King&Princeに薄っすらハマった男、ポップアップストアに行く。
最近、King&Princeにハマっている。
最近知ったというわけではなく、少し前、メンバーが5人居たころ、一時期彼らを監視していた。
だが、そのときは全然ハマらなかった。
なぜ監視していたのか。
KREVAがキンプリに「ichiban」という楽曲を提供した。
私はKREVAのつくる音楽が大好きだ。
キンプリがKREVAのつくった曲を台無しにしていないだろうか、ということでミュージックビデオを観るのはもちろん、彼らがテレビでichibanを歌うと聞けば毎回監視した。
結構いい感じに歌ってくれていて安心した。
どうやら平野紫耀君がKREVAのファンらしい。
ファンなのもあって気合が入っているのだろう。
KREVAの意図も汲みやすかったのだろう。
欲を言えば、曲調などを考えると、もう少し声を張って歌ってもらったほうが良いような気もしたが、まぁ仕方ない。
ichibanは結構売れて、紅白歌合戦でも歌われることになった。
一応KREVAファンとして、KREVAがつくった楽曲を大ヒットさせてくれたキンプリへの感謝の思いも無いことはないので、キンプリの他の楽曲やライブのパフォーマンスも少しチェックしてあげた。
YouTubeを見ていたら、キンプリと全く関係ないKREVAの新曲のコメント欄にキンプリファンが
「KREVAさん、KREVAファンの皆さんこの度はありがとうございます。キンプリファンの者です。KREVAさんの楽曲も素敵な曲が多いですね」みたいなことをたくさん書いていたので、それを見て
「まぁ、じゃぁこっちもキンプリの映像観てやるか」となったのだ。
キンプリ、特にハマらなかった。
楽曲自体は良いものも多かった。
でも、やはり女子向けのアイドルなので、ライブではとにかく女の人に愛想を振りまくだけの感じのパフォーマンスも多く、私はファンにはならなかった。
私は、選挙カーからひたすら町中に媚びを売って手を振っている立候補者を見たときと同じ気持ちでライブ映像を観ていた。
それからしばらく約1年後、キンプリは分裂、3人組と2人組に分かれた。
平野君がKREVAファンで曲をつくってもらったはずなのに、彼はKREVAからもらった大事な曲を1年で捨ててしまった。
どういうつもりなのだろうか。
私の中の平野君の好感度はダダ下がりだ。
なぜ急に辞めるのだろうか。
3人がキンプリを脱退した理由の詳細はよく知らないが、ネットニュースを見ると、一応それぞれの脱退理由が書いてあった。
大したことは書いておらずどんな理由だか忘れてしまったが、唯一覚えているのは、一番意味不明な脱退理由だった神宮寺君。
彼は「誰かが辞めたら自分も辞めようと思っていた」とコメントしていた。
全く意味が分からない。
なぜ誰かが辞めたときに辞めるのだろうか。
普通逆だと思う。
「僕は、たとえ1人になってもKing&Princeを守り抜く!!」とかだと思う。
残留組の永瀬廉とかは多分そのタイプだろう。
なぜ誰かが辞めたときについでにいっしょに辞めるのか、意味不明だ。
そして最近、キンプリはサブスクで昔のベストアルバムと2人体制の新曲を配信し始めた。
私はKREVAがつくったichibanだけダウンロードしようかと思ったが、
「2人のキンプリってどんな感じだろう」と思って、ついでに新曲も聴いたところ、意外と良くて気に入った。
それに、塾で私が担当している女の子がキンプリのファンで布教されていたこともあり、完全にハマってしまった。
2人になってから、普通のアーティストっぽい感じの曲も増え、
「私が君の王子様だよ!キラーン!」みたいな感じが薄れて
男でもハマりやすい感じになっている。
2人の声のハーモニーも聴き心地良い。
ライブ映像を観ても、王子様っぽい決め台詞を言ってそれっぽい顔をして女子が「ギャーーーー」と言うみたいな時間が無くなっていて、普通にアーティストのライブ映像として観ていられたし、観ていて楽しかった。
これまでは、中国のニコニコ動画(BiliBili)に誰かが違法でアップロードしていたものを観ていたが、次からはきちんとDVDを買って観ようと思う。
完全にハマってしまった。
1年くらい前まで、客の反応よりも自分たちのやりたいことを優先してしまうアーティストを応援して疲れてしまったこともあり、客に媚びることが全てであるアイドルにハマってしまったのだろう。
