聞きたいことはなんですか?【4話】
鈴木「佐藤くん。」
佐藤「鈴木さん。」
鈴木「聞きたいことがあるんだけど。」
佐藤「すまん。」
鈴木「すまん、じゃないよ。なんで待ち合わせに来てくれなかったの。」
佐藤「もともと予定があったんだ。」
鈴木「じゃあなんで行けないって言ってくれなかったの。」
佐藤「だって、鈴木さんはいつも女子と一緒だろ。学校でも通学路でも声かけられなかったんだよ。」
鈴木「私、ずっと待ってたんだよ。」
佐藤「悪かったって。」
鈴木「私のこと好きだって噂、嘘だったんだね。」
佐藤「なんでそうなるんだよ。」
鈴木「じゃあ私のこと好きなの?」
佐藤「面倒くせぇな!」
鈴木「面倒って何よ!!」
佐藤「面倒くせぇだろ!こんな状況で告白してOKがもらえるのか?OKもらえたとして気持ちよく付き合えるのか?悪かったって言ってるだろ。」
鈴木「悪かったって思うんなら謝りに来るべきでしょ。」
佐藤「放課後まで俺を避けてたくせによく言うな。」
鈴木「だって気まずいじゃん。」
佐藤「俺だって気まずいよ。」
鈴木「じゃあ今謝ってよ。もう誰もいないし。」
佐藤「うるせぇな。さっき謝っただろ。なんでそんな何度も謝んなきゃいけないんだよ。」
鈴木「私が傷付いたから。まだ全然収まってないから。」
佐藤「ああ、悪かった、悪かった。これでいいか。」
鈴木「どうしてよ。」
佐藤「あ?」
鈴木「どうして分かんないの。」
佐藤「何がだよ。」
鈴木「私が佐藤くんのこと好きだって。」
佐藤「え?」
鈴木「私が、佐藤くんのこと、好きだって。」
佐藤「え、その…。」
鈴木「うるさい、黙って。」
佐藤「いや、だから。」
鈴木「帰る!」
佐藤「待って、待ってってば、鈴木さん!」
鈴木「知らない!」
佐藤「分かんないだろ。そんなことさぁ。どうすんだよ、これ。」