「宇宙人からしたら君も宇宙人なんだよ」って言ってる君は地底人
お調子者のクラスメイトが言いました。
「今日このクラスに転校生来るって!」
ざわざわざわ
「しかも女子やって!」
ざわざわざわざわざわざわ
「しかもめっちゃ可愛いって!」
わっしょい!わっしょい!
「しかも身長2mやって!」
わっしょい?わっしょい?
「しかも4割打者やって!」
うぉー!うぉー!
宇宙人って宇宙船の扉の向こうでこれくらい期待されてます。
『エイリアン 』みたいな口から口が出てくる恐怖を煽ってくるタイプ。
それとも『E.T.』みたいなガリガリのおじいちゃんみたいな可愛らしいタイプ。
はたまたタコさんウインナータイプ。
宇宙人、扉の前でいっぱいある足ガタガタ震わしてます。
僕がその立場なら精一杯のムーンウォークで宇宙船のスロープ下ります。
皆さんも異星に行ってジモティーに舐められないように準備してみましょう。
『どこから来たんですか?』
まずされる質問ですね。
ここで
「地球です」
と答えた日にはベタ星人のレッテルをベタベタ貼られます。
とりあえず意図もなく上を指差します。
記者たちがそわそわするまで2、3分待ちます。
記者の一人が待ち切れなくなって
「えっとどこですか?」
そこで不敵な笑みを浮かべて
「ワレワレハウチュウジンダ」
ベタ中のベタをあえて使います。
質問の答えにもなってません。
記者たちもなんとなく
「ほー」
気まずい空気を流します。
もうこっちのリズムです。
『どうやってこの星に来たのですか?』
普通ならこんな質問に答える価値はありません。だってどう見ても宇宙船に乗ってきてます。
しかし、ここは腕の見せ所です。
「ジェットスターで」
格安のプランで来てます。ただの格安航空機がちょっとぽい感じに聞こえます。
『この星になにをしに来たのですか?』
ここで記者に緊張が走ります。
「侵略」
の二文字を非常に恐れているからです。
あなたは机の下から瓶に入ったウォッカを出して
「これに合うつまみを探しに来たのさ」
もうただの変なアメリカ人です。
ここまで来たらもう引き返せません。
『好きな食べ物なに?』
あーあ舐められ始めました。
一度気を引き締めましょう。
今まで温めてきた渾身のカタカナ語をお見舞いします。
「サイバージャパン」
ただのギャル好きになってしまいました。
なんか凄いサイバーなパンってことで誤魔化しましょう。
『なんか特技とかある?』
もはやオーディションと化し始めました。
なにも準備してないと冷や汗かくやつです。
「地球あるある言えます」
地球って言っちゃいました。
「ゴマ入れがち」
記者「……」
記者「……」
記者「ウォー!」
これ絶対仲良くなったあとに後悔するパターンです。
やっぱりありのままの自分でいきましょう。
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