恋愛できない。そもそも恋愛の仕方がわからない。

私は現在20歳で、1か月後には21歳になるが、
一度も恋愛をしたことが無い。
女性とお付き合いしたこともないし、
デートしたこともないし、
口づけを交わしたこともない。

人を好きになったことが無いわけではない。
小学校や中学校では、
クラスの女子を好きなったことは何度かある。
だが、付き合おう、好きになってもらおうとアプローチをしたことは一度もない。
自分から話しかけに行くことさえしなかった。
授業のグループワークなどで喋る機会があったらラッキー、という程度。
「今日もあのコとグループいっしょだったらいいな~~」と思うだけ。

私は何も分からない。
人はどのようにして恋をして、
どのように段階を踏んでデートに誘い、街へ繰り出し、食事会をし、交際に至るのか。
また、どのようにして別れるのか。
どのようにして結婚し、子供を持ち、生命を繋いでいくのか。

まず、どこで出会うのだろう。
私は大学生だが、理系なので、同じ学部に女子は非常に少ない。
大学で出会いを求めることは難しい。
女子が多い学部もあるが、なかなか接点がない。
「学園祭などに参加すれば交流できるのでは?」と思う方々もいらっしゃるかもしれない。
中学や高校の文化祭の準備でクラスメイトや上級生と関わったことはあるが、恋愛に発展することはなかった。
中学では、文化祭のスローガンのアイデアをとにかくたくさん出してほしいと言われ、何も思いつかなかったので、東京03の歴代の単独ライブのタイトルの中からスローガンになりそうなものを列挙し、
「これ、東京03のライブのタイトルなんだけど、スローガンに良いかなと思って」などと言い、学級委員と担任をポカンとさせた。
私は文化祭などでアイデアを出すことには向いていない。


そのとき提案したスローガン候補のひとつ「あるがままの君でいないで」。
あるがままの自分でいるのはでなく、文化祭で一皮むけよう、的なことだと捉えれば、スローガンになりうると当時は思ったのだ。

高校では、クラス展示のミニゲームで、
「ゲームのルールとか展示の世界観をいちいちお客さんに説明すると大変だから、ちょっとした芝居とルール説明の動画を撮って編集して見てもらうことにしよう」という話になったが、
私ひとりだけ、
「文化祭というのは、ハイテクな技術に頼らず、ダンボールと紙とペンだけで作り上げることに意味があるんだ!そんな編集した映像とか見せられたら冷める!アナログなもので作り上げるのが文化祭の魅力なんだ!ゲームのルールなんて、毎回口頭で説明すればいい!」と力説し、動画作成に断固反対し、一部の生徒からの好感度が下がった。
文化祭当日、いっしょに展示やアトラクションを見て回るような友達がいなかったので、展示リーダーに頼んで「丸1日店番やらせてください。僕、展示見て回るような友達いなくて暇なんです」とお願いし、1日ずっと店番をさせてもらった。
ルール説明などを通じて、たくさんの生徒と会話できて楽しかったが、
各生徒との会話は数十秒程度。
そこから生まれる恋などなかった。

中学、高校の経験から考えるに、
大学の学園祭で実行委員などをしたとしても、恋が生まれる可能性は低いだろう。
恋が生まれるどころか、また人に嫌われていく一方だ。

大学で恋するのは諦めよう。

では、どこで出会うのか。

よく行く店のバイトの姉ちゃんに恋をし、通い詰め、いつか連絡先を渡す?
街を歩く可愛い女の子に声をかけてみる?
あとは、
好きなアーティストのことをSNSに書き込み、そこから出会い、
SNSでのやり取りから、ライブ前後に食事?
ライブにいっしょに行く?
就職したら、会社などで、社内恋愛?
「同僚は友達ではない。学校のクラスメイトのように仲良くなるな」という話はよく聞くし、社内恋愛はあまり良いものではない気がするが。

人との出会い方といえば、それくらいしか思い浮かばない。
(「図書館で同じ本を同時に取って恋に落ちる」なども知っているが、あまりに非現実的だ。)
みんな、どのように出会っているのだろう。


以前、こんなことをツイートしたこともある。
高校生から大学生あたりの100人を集めるのは至難の業なので断念した。

となると、僕にできそうなのは、
好きなアーティストのライブにいっしょに行くくらいだ。

以前、私はお笑いライブに行った感想などをTwitterによく投稿していた。
名古屋で開催されるライブのときは、愛知に住むお笑いファンと終演後に会ったり、ライブ前に食事に行ったこともある。
しかし、そのときは付き合うつもりもなかったし、お笑いの話や推しの話を少ししただけである。
どういう流れで推し活以外の話をして、恋愛に発展させるのか、
全く分からない。
食事しながら話していたら、
出てきた料理について喋ることができると思うかもしれないが、
「これはおいしい」「これは美味しくない」ということ以外わからない。
味について、詳しく述べることができない。

