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ライブを観た後、ファン同士で飲みに行きました。

私はプリンセスプリンセス(プリプリ)というバンドの大ファン。

解散しているため、ボーカルの香さんのソロ活動を追っている。

先日、香さんと光永亮太さん、FLYING KIDZというバンドの3組でのライブがあった。


イベントのポスター

このイベントは大阪で開催された。

祝日だったが大学で授業があった。

15時頃まで大学で講義を受け、終わってから近鉄特急で大阪に向かった。

開演2時間前。

大阪に到着し、まずは腹ごしらえ。

とんかつ和幸 という店に行った。
名古屋でも食べられるチェーン店だ。
人によっては「大阪来たんだから、大阪らしい店でなんか食べたらどうだ」と思うかもしれないが、
私は大阪に行ってもどこに行っても関係ない。
慣れ親しんだ味を食べたいのだ。

とんかつ和幸の「ひとくちヒレカツ御飯」

この店、何が良いかと言うと、
白飯も味噌汁も、もちろんメインのとんかつも全部美味しい。

白ご飯と味噌汁とキャベツはおかわり自由。

私はドレッシングが嫌いで、キャベツには何もかけず食べるので
何の味もなく、当然キャベツをおかわりすることはない。

だが、味噌汁はめちゃくちゃ飲む。
このお店の味噌汁は、しじみの味噌汁だ。

私はしじみの味噌汁が大好きだ。

和幸には母親と行くこともあるが、
そのときは私は味噌汁を7杯飲む。

最初に自分の分を1杯飲む。
そして、母親も飲み終わったタイミングで、2杯おかわりを頼む。

すると、私と母のもとにそれぞれ1杯ずつの味噌汁が運ばれてくる。

母は最初にトンカツといっしょに運ばれてくる1杯しか飲まないので、おかわりは2杯とも私が飲む。

この、2杯おかわりを頼むという行為を3回繰り返す。

店員の中では、母と私が4杯ずつ飲んだということになっているが、
実際には、母は1杯、私が7杯飲んでいる。

おかわり自由とは言え、とんかつも全部食べ終わっているくせに4回も5回もおかわりを頼むと、店員もかわいそうだ。

もちろん、「おかわり自由」と言っているのだから、
当然私には5回でも10回でもおかわりを頼む権利がある。

だが、店はいつも混んでいるので、店員や、待っている客のためを思って遠慮しておいてあげているのだ。

親と2人で行くときは3回のおかわりで7杯飲めるが、
今回のように1人で行くときは、7杯飲むには店員を6回呼ばなければならない。

忙しい店員のことを思って、今回は4杯にとどめておいた。


私は味噌汁を飲むだけでなく、しじみをきちんと全部食べる。

何の味もないが、絶対に食べるようにしている。

昔、多分10年くらい前だったと思うが、
テレビ番組「ホンマでっか!?TV」で、
磯野貴理子が
「どんな男性と結婚したいか?」みたいな質問(質問の内容はうろ覚え)に対して
「しじみの味噌汁のしじみを、ちゃんと食べる人」と答えていたのを
なぜかずっと覚えている。
スタジオのメンバーからは
「それだけ!?」「1番に出てくるのがソレ!?」などと
めちゃくちゃツッコまれていたが、
貴理さんのあの発言を聞いてから
私は「結婚を考える時に、しじみをちゃんと食べるかどうかを重視する人もいるんだな」と思って、毎回しじみは全部食べようと決めたのだ。

別に磯野貴理子の大ファンだったわけでもないのに何故そこまで思ったのか、
そして何故今でもあの発言を覚えているのか自分でもよく分からないが、
とにかくそういうわけで私はしじみを全部食べる。


