午睡は夏の季語らしい
今日は駄目な日だった。
そもそもを遡れば昨日も駄目な夜で、頭は痛いし気持ちは不安と悲しみにかきまぜられるし、いつものごとくデエビゴは効かないしで、絶望の夜だったのだ。
いつものごとく明け方にまどろんで、父親が仕事に行く音でうっすら目を覚まして、また眠る。これで再度起きたのが九時と早かったのも最悪だった。
駄目な夜を引きずるような陰鬱な気持ち。本来友達と飲みの約束が入っていて、駄目かも、と悟って深夜に送ったLINEにものすごい気遣いと気にしないで! という優しい返事が来ていたのも駄目押しだった。
身体も頭も重くて動けない。泥の中に沈みこんだようで、そんな自分に嫌気がさす。九時になんて起きちゃったから時間は遅々として進まず、退屈な授業中の方がまだ進みが早いような塩梅だった。
ベッドから動けないので、SNSを見るか微睡むかくらいしか選択肢がない。今日もシーツと自分の体の間に熱がこもるのを感じながらうねうねとベッドの上を彷徨って、そうしていつの間にか眠っていた。
夢を見た。
プールに行って、かき氷食べて花火見てる夢だった。すんごい夏だ。本人はエアコンの効いた涼しい部屋で動けなくなってるのに。夢の中での私の認識は池袋で、書きながら思い出したんだけど、前も夢で見た気がする場所だった。
そこにはちょっとした動物園みたいのが設えてあって、通り抜けてエレベーターで地下に行くとプールがある。自由に泳ぐんじゃなくて、インストラクターさんの指示に従って遊ぶ系のプール。多分そこは東武みたいな場所で、屋上庭園みたいのもあって、見える範囲に観覧車もあって、びかびかに光るネオンの看板もあって、そこから花火を見てた。駅の構造としては大宮が近いんだろうなあ、と思う。池袋じゃない。駅を出るとすぐ地上じゃなくて、階段を下って地上に降りる。駅からちょっと出て進むとまた別のショッピングモールに繋がってたから、構造としては川越も近いのかも。
その屋上庭園みたいな場所でかき氷を食べながらぼーっと花火を見上げていた。
夢の中では花火から結構な火の粉が落ちてきていたので、大輪の花火を見上げながら、大きな花火を近くで見るのって綺麗だしすごいけど怖いが勝つんだよなあ。だって熱いし。と考えていた。花火を見ながら茫然としたり、音を聞きながらその辺を歩いたりして、あ、写真撮らなきゃ、インスタにあげよ、とカメラを構えた頃にはちょうど終盤でカスみたいな写真しか撮れなかった。すごいリアルな夢。夏真っ盛りの午睡で見た、そんな夢。