そして私はファンクラブに入会し、
全国ツアーのチケット抽選に応募するも、全部ハズれた。
どうせ客席は女だらけなんだから、数少ない男の客は優先的に通してほしいものだ。
そして最近、King&Princeポップアップストアなるものが全国のPARCOで開催された。
ポップアップストアという言葉をまず知らなかったのだが、要は期間限定でグッズ販売する臨時の店ということらしい。
正直、最初は行く気はなかった。
ライブに行きもしないのにグッズだけ買っても仕方ない。
それに、私はジャニーズの金儲けの仕方が好きではない。
同じ曲のCDアルバムを何枚も売るために抱き合わせのDVDを3種類つくり、1枚で良いはずのCDを3枚買わせる。
挙句の果てに、抱き合わせのDVDが存在しない「通常盤」にだけ1曲多く入れて、DVD付きのCD3枚+CDだけの1枚と、4枚買わせようとする。
それで何十万枚も売ったからといって、嬉しいのだろうか。
そんな会社の売り上げには貢献してあげようと思えない。
嬉しそうにグッズを買い、ニコニコしながら家で眺めている人間は、ジャニーズに騙されているのだ。
でも、不思議なもので
「やっぱりポップアップ行ってみようかな…」などと毎日のように考えてしまい、
ある日、私は大学の授業終わりにPARCOに向かってしまった。
平日の昼過ぎに行ったのに、なぜか入場制限中で、5分か10分くらい並ぶ羽目になってしまった。
飲食店でもないのに何故並ばなければならないのか。
キンプリの人気を感じる。
並ぶ列には、大量の女子がいる。
男性もちらほらいるが、見た感じみんなカップルか夫婦だ。
男性一人で並んでいるのは、見た感じ私だけだ。
女だらけの場所は、何か居心地悪い。
居心地の悪さを感じながら、入場。
中に入ると、グッズ販売だけでなく、申し訳程度のパネルの展示などもあった。
ショップの一角には、プラネットエイジ原画展というのもあった。
プラネットエイジというのは、キンプリの新しいアルバムのテーマのようなものだ。
アルバムには16曲あるのだが、1曲につき1体、計16体の、イメージキャラクターを高橋海人が作ったのだ。
曲を売るだけでは飽き足らず、曲にキャラクターをつけてキャラクターのグッズ販売でさらに儲けてやろうという魂胆だ。なかなか乱暴な商売だ。
次のアルバムでは1曲ごとに匂いをつけて曲の香水を売り出し、その次は1曲ごとに歌詞をもとにした短編小説を販売し、その次は1曲ごとに味を変えた飲み物を売り出す…など、今後もいろいろな物を抱き合わせで売っていく算段なのだろうか。
それはさておき、今回はキャラクター商売だ。
そのキャラクター16体が住んでいる星を「プラネットエイジ」と呼ぶらしい。
PLANET AGE原画展は、その16体の絵の原画展だ。
「Odyssey」(オデッセイ)という曲のキャラクターの名前が「Tyler」(タイラー)。
もう覚えられない。
「オデッセイ君」とかにしておけばいいのに。
その他も、「B.J.(ビージェー)」とか「Vale(ヴァレ)」とか、覚えさせる気が無い。
高橋君、ナンジャモンジャゲームをやらせたら独特な名前ばかりつけて厄介そうだ。
独特なキャラクターの絵と名前を見て、
2年前くらいに塾のレクリエーション大会で中学生といっしょに遊んだナンジャモンジャゲームを思い出した。
(ナンジャモンジャゲームとは、ナンジャモンジャと呼ばれる謎のキャラクターのカードを1枚ずつ山札からめくっていき、全キャラクターに参加者が名前をつけていき、2周目でキャラクターの名前を早押しで当てていくゲームだ。)
ふつう、黄色いキャラクターには「イエロー君」とか、そういう感じで覚えやすい名前をつけていくのだが、時々独特なセンスを発揮する子もいた。
緑のウサギみたいなキャラクターに「民主主義」と名付けた奴がいて、思わず笑ってしまった。
笑われると気にして何も言えなくなってしまう子もいたりするので、生徒の言動であまり笑ったらいけないのだが、このときはどうしても笑ってしまった。
あの子、元気にしてるかな。元気に高校生やってるかな。
私は絵をみることは好きだ。
PLANET AGE原画展などの展示、去年見に行ったゴッホの展覧会より満足した。
ゴッホより高橋海人がすごいわけではなく、ゴッホの展覧会が酷かっただけなのだが。
