刮目せよ!エピセンでも先入り安地でチャンピオン――Vtuber最協決定戦S5
公式カスタムから見始めた
Apexが誰でもカスタムマッチ開けるようになったため、非公式でカスタムが立っていたが、自分は公式カスタムから見始めた。今回応援していたのは、久しぶりにちーちゃんを応援しようと、このチーム
リーダー 花芽すみれ
今回のリーダー枠。自分はIGLをやらない方がいい、そしてマスターのIGLを呼ぼうとなり、マスター(自分)+マスター(IGL)+プラチナのプラチナ枠としてラプ様を呼び、マスター(IGL)枠として、ちーちゃんを呼んだとのこと。持ち前のAIMで火力を出すという宣言は、カスタムや本番でもきちんと現れていた。
IGL 勇気ちひろ
実は前回のS4をあまりしっかり見ていなかった理由は、ちーちゃんが明らかに憔悴しきっていたためで、あの時期のちーちゃんはメンタルぐちゃぐちゃで、普通のApex配信でも結構辛そうだった。その後も「当分大会はいいかな」といいながらも、S5では渋谷ハルからリーダー枠をもらい、「ちひろでいいんですか?」という問いに対して、「ちーさんが出ないで、誰がでるんですか」という返答。結果的に、すーちゃんからチームに誘われる形でリーダー枠を返上はしているが、立ち直ったメンタルと鍛えられた安地読みによってIGL枠で活躍していく。
ラプラス・ダークネス
プラチナ枠。FPSとしてはVALORANTを好んでやりこんでいるが、VALORANTとApexの大きな違いは、立ち回り。爆弾解除系とバトロワ系では、立ち回りに大きな違いがある。加えて、Apexで画面酔いすることや、マスター・マスターについていかなきゃというプレッシャーなど、様々な困難があった中で、自分の役割を見つけ、自主練を重ねていくことになる。
やる気と非公式カスタム
最初にも言った通り、非公式カスタムで多くのチームが練習する中、すーちゃんの休止期間もかぶり、顔合わせがほかのチームよりも遅かったことや、前回のV最協S4の時のイメージもあり、どれくらいのやる気を持ち合わせているかが不安だったリスナーが一部いたみたいだが、その不安も公式カスタムが始まると、杞憂だったことがわかる。
エピセンターという場所
V最協S5では、ランドマークドラフト方式でランドマークが決まる。ただただくじ引きだったS3とは異なり、チーム合計ポイントの低いチームから順にドラフト形式で決まるのだが、すーちゃんが引き当てたのは「エピセンター」。簡単に言うと、物資が少ない「ハズレ」枠である。
ただ、S3ではそんなハズレ枠であったラウンドスライドから優勝をもぎ取ったチームもいた。IGLであるちーちゃんは、様々な構成を考えた結果、
バンガロール(花芽すみれ)
ワットソン(勇気ちひろ)
ライフライン(ラプラス・ダークネス)
という構成に決める。ライフラインは公式大会ピック率が非常に低く、物資が欲しいのであればローバを使うのが定石である。しかし、ローバの場合「付近に存在しているアイテム」を集めることができるが、そもそも付近にアイテムが存在しなければ集められない上、進化シールドの仕様上、終盤にならないと強いシールドは得られない。一方でライフラインの場合、現在のチーム状況のTire1上のアイテムがケアパッケージにくる仕様になっており、白白白の状況から、何度かファイトやケアパケをつかうことで、紫紫紫まで育てることができる。加えて、ワットソンとライフラインはそれぞれシールドと体力を回復することができることで、アイテムの節約もすることができる。
さらにちーちゃんはワットソンでプレマス帯を回していた時期があり、フェンスで場所を広げるということも行える上、すーちゃんが火力を出している間にムーブや安地読みに集中できるということもあり、この構成となった。他のメンバーやコーチからは「ミスピック?」と思われていたが、カスタムでの結果から、「これはよく考えられた構成だ」「最適解だ」と言われるくらいには、エピセンターランドマークでのこの構成は刺さっている。
カスタムでの総合1位
ちーちゃんのIGLは昔から「安定と平均」であり、安地を読み、先に入って、チャンピオンを取る。キルは取れるときに取るだけで、取りに行かないというのものである。ししょーからの進言もあり、安地読みを勉強し、カスタム3日目では総合1位をとった。
すーちゃんがサブオーダーとして、ちーちゃんがビジーのときに声をかけているのも大きい。しかしちーちゃんは「チャンピオンは取れていないこと」「最終局面に3人残ることが少ない」ことを気にしていた。そしてカスタム4日目ではチャンピオンを取ることとなる。
すーちゃんの火力がすごい一方で、やはり3人残っていないが、このチャンピオンからいい流れが来ると思いきや……
振るわないカスタム5日目
本番が近くなるにつれ、当然ほかのチームも強くなってくる上、ムーブも変わってくる。ちーちゃんのIGLは「安地を読んで先入りし、場所を確保する」というものであるため、先入りできないと端ムーブを徹底してファイトするチームと当たってしまって、なかなか好成績が残せなかった。しかし、今までと違い、ちーちゃんはなんとか自分で自分を立て直そうとしていて、こういうところの成長も見られた。
本番の悪魔
ゲームの大会に限らず、本番というのは今まで通りうまくいかないものである。それは環境もそうだが、当然精神的な面もそうである。スポーツの世界であっても、精神的に強いものが当然有利であり、e-スポーツである今大会もその例に外れない。