話がだいぶ逸れたような気がするが、

とんかつを食べ、しじみをたくさん食べ、

ライブ開演40分前

会場となるBillboard Live Osakaに到着。

ビルボードライブという会場は、
食事をしながらライブが観られるという場所。

音楽に抱かれて夜を過ごす。美味しい料理とお酒を心ゆくまで愉しむ。そんな上質な都会の夜を演出するクラブ&レストラン、それが“ビルボードライブ”。100年以上の歴史を持ち、世界で最も信頼される音楽ブランドである“ビルボード”の名のもと、世界の、そして日本のトップクラスのアーティストが出演。そのパフォーマンスを堪能する至福の時間のために、一流シェフによる料理と選りすぐりのドリンク、快適なインテリアをご用意して、皆様をお待ちしております。

https://www.billboard-live.com/about/
ビルボード公式サイト「ビルボードライブについて」より

ライブハウスとかではなく、
音楽ライブが楽しめるレストランだ。
一応レストランだが、値段も張るので私はいつもジュース1杯だけを頼んで誤魔化す。

(絶対料理を頼まなければならないわけではない。ジュースしか頼まない人も結構いる。)


入り口からオシャレな雰囲気なビルボードライブ。


予約していた席に着き、ジュースを1杯もらう。

私が今回取った座席は、カジュアルシートと呼ばれるカウンター席。

ステージに近い、サービスエリアと呼ばれる席と、
会場後方とサイドにあるカジュアルシートの2種類の席がある。

香さんのソロライブであれば私はステージに近いサービスエリアを選択する。
今年の1月に香さんソロでBillboardツアーがあったが、そのときはサービスエリアで前から2列目だった。

だが、
香さんがメインではないライブのときは、遠めの席にする。
私は香さん以外の興味のないアーティストの演奏中、露骨につまらなさそうな顔をしてしまうことがあるからだ。
ワンマンライブではないので当然ファン以外も多く観に来ているわけだから、
ファン以外も楽しめるようにアーティスト側が工夫すべきであるし、
私がつまらなさそうな顔をしていたらそれは演者側の問題であるとも言えるわけで、
私が香さんを近くで観るために前列に座る権利も当然あるのだが、
それでも私はあえて遠くの席にした。

おそらく、ファン以外も楽しめるための演者側の工夫としては
代表曲を歌う、ということになる。
世代の人なら「フライングキッズもプリプリも光永さんも、懐かしい~~♪たまらないわ~」という感じで3組とも楽しめるのだろうが、
私はこのライブのターゲットとなる客層ではない。

一応、ライブを楽しむため、他のアーティストの曲も有名なものはサブスクで予習してから来ているが、
聴いたとて好きじゃない曲は全然好きじゃないし、
3組とも楽しめるという他の人に、良い席は譲ってやるのだ。


今回のライブの場合、
座席によって値段が変わることは無い。
カジュアルシートでも、ステージ近くの席でも、同じ値段。
買う時に席は選べる。
もちろん私は、香さんを近くで観たい。
でも私は、良い席をあえて他のお客さんに譲ってあげたのだ。
前の方に座っているお客さんには、
私が前列を一枠譲ったことに感謝してほしいものだ。

こうやって徳を積んでおけば、
香さんのソロライブの時に、良い座席が回ってくるんじゃないの?と思っている。


私は端のカジュアルシートを予約した。


席で開演を待っていると、

隣の席に50代のおじさん、さらにその隣に同じく50代くらいのおばさんがやってきた。

おばさんが「若いのに、プリプリ好きなの?」と話しかけてきてくださった。
私がプリプリのグッズのTシャツを着ていたので、それを見て話しかけてくださったのだ。

おばさんとおじさんは
プリプリは好きだが、代表曲を何曲か知っているだけで
ワンマンライブに来るほどのファンではないらしい。

フライングキッズも光永さんもプリプリも代表曲を数曲知っている程度だが、光永さんのラジオ番組での告知を聞いてなんとなく来てみたらしい。

「香ちゃん好き?熟女好きなん?(笑)」
「ちがいますよ~(笑)曲が好きなんですよ!」
などとおじさんとも楽しく会話をして、
おじさんが注文したタコの唐揚げをおひとついただいちゃったりして、
ライブが始まる前から楽しかった。

ライブ会場での出会い、会話、貰った唐揚げの味、全部ひっくるめてライブの思い出となる。


この日のライブで聞いたFLYING KIDZの楽曲を家で再生してみると、
あのときのライブの情景、開演前に3人で喋ったことなど
いろんなことが思い出される。

香さんの楽曲には、すでに私のいろいろな思いやストーリーが乗っかっているが、
FLYING KIDZや光永さんの歌は、ライブ前の数日間にちょっと聴いただけで、楽曲には特に私の思い出は乗っていない。

