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文藝春秋3月特別号 購入 

生まれて文藝春秋を買った。総合誌自体買うのは初めて。

なぜ買ったかというと、「ブラックボックス」が単行本より安く買えること、それに読みたい小説がない限りまず文藝春秋を買うことなんてないという後押しもあった。ブラックボックスの感想についてはまた今度。

ソフトカバーで小説を読んでみてまず思ったのが「字がでかい」だ。普段文庫でしか読まないので、その読みやすさにびっくりしている。開放感があって、スイスイ読める。まあこれは文体のせいかもしれないが。電車の隣の人がつい目を惹かれるくらいの存在感だ。並行して講談社文庫も読んでいるが、ページを開くたびに目をしかめなきゃいけない。

次に、紙の質感が心地良い。つい読みながらつまんでそのザラザラを楽しんでしまう。匂いも湿っぽい新聞紙みたいで新鮮である。文庫だと薄くて、色ももっと白い。一方、ソフトカバーは柔らかくて親密な感じがする。


僕はふと思った。なんで日本はソフトカバーの小説を出さないんだ?

海外はむしろ全部ソフトカバーのイメージだ。だから海外の本はみんな分厚くて、でかい。紀伊国屋の洋書コーナーに行くとよく思う。でかいし、カラフルで、インパクトがある。

日本の文庫でいうと大体300ページくらいからだ。単行本だと200ページ程のもあるが、100とかになると印刷の都合上できないのだろう。確かに150ページくらいの単行本を触ると、ページの太さより表紙の厚紙の方が太い。英語の方が一文が長いから、短編だったとしてもそれなりの量になるのか?だとしても、日本の500ページ程の長編ならソフトカバーにしてもそれなりに様になるはずだ。僕は好きな本のソフトカバー版が出るなら3000円までなら喜んで払う。


あと、文藝春秋の内容について。これを買う若者はそういないだろう。将来、65歳くらいになれば買っても良いかもしれない。でも、同じ総合誌なら週刊誌でも良い。あっちは肩の力が抜けて、あくまでエンタメとして楽しめる。この文藝春秋、面白そうな目次もないではないが、自発的に買うには分が悪すぎる。今回みたいな芥川賞受賞作掲載とか選評とかがあれば手元に欲しいが、他の大抵は図書館の立ち読みで済む。僕が毎月買いたくなる文藝春秋は、頭から尻まで全部「芥川賞作家インタビュー」か、「ヌーベルバーグ映画全シナリオ集」か、「千駄ヶ谷ピーターキャットの常連客 当時を語る」であって、コロナもロシアウクライナもオリンピックもリニアも、知って損はないが1100円払うほどじゃない。でもそれなら総合誌にならない。じゃあ、誰が文藝春秋を買ってるんだ?





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