる」姿勢が求められました。「二代目CTOを探しています」の記事にもあるように、スタートアップ初期はスピード感が何より重要です。私も必要最小限の機能を全力で作り込み、ユーザーの反応を見ながら試行錯誤を繰り返しました。

2-2. 組織とプロダクトの拡張

事業が徐々に軌道に乗り始めると、採用やチームビルディング、エンジニアリングカルチャーの醸成が大きなテーマになります。
CTO卒業しました:共同創業者 倉田・伊藤が求めるPoliPoliのCTO」にもあるように、PoliPoliが目指すビジョンを実現するうえで、エンジニアリングだけではなく、あらゆる利害関係者との調整力が不可欠となりました。私自身も政治家や行政関係者とのやりとりをする機会が増え、エンジニアから見える世界とは異なる「社会課題」のリアルを痛感しました。


3. これからのPoliPoliと私の役割

3-1. 海外展開への挑戦

サービスの成長とともに、海外への展開は自然な流れでした。政治・行政の仕組みは国ごとに異なり、グローバルでの調整や法規制の確認といった、新しいハードルが待ち受けています。それらをクリアしながら、PoliPoliのビジョンを世界へ届けるためには、エンジニアリングの枠を超えた調整や、国際的なパートナーシップの構築が重要です。
私自身がCTOとして技術を推進するよりも、海外パートナーとの連携やプロジェクト全体のマネジメントに時間を割くことで、より大きな価値を生み出せると感じています。


3-2. 官民共創事業のグロース

PoliPoliは、政治家や行政と連携しながらプロジェクトを進める「官民共創」のスタイルで社会課題の解決に取り組んできました。今後はその領域をさらに拡大させ、多様なステークホルダーとの協業を強化していきます。
ここでは、技術的な知見よりも、むしろ政策立案や予算管理、各種法規制との調整といった多角的なアプローチが必要不可欠。私はこれまでCTOとして関わりながら学んできた「現場の実情」を活かして、より広い視野で事業をドライブしていきたいと考えています。

3-3. バックオフィス強化と組織基盤づくり

急成長するスタートアップにおいて、バックオフィスの強化は常に後回しになりがちですが、組織が持続的に成長するための基盤として欠かせない領域です。人事・経理・総務などの機能を整備し、円滑に回る仕組みを作り上げることが、より大きな事業展開を可能にします。
私自身がエンジニア組織から距離を置き、このバックオフィス面の最適化をリードしながら、PoliPoli全体のオペレーション品質を高めていく。これこそが、今必要とされている役割だと痛感しています。


4. 次のCTOに期待すること&アドバイス

4-1. テクノロジーの可能性を広げるリーダーシップ

これからのPoliPoliにおいては、AIやブロックチェーンなどの先端技術活用も視野に入れながら、サービスをさらに革新していく必要があります。そんな未来のテクノロジーを牽引してくれる、技術への強い探究心経営視点を兼ね備えたリーダーシップを期待しています。

(新規プロダクトも開発中です!(完成イメージ)

4-2. チームとカルチャーを育てる

スタートアップのCTOは、自ら開発をリードするだけでなく、メンバーが最大限のパフォーマンスを発揮できる環境づくりに責任を持つことが大事だと痛感しています。忙しさの中でも、1on1やコードレビュー、定期的な技術共有の場をきちんと設計・運用し、健全なエンジニアリングカルチャーを築いていってほしいと願っています。


5. おわりに

PoliPoliでCTOとして走り続けてきた7年間は、私にとってかけがえのない経験でした。エンジニアリングを軸にした事業の創造から拡大、そして組織づくり――その全ての過程で得た学びは、今後の海外展開、官民共創事業のグロース、そしてバックオフィス強化という新たなチャレンジにも活きると確信しています。

「CTOを降りる」という言葉は、単に技術から距離を置くことを意味しません。むしろ、PoliPoliがより大きく社会へインパクトを与えるために、自分がどこに最も価値を出せるかを模索し、役割をシフトするという前向きな意思決定です。
もちろん、エンジニアとしての視点や経験は今後も活かしつつ、国内外問わず、さまざまなパートナーや仲間を巻き込みながら、私たちのビジョンを広げていきたいと思っています。
PoliPoliはこれからも、政治・行政・国民をテクノロジーでつなぎ、社会をアップデートする挑戦を続けます。その最前線には、次のCTOをはじめとした技術リーダーたちが必要です。もし私たちのビジョンやミッションに共感し、一緒に新しい未来を作りたいと思っていただけるなら、ぜひお声がけください。

私自身もCTO卒業後の新たなミッションを追いつつ、引き続きPoliPoliの成長にコミットしていきます。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

CTO、やめました。 しかし、私たちの挑戦はこれからが本番です。次のフェーズでの挑戦を楽しみにしています。

採用情報


いいなと思ったら応援しよう!