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院内感染対策について

院内感染の基本
・定義 : 院内感染とは、患者が入院中または医療施設を利用中に新たに感染した感染症を指す。
・原因 : 病原体(細菌、ウイルス、真菌など)が医療従事者、患者、来訪者などを通じて伝播すること。

感染経路
1. 接触感染
  ・直接接触感染 : 感染者の皮膚や粘膜に直接触れることで伝播。
  ・間接接触感染 : 汚染された器具、環境表面、手指を介して伝播。
2. 飛沫感染
  ・感染者の咳やくしゃみ、会話などにより飛沫を介して伝播。
3. 空気感染
  ・病原体が空気中に浮遊し、遠くまで伝播(結核、麻疹、風疹など)。
4. 経口感染
  ・汚染された食品や水を介して伝播。
5. ベクター感染
  ・蚊やダニなどの媒介動物を通じて伝播。

感染対策の基本原則
1. 標準予防策(Standard Precautions)
  ・すべての患者に対して適用。
  ・手指衛生、個人防護具(手袋、マスク、ゴーグル、ガウン)の使用。
  ・血液、体液、分泌物、排泄物、粘膜、損傷した皮膚との接触を避ける。
2. 感染経路別予防策
  ・接触予防策 : 個室への隔離、専用器具の使用、環境消毒。
  ・飛沫予防策 : マスクの着用、患者と距離を取る(1~2メートル)。
  ・空気予防策 : エアロゾル隔離室の使用、N95マスクの着用。

手指衛生
・手洗い : 石鹸と流水で20秒以上洗浄。
・アルコール消毒 : アルコールベースの手指消毒剤を使用。

個人防護具(PPE)
・手袋 : 皮膚の保護。
・ガウン : 衣服の汚染防止。
・マスク : 飛沫感染の防止。
・ゴーグルまたはフェイスシールド : 目、顔の保護。

環境管理
・清掃と消毒 : 病室、医療器具の定期的な清掃と消毒。
・廃棄物管理 : 感染性廃棄物の適切な処理。
・リネン管理 : 使用済みリネンの適切な取り扱いと洗浄。

抗菌薬の適正使用
・適切な抗菌薬の選択と使用、耐性菌の発生防止。

健康管理と教育
・医療従事者の健康管理 : ワクチン接種、定期健康診断。
・患者教育 : 手指衛生の徹底、咳エチケットの指導。

リスクアセスメントとモニタリング
・感染状況の監視 : 院内感染発生状況の定期的な監視と報告。
・リスクアセスメント : 感染リスクの評価と対策の実施。

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