本当は、私は行きたくなかったのだが、母が行きたいと言い出し、同行者がいないと寂しいからという理由で私は無理やり連れて来られた。
「没入型展覧会」などと謳い、ただ普通に絵を展示しておけばいいところを、誰が考えたのかわからないが謎の演出が入る。
モニターに絵がうつり、それに合わせBGMが流れ、絵の中を鳥が飛ぶ演出があったり、絵の中の機関車が動いたりする。
ゴッホが生前「俺が死んで展覧会をする時はな、絵をモニターに映してな、絵の中の機関車を走らせて、それに合わせてこういうBGMを流してくれ」と言ったならそれで良いが、ゴッホの時代はそんなハイテクな時代ではないはずだ。
観る者が各自で絵との対話をし、想像力を働かせ、解釈する。
そこまで含めてがアートである。
だから、観に行った後に「この絵は○○が××であることを表現していると思う」「あの絵は△△のところをもっと□□に表現すべき」など感想を語り、批評するのは良いと思う。批判も含めて。
だが、展覧会の展示の中に誰かの勝手な解釈を入れるのはおかしい。
作者が表現したものを観た後に各々がいろいろ考えて論ずるべきである。
ひまわりの部屋、など無茶苦茶だ。
もう、絵になにかを付け足したレベルではない。
絵を参考に、ゴッホとは別人が勝手に作っている。
挙句の果てに、出口のグッズストアはかなり乱暴な商売をしている。
絵を勝手に缶バッチにして、ランダムでガチャガチャにして販売している。
自分がつくったわけでもない絵を勝手にランダム販売して金儲け。
信じられない。
ゴッホは生前貧しい暮らしをしていたのに、
その絵を勝手に使ってグッズ販売して大儲けしている。
あり得ない。
非常に気分の悪くなる展覧会だった。
PLANET AGE原画展で急に思い出してゴッホアライブの文句を言ってしまった。キンプリショップの話に戻ろう。
キンプリのショップや展示は、メンバーがきちんと自分で考えたものをそのままお客さんに出してくれているので、安心して観ることができる。
永瀬君、高橋君がつくりたかった、作り上げた世界を堪能できる。
変に尖ったりしておらず、アイドルらしい、ポップで可愛らしい世界だった。
展示を観終わり、グッズを買おうかと思ったら、ほぼ全部売り切れだった。
ボールペンとかシャーペンとか、実用性のあるものが欲しかったのだが、そのあたりの文具は売り切れ。
どこにつけるべきか全く分からない、発注ミスとしか思えないようなとてつもない大きさの巨大なワッペンしか売れ残っていない。
ワッペンしかないといえば大袈裟だが、本当に商品の8割は売り切れだった。
仕方ないので、ステッカーとクリアファイルと、ホテルの鍵についていそうな細長い大きい棒のキーホルダーを購入。棒に関してはキーホルダーとしてつけると長すぎて邪魔な気もするが、なぜか買ってしまった。
値段も見ずに買ったのだが、この3つだけで3000円以上取られてびっくり。
もしたくさんグッズが残っていたら、何も考えずにどんどんカゴに入れて1万円以上取られていたかもしれない。
売れ残っていなくて良かったかもしれない。
にしても、こんなに売り切れとは、自分たちの人気をあまり把握できていないのだろうか。
初のPOPUP STOREだからといって、スタッフがひよったのだろうか。
そして次回、大量に作りすぎて在庫を抱えたりするのだろうか。
先日、筋肉少女帯のライブに行った時に大槻ケンヂ氏がMCで話していた。
「今日はソールドアウトということで、ありがとうございます。あのね、こうやって売り切れたりするとね、『あぁ~、もう同じ会場じゃできないなぁ~』なんて言ってキャパを大きくしたりしてね、それでね、そのキャパの計算を間違えるんだよね(笑)。で、前のほうだけしか埋まらなくてこじんまりした感じになっちゃって。。筋少もやった。昔、バンドブームのときに、3階くらいまであるホール押さえちゃって、2階席と3階席ほとんど人いなかった(笑)」
ライブ会場のキャパとか、グッズの売り上げとか、予測するのは想像以上に難しいのかもしれない。
キンプリちゃん、ポップアップストアもそうだが、私はライブにすら行けていないので、ライブ会場のキャパももう少し計算を頑張ってほしい。
そんなことを思いながら、帰宅。
帰宅すると、ニコニコしながらグッズを取り出し、クリアファイルに大学のプリントを挟みこんだ。