書くことがない時あるある
新幹線で浜松から新大阪までは1時間くらいある。浜松駅を通過時「よし、新大阪に着くまでにnoteの記事書こう」と思った。
まずノルウェイの森(下)を読み始めた。今、気になる本を通販で頼んでる途中で、ちょうどストックがない。こういう時、無意識に本棚から適当な村上春樹の文庫を抜き取りがちだ。
これは僕だけなのか分からないが、一度読んだ本は初見ほど集中して読めない。同じ本を何度も読むことは楽だけど、前進してない感じが常にあって、それがつっかえた気分にさせ、モチベーションが上がらない。それでもノルウェイの森(下)の、京都から帰った後の東京生活の描写はスラスラと入ってくる。名古屋を過ぎてもまだ読んでいた。
日曜の夕方の新幹線は混んでいて、隣にはイタリア人の巨大なカップルが座っていた。巨大というのは、両方とも組んだ脚が大きく長く、自分の貧弱な脚と比較すると巨人みたい見えたから。イタリア語はわからないけど、新幹線が停電で止まった時、「何が起きた?」「横の人に聞いてみたら?」「いや……」みたいな会話をしていることはなんとなく分かった。窓際に彼女が座っていて、僕の隣に彼氏が座っていた。彼女はずっとペイパーバックを読んでいて、彼氏はスマホで動画を見ていた。時々彼氏が彼女に「これ面白くない?」と話しかけていた。
名古屋を過ぎてから京都までは本を読んだり、「芥川賞のすべて」を閲覧したり、noteの記事の書き出しを書いては消してを繰り返していた。京都でイタリアのカップルが降りて、座席スペースが広くなった。去り際に彼氏の方と目があったが、テニスのジョコビッチにそっくりだった。
この記事を100文字ほど書いた時、新大阪到着前のアナウンスがなった。フォークを聴く気分だったので、まだ未開拓の「ふきのとう」のファーストアルバムを再生ーーー