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伝染性紅斑(りんご病)とは?

伝染性紅斑(りんご病)は、ヒトパルボウイルスB19(Human Parvovirus B19:PB19)によって引き起こされるウイルス感染症で、主に子どもに発症します。頬が赤くなる特徴的な発疹が現れることから、「りんご病」とも呼ばれます。5類感染症に指定されており、定点把握の対象となります。幼児や学童期に好発し、幼稚園や保育園、学校で流行することが多い病気です。

症状
・約半数の症例に感冒様症状が、発疹出現に先行してみられます。
・両頬が赤くなる「平手打ち様紅斑」が現れ、その1~2日後、腕や脚、体幹にレース網状の皮疹が広がります。頬が赤くなるため、りんご病とも呼ばれます。発疹は軽い痒みを伴い、約1週間程度で消えていきます。
・軽度の発熱が見られることがありますが、高熱になることはまれで、全身状態は良好です。
・全身症状:倦怠感、頭痛、筋肉痛など、風邪に似た症状が現れることがあります。

感染経路
・飛沫感染:咳やくしゃみを介してウイルスが広がります。
・接触感染:感染者との密接な接触によっても感染する可能性があります。

潜伏期間
・感染から発症までの潜伏期間は通常7〜14日です。

診断
・ほとんど臨床所見に基づいて診断されます。
・必要に応じて血液検査でウイルス抗体(特異的IgM抗体)を検出することもあります。
・PCR法でウイルスDNAの確認が行われることもありますが、発症時点で、すでにウイルスが消退していることが多いようです。

治療
特異的な治療法はなく、対症療法が中心です。多くの場合、症状は軽度で自然に回復します。

予後
・比較的良好です。
・発疹が出現する頃には感染力が低下しているため、通常は登園・登校の制限は不要です。

予防
・現在、伝染性紅斑に対する有効なワクチンはありません。
・感染予防策:手洗いやマスクの着用など、一般的な感染予防策が有効です。

注意!!
・妊娠中の女性が感染すると、胎児に貧血や胎児水腫を引き起こす可能性があります。妊婦は感染者との接触を避けるよう注意が必要です。
・免疫機能が低下している人では、重症化するリスクが高まります。

まとめ
伝染性紅斑は一般的に軽症で済むことが多いですが、特定の人々にとっては重大な合併症を引き起こす可能性があります。基本的な感染予防策を徹底し、症状がひどい場合は医療機関を受診してください。


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