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吉祥寺の古本よみた屋
今日、仕事の取材で吉祥寺に行った。吉祥寺に行くのは2年ぶり。2年前は武蔵関に住んでいたので、週末によく吉祥寺に出かけた。
今日、取材で吉祥寺に行ったのだが、歩いていると古書店を見つけた。古本よみた屋。
吉祥寺に住んでいた頃は古書店に興味がなかったので、全然行かなかった。でも晶文社の「今日の文学」シリーズを知ってから、古書店に興味が出た。通りかかった古書店に今日の文学が置いてたら、すぐに買ってやるためだ。巡り合わせの思い出、という意味でも、古書店で本を買うのは特別な意味がある。お土産みたいなもんだ。
古本よみた屋、という名前には聞き覚えがあった。日本の古書店というサイトで今日の文学を探していたとき、ここに一冊在庫があったような気がしたのだ。
店内は小さい音でクラシックがかかっていて、とても落ち着けた。文学よりも思想、哲学系の学術系が多い印象を受けた。僕の目当ての海外文学は、店内の中央にある本棚2つ分、という感じだった。
これは古書店とかレコード屋でよくある話だが、先客がそこにいると「まずい、持ってかれる」と思ってしまう。今日そこにいた客は僕と同い年くらいの、同じような格好をした若い男で、「む」と思った。僕は同世代で自分に似た人間を見るのが嫌いなのだ。そういう奴に限ってなかなか本棚の前からどいてくれない。
本棚を見てみると、今日の文学はぱっと見で無かった。背表紙が特徴的なので、それがあるかどうかは一目でわかる。粘って探したけどやっぱりない。諦めきれないので店員に聞くことにした。僕はまずこう聞いた。
「最近で今日の文学っていう本、売れました?」
店員はレシートの保管帳を確認してくれた。それでも分からなさそうだったので、店長?にわざわさ聞いてくれた。
店長はパソコンで検索してくれた。「今日の文学ってのはないなぁ……タイトルは分かる?」
タイトルは覚えていなかった。ただ今日の文学のどれか一冊があったきがする、というだけなのだ。
店長は笑って「タイトルも分からない本を探すっていうのはねぇ……今日の文学だけじゃヒットしないなぁ」
本を探してくれている時、店長はニヤニヤして楽しそうだった。多分、僕みたいに「この本置いてますか?」と、古い本を探しに来る客が好きなんだろう。というか、店長自体がそういう青春時代を過ごしたのだろう。結局本はなかったが、僕はこういう趣味の共有みたいのがすごい嬉しく、必要以上にでかい声で「すんません、ありがとうございました!」と言ってしまった。
その後日高屋で昼飯を食べた。
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