そんな彼らの曲達は、
私の中では「あの日のライブで聴いた曲」という位置づけになり、
家で再生してみると、
「ビルボード、行ったなぁ…」と思い出すのだ。

あの日のライブの中では、
FLYING KIDZの「風の吹き抜ける場所へ」という曲が結構気に入った。

普通にメロディーやサビの感じが良かったのだが、
ライブでは2番の最初を香さんが歌っていたのも私の中では大きい。

サビも香さんがコーラスでハモっていた。

香さんが歌っていたのを聴いたから良い曲に感じたのだろうか。

そして、香さんソロのコーナーでは、
「M」「世界でいちばん熱い夏」とプリプリ時代の代表曲を聴けて、
本編最後はFLYING KIDZの演奏でプリプリの「Diamonds」。

FLYING KIDZの人が途中から歌い出したりするのかと思ったが、
全部香ちゃんが歌ってくれて嬉しかった。

FLYING KIDZの「風の吹き抜ける場所へ」は途中香ちゃんがメインで歌ったので
逆にDiamondsでFLYING KIDZが歌い出してもおかしくなかったのだが。


そんなこんなで1時間半程度のライブが終わると、

開演前仲良くなったおじさん、おばさんとは解散。

おじさんには「おかげで楽しい夜を過ごせました。ありがとう」と言ってもらった。


そして、Billboard Liveの出口を出たところで、

顔見知りの2人を発見。

以前、富山で香さんのライブがあった時、
僕は1人で会場に向かっていたのだが、
駅でこの2人組に偶然会って
駅からライブ会場までいっしょにタクシーに乗せてもらった。
そのときタクシーでお話させてもらって、少し仲良くなったのだ。

それからは、ライブで見かけると挨拶して少し話したり、たまにお土産を貰ったりしている。

私が2人に挨拶しようと話しかけると、

「おぉ!来てたん?どこおった~?」などと言ってもらって

そしてなんと、飲みに行かせてもらうことになった。

2人は大阪で一泊、
私は夜12時半出発の夜行バスに乗る。

このとき時刻は午後10時くらい。

2時間程度、時間が余っている。

私は人生で初めて、飲み会に参加することにした。

今まで一度も飲みに誘ってもらったことは無い。

人生で初めて飲みに誘ってもらえた。

58歳の女性の方と、
50歳の男性の方と、
21歳の僕の3人で飲みに行った。

居酒屋に連れて行ってもらい、
いろいろな話を聞かせてもらった。

・独身で、子供いないから、将来は甥っ子たちに迷惑かけることになる。少しでも負担を減らせるようにしないといけないから、死ぬときのことは全部決めている。55歳でお墓を買った。しゅんきも30年後に分かる
・会社を辞めた。何もない2か月はしんどい
・私は自分で店をやってたから、仲間がいろいろ教えてくれて、助けてくれて、投資がたまたまうまく行ってなんとかお金がある。体育会系の人間だから、先輩の言う通りにしたらうまくいった。環境が良くて(周りの人が良くて)周りに助けられた。運がいい。
・地元戻るか、どこで働くか考える。試しにやってみようと思っても、そう簡単に引き返せない量の手続きがある。寮とかでも良いんだけど。
・もう年だから、マイナスなほうにばっかり考えちゃう。
・50歳になったら、死ぬときのことを考え始める。しゅんきも30年後にわかる

などと、いろいろな話を聞かせてもらった。

たくさん勉強させてもらった。

もちろん、香さんの話もした。

「弾き語りは去年のセットリストのほうが良かったよね」
「そうですよね!去年はSTAY THERE(曲名)もあったし…」
「今年、なんか使いまわし多くない?みたいな(笑)」
「初日終わった後、『これを、あと3回観るのか…』ってちょっと思っちゃいました(笑)」
「あぁ!やっぱ思うよな!また行ったら楽しいんやけどな。1回思うよな。しゅんき君もそうなんや。やっぱみんな、思う事は同じなんやな」