1戦目 8位1キル――展望安地 チャンピオン:めーぷるなっつばにーだよ
安地収縮にギリギリまで塔が入っており、塔を取りたかったが先にチームが入り、その後取りに行くと周りから撃たれることを危惧して根元を取りに行ったが、壊滅させられてしまった。ヴァルキリーのULTで後からいろんな場所にどんどん入り込める一方で、EMAは移動キャラを積んでいないため、なかなか難しい結果となった。
2戦目 15位0キル――ドーム安地 チャンピオン:めーぷるなっつばにーだよ
こちらは結局端ムーブとなってしまい、情報誤認により二つに分かれてしまった上で壊滅。建物上に安地外でも残っていたデカに9によってオーダーを狂わされてしまった。ここでちーちゃんは「もっとしっかり報告をしなくては」と自分をとがめた。そしてめーぷるなっつばにーだよは史上初の2連続チャンピオンを獲得する。
3戦目 20位0キル――カウントダウン安地 チャンピオン:デカに9
こちらも安地端でやられてしまったパターン。移動直前に敵が流れ込んできてしまい、対応できずに壊滅。インターバルを挟む際、ちーちゃんはトイレへ行って頭をリセットしてくると言い残し、10分リフレッシュに使った。ここ3戦はカスタム最終日のうまくいかなかったのを引きずっている感と、オーダーの判断が鈍く、なかなか自分たちのムーブができていなかった(実際、先入りムーブのはずが、2戦とも安地端でやられてしまっている)。
4戦目 1位11キル――火力発電所安地 チャンピオン:エピセンだ道を開けろ
インターバル中にちーちゃんがリフレッシュしてる中、ラプ様は「じゃあすみれと対面練習する」と言って、2人で練習をしていた。リフレッシュに入る前に、一人で考え込むちーちゃんを2人の会話に入らないと指摘したコメントに対してちーちゃんが感情を乱してしまうが、リフレッシュ後の様子は、先ほどまでの様子とは異なる、IGLとしての覚悟が伺える様子だった。
しかし先入りしたいがなかなかそうはうまくいかず、溶岩下に落下してしまうちーちゃんと、バルーンジャンプで距離が稼げないために手前に降りてしまうラプ様、そして箱になってしまったラプ様。すーちゃんが「それ救えないわ」と言ったが、ちーちゃんはその後、「あとで拾う」といい、ちーちゃんがバナーを拾い、すーちゃんがビーコンで蘇生を通して、立て直すことになる。
その後、取りたかった場所がほかのチームへのファイトに行き、すぐそこの家が他チームとやり始めたのを見て、バルーンジャンプで最終安地に飛ぶことをコールする。ラプ様は武器と弾を漁りたかったが、そのコールを聞いて移動を優先し、無事最終安地の高台を確保することに成功する。
ここからは場所有利から、周りの敵をどんどん弾き、声を掛けながら左右を警戒しつつ、入れ替わりながらチャンピオンを取ることになる。この時の実況解説の大和さんの口上「深淵を照らす勇気と魔法は 隔たりを越え澄み切った勝利への道を切り拓く! 刮目せよ! チャンピオンはエピセンだ道を開けろ」もさすがの大和さんと言ったところ。3人生き残った状態でのチャンピオンという目標を達成することができた。
5戦目 5位2キル――カウントダウン安地 チャンピオン:運命ゲーミング
裏を警戒しながらうまく分担をしてエリアを広げるも、タイミングがいろいろ悪く、壊滅。ここでやり切れていたら、もう少し順位が上がったかもしれないという後悔も残りながら、バーチャルゴリラのキャラコンと至近距離ピースキーパーの難しさに勝ちきれなかった。
5戦目のチャンピオンは、バグやらなんやらで振り回された運命ゲーミングであり、最弱ランドマークエピセンターと、不憫ランドマークスカイフック西の2チームがチャンピオンを取っていることから、Apexはランドマークが全てじゃないことが証明された。
最終結果
というわけで6位33ptという最終結果だったわけだが、3戦目終了時点で18位4ptだったことを考えると、よくここまであがることができたとも思う。カスタムでも好成績を残し、本番もチャンピオンをしかも3人生存でとることができたのは、最協の名にふさわしいチームだったと思う。火力のすーちゃん、IGLのちーちゃん、そしてそれについてきてサポートするラプ様。またこの3人でやりたいと言ったやりとりを最後にしていて、「バイバイじゃなくてまたね」と頑なに言っていたのがラプ様なのがまた、このチームを応援してよかったなと本当に思った。
強くなった勇気ちひろ
以前noteで、司令塔の難しさについて書いた記事がある
司令塔であるIGLは本番もそうだが、その前から非常に精神的疲労が多い。常にプレッシャーと戦いながら、プレイしなければならないし、ちーちゃんはさらに自己嫌悪に陥りやすく、環境も環境で今までもボロボロになるところも見てきた。正直、カスタム最終日そして本戦3戦目までは、これはまたS4のときと同じ状況になってしまうのかと思っていたが、今回はインターバル中に自分で立て直すことができたし、その前の練習中のときも自分自身を振るい立たせることができて、RAGEのあの本番中にうまくいかなくて泣いてた頃から比べたらものすごく成長している。
この成長を見届けることができていることが、自分にとってうれしいし、コメントでもRAGEからとか、V最協から見始めたという人もたくさんいて、やっぱり、ちーちゃんのApexは魅力的なんだなと感じた。