家で何かを食べているとき、母に「どう?味薄いかな?醤油もうちょい入れたほうが良い?」などと聞かれることが時々あるが、
今食べている感じ、そこそこ美味しいが、これは醤油の量がちょうどいいからなのか、醬油をたすことでより美味しくなるのか、今の時点で濃いのか、分からない。醤油をたしたらどうなるのかわからない。
そもそも、母に言われなければ、醤油が入っているということもわからなかった。

料理に何が入っているのか、
この緑色のものは何なのか、
そもそもコレは食べて良いやつなのか、わからない。

料理の話ができない。

そもそも、私はかなりの偏食なので、食事に行くのがまず難しい。
生魚が食べられないので、寿司屋に連れていかれたらおしまいだ。
旅行で海鮮が名物の土地に行ったとしても、寿司や刺身を食べに行けない。
焼肉屋に行けば、牛タンだけを食べ続ける(他も食べられないわけではないが、タレが好きじゃない)。
うどんやラーメンは好きだが、冷たい麺類は食べられない。
とんかつは大好きだが、かつ丼など丼ものは食べられない(タレで白ご飯が水浸しになるのが嫌いだ)。
食べたことのない食べ物は、何度か食べる練習をして慣らさないと食べれるようにならない。最初は一口が限界だ。食べたことのないような料理ばかり出される高級店には行くことができない。

ショッピングモールに行き、たくさん飲食店があっても、私が食べられる店は1店舗だけしかないこともある。

デートでショッピングに行くというのはよくあると思うが、
そもそも買い物しながら何の話をしたらいいのだろうか。
そして、彼女に「この服、似合うかな?」と聞かれても
答えることができない。
私は、服がわからない。
何が似合うのか、何が似合わないのか、全く分からない。
分からないので、いつも好きなアーティストの物販で買ったグッズばかり着ている。似合うとかは分からないが、「好きなアーティストのグッズだから」という理由だけで買って、普段着にしている。

数学のように、服が似合うかどうか決められる公式があればいいのに。

公式に当てはめるだけで似合うかどうか計算できればどれだけラクか。

ファッションデザイナーの父と呼ばれる、アメリカの元祖ファッションデザイナーであるジェームズ氏が提唱した
ジェームズの第3公式に代入すると、
黄色は5、赤は3などとすべての色に数値が割り当てられ、
服に使われているすべての色の数値を足し算し、自分の身長の3倍を掛け算し、体重で割り、余りが奇数なら似合う、偶数なら似合わないと判断できる

とかならどれだけ便利だろうか。

私には、ショッピングモールでの買い物デートは難しい。

私は絶叫マシンが苦手なので、遊園地デートも難しい。

映画は、あまり好きではないし、感動しないので
観た後に感想を喋るときに彼女と熱量が合わない恐れがある。
(私は映画を見ても、「作り話だしなぁ…」などと思ってしまう。)

デートはどうするべきか、全く分からない。

私はどこに行き、何をしたらいいのだろう。

ましてや、デートを重ねても、
どのようにしてセックスする流れに持っていくのかなど、全く分からない。

私は性に関する知識を得るのも遅いほうだった。
自慰行為を覚えたのは高校1年の冬だったし、
未だにアダルトビデオは1本もきちんと視聴したことが無く、
ネット上に無断転載されているものやサンプル品のようなものを
30秒くらい視聴したことが何度かあるだけだ。
1分以上観た作品は無いと思う。
私は性行為中に女性が上げる特殊な声が、好きではない。
普通に喋ってほしい。
(自分の好きな人の声なら良いのかもしれないが、知らぬ女優の変な声は聴いていられない。)
だから、アダルトビデオは観ていられない。
男性がおじさんすぎたり毛むくじゃらだと気分が悪くなるし、
芝居が下手だと感情移入が難しいし、
テキトーに飛ばしながら1分見るので限界だった。

AVをほとんど観ていないから、セックスの手順がよくわからない。
自慰の要領で行くと、脱がしてから3分もあれば終了してしまう。

どのように脱がし、どのような言葉をかけ、どのような体勢でどのようなことをし、それぞれの行程に何分費やせばいいか、性行為の講座を開いてほしい。
各地方自治体は、「ママさん教室」「子育て教室」などといった、
育児を初めて行う若い親に向けた講座が開かれているが、
子育ての講座をする前に、
なぜ子供をつくる過程である性行為の講座を開かないのだろうか。
風俗嬢かAV女優か何かに来てもらって、講座を開くべきだ。

性行為の講座を受講し、
のちに好きな人と行為をすることになったときに、
「アナタ、はじめてセックスしたのはいつなの?」
「あ、僕は、市がやってる性交渉講座受けたときの実践で、、」
「あら、講座なんか受けて。真面目さんね。アナタらしいわ~(笑)」
というような会話もあっていいと思う。

私は結婚願望がある。
子供も欲しい。だから、性行為はできるようになっておかなければならない。


先祖代々受け継がれ、母と父から受け取った生命のバトンを、
次の世代に受け渡さなければならない。
何百年、何千年と受け継がれてきた血を、魂を、ここで途絶えさせるわけにはいかない。
次の世代に繋いでいきたい。

何人かと付き合って別れて、いろいろ経験して、結婚して、子供をつくり、自分の魂を次の世代に託したい。

いつか、できるのだろうか。