今までは、
ライブの後にタクシーにいっしょに乗っても
「良かったなぁ」などとなんとなく浅い感想を述べるだけだったが、
飲みに行ったことで、
香ちゃんの好きな所だけでなく、不満も含めて共有できた。


おそらく、世の大半の人間は
こうやって、ある程度仲良くなったら徐々に不満も込みで言うようになっていくのだ。

最初は、同じ趣味の者同士といえども、薄い会話で様子を伺うのだ。

私は最初から結構込み入った話をしたい人間である。

最近も初対面の人に「ブログで炎上したことあるよ!何で炎上したかは、仲良くなったら言うから気になる人は僕と仲良くしてね♪」と言ったりしている。
だが、その旨をnoteに書くと、
「炎上の中身だけでなく、ブログが炎上したということ自体も初対面では言わないほうが良い」という意見が数件寄せられた。

このように、
最初は内容のある話、中身のある話をしないほうが良いと思っている人が結構な人数いるのだ。

誰もがインターネットを使い、SNSで何かを発信する時代で、
ネットで炎上したことのある人なんて結構な人数いるはずであり、
炎上経験があるから極悪人、というわけでもないはずなのに
それすら言うのは良くないことだとしてしまう。

そういえば、以前noteに書いた、
私にバンドをやろうと誘ってきた18歳の女のコも
「しゅんき君は、最初から踏み込みすぎ。会話っていうのはさ、段階があるやん?まだよく分からない相手にさ、いきなり本当に思ってることを言ったりとかしないやん。最初は様子見というかさ。」などとほざいていた。

どうせ、関わっていけば
いつの日か、自分の良い部分も悪い部分も含めて相手には分かっていく。
だったら、後から駄目な部分がバレていくよりも
最初から分かっていたほうが良いと思う。 

薄い話だけをしてなんとなく仲良くなって、
いざ濃い話をしたら意見が食い違ってお別れするようであれば、
最初の薄い話をしていた時間は無駄である。

だから私は、最初から自分の深い部分まで話をしたい。 




でも、薄い話から徐々に慣らしていかないと受け入れられないという人が一定数、というか、かなりの数いるのだろう。

だからみんな、薄い話から始めるのだ。

私は上に書いたように、最初から込み入った話もして、
私という人間をなるべく見せて、それでも仲良くしてくれるかどうか相手に判断を委ねたい。

でも、中身のないような話からして少しずつ本性を出していく、
そうでないと受け入れられないし、そのほうが良いという人も居る。

そういう人はそういう人なりに自分の中に理屈があるのだろうし、
「最初は当然薄い話、中身のない話から入らないと、相手がびっくりしちゃうから、徐々に慣らしていかななければならない」とか思っていることがあるのだろう(私はその立場ではないので、予想でしかないが)。

この2つの種類の人間がいるが、
ある程度の所で折り合いをつけないと、社会は成り立たない。

どちらの種類の人間に合わせるほうがラクかというと、
薄い話からしていくほうの人間に合わせるほうがラクだ。

こちら側が、濃い話、本当にしたい話をしばらく温存しておけばいいだけのことだ。

逆にこちらに合わせてもらおうと「最初から諸々のカミングアウト、経験、考え方込みで聞いたうえで今後も関わるか判断して!」と言っても、
「えぇ、いきなりじゃちょっと…」となってしまう。

向こうは気の持ちよう的にこちらの考えが受け入れられないので、
こちらが合わせてあげるしかないのだ。

向こうは向こうで自分たちが正しいと思っているだろうし。

だから私もこれからは、
初対面の人がいきなりはなんでも受け入れられない可能性も考慮して、
どうでもいい話からしてみようと思う。

初対面で、天気の話とかどうでもいい話をしている人を見ると、コミュニケーション能力の低い馬鹿なのかと思っていたが、
私もそうしようと思う。


そんなことにも気づいた、飲み会だった。



聴くと思い出す。

あぁ、あの日は楽しかったなぁ。

俺も55歳で、お墓買うのかなぁ。

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しゅんき
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