にじGTAが箱内交流企画として大成功した理由――ライバーたちの願い
ストグラで培われて、VCRで広がりを見せ、進化したGTA
私のグラセフのイメージと言えばおそらくGTA3で、当時はもっぱらアクションゲームに勤しんでいた自分的には、あまり興味が向かないタイプのゲームだった。マフィアのドンパチゲームで、教育的によくないゲーム、そんなイメージだった。そのイメージから変わったのは、GTAVの発売後、たまたま実況者の配信を見て、ストーリーがあるものなんだなと思った。そしてVCRGTAで、オンラインでロールごとに生活をしていくというマイクラ鯖に近いイメージを持った。さらにそこからVCRGTAでサポートしていた人たちに興味をもって、ストグラの世界を知ることになる。ストグラについて書いた記事は以下の通り。
そして今回、星川と叶からにじさんじのサーバー、にじGTAの開催が発表された。
浮かび上がる不安
しかしそれを聞いた私は、一抹の不安を抱いていた。
ストグラ等との差別化
ストグラ等の焼き増し的なメンバー
結局こうであれば、ストグラの小っちゃい版、制限版てきなところでとどまってしまい、この企画はある程度ストグラが好きな視聴者くらいしか喜ばないんじゃないか、成功する気がしない……。と。
1日目で感じた成功企画の雰囲気
そこで私は1日目に星川の視点をリアルタイムで見ることにした。始まる前に星川は「直前までいろんな人から質問のDMが来てて……」と語っており、そこで、あ、初心者も結構いるのかと思った。そして、星川が街に降り立って広がっていたのは、初心者やさらにJPだけでなく、ENやKR勢たちの姿。今までコラボしたことない人同士の関わり。これを見た瞬間に杞憂だったと思ったどころか、これは企画が成功するなと確信した。
RPじゃない良さ RPの良さ
成功するなと思った自分は、1日目・2日目を星川視点で見ていた。ストグラのRPを原則としたルール作りとは違い、ライバー自信がプレイヤーとして活動する。そういうところがストグラとの違いでよいところではあった。ただ一方で、RPを始めるライバーたちもいた。一番最初に見たそのライバーはこいつである。
なぜゴローなのだ……。そこから後々のあついぜ!ラーメン対決となるサロメ嬢のところへ行ったり、濃厚なやししぃを見せられたり……。かえってRPじゃない/RPの混在が見れたのも、にじGTAの面白さだった。
メインコンテンツ ライにゃん
そして、そんな中でもRPに振り切っていたのが、エリー・コニファーだ。この女は本当にすごい。一言の記事でも書いたが、デビュー当時そのままを保ち、演劇・TRPGもこなす彼女にとって、RPはちょちょいのちょいだったようだ。ストグラの記事でも書いたが、自分は関係性オタクである。カプ厨と言ってもいいかもしれない。その中で、伊波ライがひょんなことからキャバクラへ行き、娘娘ことエリー・コニファーと出会うのだ。
そして案の定、完璧なRPによって、沼るのである。
すでにエンディングを迎えており、その間にも他の客への接し方や心のうち、娘娘としての葛藤など、本当に面白いのでぜひ見てほしい。
サポートとしての星川・叶の尽力
この企画は、いろんなすれ違いから始まったことだったことが、企画終了直前の星川と叶のゲロエモ状態の会話で語られている。剣持が叶ににじさんじでGTAやれないかと相談を持ち掛けて、なかなか人数が集まるかな?という話が回りまわって星川に届き、叶がやるなら星川もやりたい!!という200%でアタックしたことで始まった。その中で星川の様子から、いろんな人に声をかけたことが見受けられる。星川がぼそっと言った「黛先輩に見せたかったなその景色」は、「JPやENなどに関わらず、ライバーたちが交流して新しい関係があって、みんなが参加してみんなが楽しめる企画」のことを指しているのだろうと思う。星川はそもそも別ゲームのサーバー企画でわからないことがあったところを叶に助けてもらった過去があり、自分が今度は教える側で、GTAを、よくわからない人でも参加して楽しんでもらいたいという気持ちがあったとのこと。
ゲーム内企画と人選
そんな星川は、ストグラで培ったものに、さらにストグラメンバーからの助力を得て、逃走中の企画を立てる。それは、「なかなか長く入るつもりがない人でも、1日ふらっと逃走中だけでもやるために入ってもらいたい」という気持ちがあったようだ。だからこそあまりこういう企画に参加しそうにない月ノ美兎と剣持刀也を選んだのだという。しかしその予想に反して、2人はその日以外もにじGTAに参加していた。自分もそうだが企画側も、こんなにも多くの人が、それもたくさんの時間参加してくれるとは思ってもいなかったのだろう。
神視点・叶のベストマッチ
サポートとして参加している星川と叶には、神視点が与えられており、いろんなことが簡単にできる。それこそレオスに畜生を送ってみたり、突然うづこうの前に出現したみたり……。そんな中で彼はいろんな人の生活を覗き見しながら、リアクションを取るのだ。ツッコミや笑い、一つ一つが神視点としてばっちりで、神視点の配信なのに退屈しない。この役も叶にぴったりだと思った。
大成功で終わった企画
ちょうど今、ストグラが盛り上がっている時期であり、GTAをやれば当たるという考え方もあるかもしれないが、今回の企画は星川・叶の両名の馬力と、普段はGTAをやらなそうなライバーたちがたくさん参加してくれたことによって、ちょっと前のマイクラにじさんじサーバーにも似た雰囲気を感じることができた。これがなければ絡んでいなかった組み合わせもあるだろうし、マイクラと違ってVCがある点もまた、よかった点だったのではないだろうか。そして、ストグラの記事にも書いたが、どうもこのGTAに対しては、にじさんじ衰退論あらためにじさんじ文化論を書いた彼に、意見を求めたい。彼が求めていた箱内で、さらに人気のライバーの人気を貪るためにコラボしてるわけでもない。そんなこの企画を彼はどう評価するのだろうか。これは彼が望んだにじさんじという箱の状況なのだろうか。